民主派や少数民族武装勢力との武力衝突が続くミャンマー国軍は10日、国民に兵役の義務を課す徴兵を実施すると発表した。各地で軍が劣勢になっていることが背景にあるとみられる。
国軍の報道官は10日、国営テレビを通じて、「国民全員が参加する兵役制度が必要だ」と述べ、徴兵を行うと明らかにした。
徴兵は18歳以上が対象で、医師などの専門職以外では男性は35歳、女性は27歳までとなる。徴兵制度は2010年に導入されたが、これまで実施されていなかった。
ミャンマー国軍は3年前の2021年2月にクーデターで民主派政権を倒して全権を掌握し、その後、抵抗勢力を弾圧してきた。
しかし、2023年10月に北東部などで少数民族が蜂起して以降、国軍は劣勢が続き多数の兵士が投降するなど、士気が低下していると指摘されていて、強制的に動員する徴兵の必要性に迫られたとみられる。