面白漢字成り立ちクイズ10選!小学生から大人まで熱中する国語の授業
こんにちは!共育LIBRARYというブログを運営しているりょーやんと申します。
「漢字ほど面白いものはない」。
元小学校教師である筆者は、教員時代、常々思っていました。
教師になった当初は、漢字をどのように教えればよいのか困っていました。新出漢字を覚えさせる方法がそもそも分からず、職員室で頭を抱えていました・・・
「あの子がいつも50点いかないんです・・・」と周囲の先生に相談すると、「まあ、家で勉強してないからじゃない?」の一言で終わってしまうことが多く、モヤモヤした状態は晴れず・・・
「ならば本当にそうなのか自分で調べてみよう!」と思い立ち、様々な書籍や結果を出している人に教えを請い、指導法を研究していきました。
そして、様々な試行錯誤を重ねる内に、「漢字が苦手」という子どもにも合っている漢字の学ばせ方が分かるようになってきました。
しかし、心の中にまだ、モヤモヤは残っていたのです。
「確かに、漢字を覚えることができるようにはなった。しかし、それは『単に点数が取れるようになった』というだけで、漢字そのものに対する面倒くささや苦手意識は変わっていないのではないか?」
そう、思っていたのです。「どうせなら、勉強そのものを『面白い!』と感じてほしい。」そのような思いが強かった筆者は、点数を上げるだけの漢字指導に、「強制感」と感じていたのでした。
そして、何より単調な勉強というものがあまり好きではなかった筆者自身の「自分が子どもの頃につまらないと思っていた勉強をやらせたくない~
」という気持ちの表れでもあったのです笑
では、どうすればよいのか・・・
様々模索し、導き出した結論が、「漢字の成り立ちを教える」ということでした。
漢字の成り立ちを教えると、子どもたちの目が途端に輝き始めます。定期的にクイズを行っていくと、自主学習で調べてくる子ども、クイズ集を作ってくる子どもも現れ始めました。
それぐらい、漢字そのものに知的好奇心を抱くように子どもが変化していったと感じたのです。
筆者自身も、授業に張りが出てきて、ワクワクです。
この記事では、様々な辞典や全国の面白い授業を調べた筆者が、厳選した面白漢字成り立ちクイズ10選を紹介します。
「これを読めば、『漢字って結構面白いな・・・!』と思ってもらえるはず!」
そう思って書いた記事です。たくさんの面白漢字があるので、是非、見ていってください。
❶「大」に関係する漢字
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難易度・・・★★★☆☆
対象学年・・・1年生以上
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「大」という、とても簡単な漢字から始まるクイズです。この「両手両足を広げている人」にほんのちょっとの変化を加えるだけで、次々と面白い漢字が誕生します。
全て1年生で習う漢字なので分かりやすく、かつ、解けそうで解けない感じが丁度よい難易度です。
「天と地を治める人」=「王」という成り立ちが、何ともかっこいいと思えてしまう成り立ちクイズです。このクイズを受けた後は、「天」や「王」という漢字をますます好きになると思います。
❷「止」に関係する漢字
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難易度・・・★★★☆☆
対象学年・・・2年生以上
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「止」という漢字は、足跡の形からできました。(諸説あり)その足の形を1つ増やしてみたり、線を引いてみたりするだけで、「なるほど!」と思える成り立ちをもつ漢字に変化します。
漢字成り立ちクイズは、「簡単→難しい」という順番で提示していくことが大切です。「自分でも解けるかも・・・」という気持ちにさせることで、子どもの中に意欲が湧きたちます。
「止」シリーズの中で最も難しいものは「出」ですが、「線から『出』ている」様子が成り立ちを表しているといわれると、「確かに!言われてみれば・・・!」と筆者は感動してしまっていました。
そのような「心が動く発見の喜び」がきっと生まれる成り立ちクイズを、ここからも次々紹介していきます。
❸「雨」に関係する漢字
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難易度・・・★★★★☆
対象学年・・・3年生以上
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3つ目は「雨」に関係する漢字です。漢字の成り立ちというものは非常によく考えられており、「雨かんむり」の漢字は、水気や天気に関係する意味の漢字が集まっています。
中でも1番面白いのは「雪」。雪の成り立ちがクライマックスになるように、クイズのステップを組み立てていきます。
「神様が地上を真っ白に掃除をしてしまった様子」=「箒」というのは、何ともロマンチックな感じがします。昔の人の想像力が、如何に豊かであったのが分かるようで面白いですね。
❹「土」に関係する漢字
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難易度・・・★★★☆☆
対象学年・・・1年生以上
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このクイズは、全て1年生で習う漢字で構成されています。どの学年でも行うことができ、漢字の成り立ちに興味をもつとっかかりとして、もってこいのクイズです。
「双葉を二つ重ねた」=「生」は、子どもたちからなかなか出てきません。見た目だけを見ると「出」や「王」という漢字ばかりをあげてしまうからでしょう。この「出そうで出ない感じ」が白熱を生みます。
授業であれば、「ノートに書いた人から持ってきなさい」と告げ、持ってきた人に、「違います!」を連発します。この「何回間違えてもよい」「間違えるのが当たり前」という空気感の中で挑戦させるのは、なんとも楽しいものです。
❺「数字」に関係する漢字
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難易度・・・★★★★☆
対象学年・・・3年生以上
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最もシンプルな「一」という数字から始まるクイズ。しかし、最終問題は、「なるほど!だからか!」と思わず手を打ってしまう、知的好奇心をくすぐる内容になっています。
