【追悼】ダイソー創業者・矢野博丈氏「自分は不運、こんな会社すぐ潰れる」と疑い続けた弱気人生Photo by Tomomi Matsuno

100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業の創業者である矢野博丈氏が、2月12日に亡くなりました。80歳でした。追悼の意を込めて、矢野氏ご自身がダイヤモンド・オンラインに寄稿した連載の第1回の会員限定記事を、全ての読者へ公開します。「100円均一」のビジネスモデルが誕生した意外な瞬間や、「自分は不運」「こんな会社すぐ潰れる」と疑い続けた人生を矢野氏が自ら振り返った貴重な記事です。

※2018年4月2日に配信した記事を再掲。肩書や数字などの情報は配信時のもの

ここまで大きな会社になるとは
予想できなかった

 100円ショップのダイソーは今、国内3150店舗、海外にも26の国と地域に1900店舗を構える。売上高は4200億円(2017年3月現在)となった。まさか、こんなに大きくなるとは思ってもみなかった。それはまぎれもない本心である。

 100円均一の商売を始めるとき、さらにそれに至るまでの数々の挫折の中で、自分の事業が大きくなること自体は、まるで想像していなかった。その証拠に、これまで私は、仕事をしている自分の写真をほとんど残していない。

 写真というのは、大きくなると思っているから記念に撮るものなのだ。人は赤ちゃんの写真は撮るけれど、ガンで入院した90歳のじいさんの写真など撮らない。マスコミの取材を受けたりするとよく、「昔の写真はないんですか」と聞かれるのだが、潰れると思ってやっているのに写真なんか撮るわけがない。

 実際、10年くらい前まで、本気で「こんな会社はすぐに潰れる」と思ってきた。