最後の問題の、「十が本当に『世』の中に三つ入っている」ということと、「一世代を三十年と数えているから十が三つ」などは、思わずうなってしまうほどの納得感ではないでしょうか。
筆者の教室でも、「だから十が三つなのか!」とつぶやいている子どもや、休み時間になっても漢字のことについてあれこれ聞いてくる子どもなど、クイズ後は漢字に興味を示す子どもが一気に増えていました。
❻「心」に関係する漢字
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難易度・・・★★★★☆
対象学年・・・3年生以上
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次は「心」。現代では、「感情を感じるのは脳」ということが判明していますが、昔の人は、気持ち・感情をどのように捉えていたのでしょうか。
現代に生きている人も「脳が信号を送っているのは分かっているけれど、どこかしら胸のあたりで気持ちを感じている」と思っている人も多いはずです。
昔の人と、現代に生きる人が不思議とつながる人間の性のようなものを感じることができ、何ともいえない気持ちになります。
おまけに、「思」は心と頭を連動させて考え、感じている成り立ちであるというのも、「深いなぁ」と思ってしまいます。
やはり、漢字は奥深く、味わい深いですね。
❼「月」に関係する漢字
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難易度・・・★★★☆☆
対象学年・・・1年生以上
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「月」に関係する「明」のクイズです。これはあまりステップを踏まず単体で構成しています。ですので、サラッとお手軽にできます。
1年生の教科書には、「『日』の成り立ちは太陽が由来である」ということがイラストで示されています。ならば、「明」の左側の日も太陽でだろうと思ってしまうところが、答えの意外性を演出する素材となります。
現在完成している漢字上は同じ「日」という表記でも、1つ前の成り立ちの絵では、「明」の「日」は、単体の「日」と形が違っています。
成り立ちというものの多様性やユニークさを教えてくれるクイズです。
❽「口」に関係する漢字
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難易度・・・★★★★☆
対象学年・・・2年生以上
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出てくる漢字は「口」「言」「音」とシンプル且つ、とてもよく使われるものなのですが、とても意外な成り立ちをもっている漢字たちが集まっています。
漢字の成り立ちには、少し怖い一面があることが、垣間見えるクイズです。
「言葉」というものの便利さと怖さを教えてくれる成り立ちクイズだと思います。だからこそ、「口に出す言葉を大切にしよう」という話にもつなげることができるので、様々な場面に応用することができそうです。
❾「示」に関係する漢字
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難易度・・・★★★★★
対象学年・・・5年生以上
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残り2問。ここからは難易度の高い成り立ちクイズを紹介していきます。「ネ(しめすへん)」という名の通り、成り立ちのルーツは「示」であることをメイン軸にしたクイズです。
神々しい漢字がたくさん集まっているので、読者の方の中にも、きっと知的好奇心を揺さぶられる人もいるかなと思います。
「神」という漢字の成り立ちが「雷(かみなり)」であり、その日本語自体も「神鳴り」が元になっている。漢字だけではなく、日本語の語源が非常に深く考えられているものであることがよく分かる一文字です。
言葉というものは、本当に面白いですね。
❿「虫」に関係する漢字
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難易度・・・★★★★★
対象学年・・・4年生以上
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最後は、漢字が作られた背景や昔の人の考え方にグッと迫りつつ、最高にかっこいい漢字で締めくくる漢字クイズです。教師ならば授業参観にも最適な内容であり、家庭ならば男の子が一発で「虫」にまつわる漢字が好きになります。
「虹」には「龍」が例えられていたというエピソードは、最高にかっこいいですよね。昔の人は本当に人の心に感動を残すような意味を漢字に込めるものだと、感嘆してしまいます。
このように、普段目にする漢字の一歩裏の世界を知っていると、より深い目線で物事を考えることが増えていきます。
言葉というものは、一生付き合っていくもの。漢字の深みを知っていることは、その人が発する言葉に深みをもたせることにつながります。
子どものクイズや大人の教養のために、是非、活用してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
筆者は漢字のなりたち辞典を読んだときに、あまりに面白くて、しばらく愛読書が漢字辞典だったことがあります笑
知識が増えていくことより、何より、昔の人の発想力の豊かさに感動を覚えたのでした。
「一見、何の役立つの?」と思うことであっても、疑問に思ったことを細かく追究していく。
その中で出会った感動や知恵が、子どもの人生をきっと豊かにしていくと筆者は思っています。
興味をもち、自分で調べ、感動を覚えることの繰り返しが、知的好奇心を育んでくれるのではないかと、子どもの未来を想像してワクワクしていました。
是非、お子さんがいる方は、子どもと一緒に、知的好奇心がときめく旅路を楽しんでほしいと思います。
もし、「もっと漢字の成り立ちについて知りたい」という方がいれば、以下の書籍を参考にしてみてください。
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『藤堂形式/小学生版漢字なりたち辞典』教育社出版
『常用字解』白川静著
『白川静文学に学ぶ 漢字なりたちブック1~6年生』伊東信夫著
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最後まで読んでくださりありがとうございました。
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