RERAのウイスキーブログ

ロスジェネ世代のおっさんが、世界各地のウイスキーを飲み、独断で評価していきます。 Whisky reviews and informations

タグ:カティサーク

安旨ウイスキーとして今回は、スコッチウイスキーの定番の一つ、カティサークを飲んでみます。

紅茶運搬帆船を冠したウイスキー

c_sark2020_カティサークとは、19世紀に作られた紅茶を輸送するための帆船の名前からとられています。
18世紀前半において、イギリスにおいて生活必需品となった紅茶を素早く運ぶための帆船が次々に作られ、より早く輸送する競争が激化していきました。
カティサークは1869年に就航し、荒天でも安定した航行を可能にした帆船でした。

しかし、紅茶輸送としての競争ではライバルに敗れ、さらにはスエズ運河の完成によって風の少ない運河においては帆船が航行できず、紅茶輸送は蒸気船に取って代わりました。

時代の転換点の手前に誕生し、急激な変化に翻弄されたカティサークは、大西洋やオーストラリアとの輸送船として活躍した後、紅茶輸送の帆船としての遺産としてイギリスで保管され、現在は展示施設と共に見学が出来るようになりました。

ブレンデッドウイスキーとしてのカティサークが誕生したのは1923年です。この前年に、カティサークはポルトガルからイギリス人によって買い戻され、帆船の歴史を象る存在となっていました。

カティサークでは、キーモルトとしてザ・マッカラン、ハイランドパーク、ブナハーブン、グレンロセス、タムドゥを使っています。
特にマッカランのしっかりしたレーズンを思わせる香りと、ハイランドパークのスモーキーさが肝になっています。

では、実際に飲んでみます。

ストレート

先にブランデーを思わせるブドウの香りと紅茶が半々に訪れます。その後にリンゴの香りが続き、ピート由来のスモーキーさが後を追いかけます。

味わいは、アルコールからの辛みはそこそこあるものの、その後は甘みと軽い酸味が続きます。

マッカラン由来のしっかりしたシェリー樽原酒の香りとハイランドパークのスモーキーさを兼ね備えたボトルであることをしっかり実感できます。

ロック

先にライムの爽やかさとピートの香りが強く感じ取れます。奥からはバニラ、そしてリンゴとレーズンがやってきます。

味わいは、酸味が強く出るようになり、苦みも後からついてきます。甘さはあまり感じられません。

ストレートではバランスの良さを感じられる反面、ロックはハイランドパーク由来のスモーキーな香りがしっかり感じられる印象です。

水割り

トゥワイスアップにすると、スモーキーさが前に強く出るようになり、奥からレーズン、リンゴ、バニラ、栗の香りが続きます。

味わいは、多少の渋みがあるものの、基本的には酸味がメインで、奥から甘さが出てきます。

1:4で割ると、レーズンの香りが主体となり、ピートもそこそこ感じられます。
味わいは、苦みが少々前に来る印象で、酸味や甘みは奥に潜みます。

ハイボール

1:3で割ると、レーズンの香りが先に訪れ、ピートのスモーキーさとリンゴの香りがそれに続きます。
味わいは、酸味が先に立ち、甘さが追いかけます。
比較的甘みがあって飲みやすいハイボールになります。

まとめ

バランタインファイネストやジョニ赤は、様々な個性ある原酒をまとめ上げたような印象に仕上げていますが、カティサークは原酒の個性を殺すことなく、それらを各々感じられるようにブレンドをしたような印象です。
それにより、ウイスキーの持つ幅の広さをこれ一本で堪能できると思います。
また、お店によっては1000円ほどで手に入るので、コストパフォーマンスも高いウイスキーと言えます。
  • メーカー:バカルディ
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:ブランデーを思わせるブドウの香りと紅茶、リンゴ、ピートからのスモーキーさが主体。
  • 味わい:ストレートだと甘みがメインだが、加水されると酸味、苦みが加わる。
  • ストレート A: アルコールの刺激が少なく、甘くて飲みやすい。
  • ロック B: スモーキーな香りが広がり、後からバニラの甘い香りも続く。
  • 水割り B: トゥワイスアップでスモーキーな香りに栗が加わる。少々苦みが出る。
  • ハイボール B: スモーキーさとブドウ、リンゴの甘い香りが広がる。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【あす楽】 カティーサーク(カティサーク)EC 40度 700ml 正規
価格:988円(税込、送料別) (2020/6/23時点)


cs_proh今回はカティサークの中からプロヒビションを飲みます。

プロヒビションとは、英語で「禁酒法」のことで、アメリカで1920年から1933年まで施行されていました。

カティサークが誕生したのは1923年ですから、その当時はアメリカで販売することも出来なかったわけです。

そんな状況で、カティサークを密輸していたのが、「ウィリアム・フレデリック・“ビル”・マッコイ」 という一人の船乗りでした。
彼はバハマを経由して、東海岸へと輸送していました。

しかし、禁酒法時代においては粗悪な模造品も出回っていた中で、マッコイは本物のウイスキーを提供し続けたことで、正真正銘という意味で「The Real McCoy」という慣用句が生まれるほどの伝説を生み出しました。

禁酒法が廃止されると、カティサークはアメリカでも人気のスコッチとなりました。

そんなマッコイの業績をたたえ、2015年にリリースされたのが、今回のカティサーク プロヒビションです。

早速ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々薄めの琥珀色、香りはラムレーズンのような芳醇さが有ります。

口に含むと、まずレーズンの香りがふんだんに広がりますが、後から黒胡椒の香りが後にやってきます。

味わいもスパイシーが前に来ていて、50度のアルコールの刺激も正面から当たってきます。ボディもあり、かなりのパンチ力です。

ロックにすると、アルコールの刺激に加えてピートの香りも強くなり、より癖が強くなります。

味わいもスパイシーさがメインになり、ストレート以上に強烈なパンチが浴びせられます。

レギュラーとは打って変わって、甘さは殆ど感じられず、とてもスパイシーで刺激的なボトルになっています。
ですので、レギュラーの気分で買ってしまうと、とても面食らってしまうでしょう。

700mL、アルコール度数50度で、価格は3000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: ストレートではシェリー樽原酒由来のレーズンの香りが強いが、黒胡椒、ピート、アルコールが後に控える。
  • 味わい C: スパイシー。ストレート、ロックでも辛さがメインで、パンチが効いている。
  • 総評 B: レギュラーとは異なるアイランドモルトのような荒々しいボトル。


cs12これまでカティサークは、レギュラー、モルト、ストームと飲んでいきましたが、今回は12年デラックスです。
4回目ですので、カティサークの説明は省略します。

今回はロックで飲んでみます。
飲み口は、シェリー樽原酒ならではのレーズンの香りが強く感じられます。そのあとからナシ、青リンゴといったさわやかな香りがついてきます。
味わいはアルコールの刺激もあっての辛さがメインになっていて、酸味がバックにある感じです。

加水されると辛さは抑えられ、代わりに甘みを感じやすくなります。甘さの感覚はハチミツに近いものがあります。 

ハイボールにしてもレーズン、ブドウ、青リンゴのフルーティさがしっかりしていて、味わいも程よい酸味を楽しめます。

全体的には、レギュラー以上にザ・マッカラン シェリーオーク12年にかなり近い個性がありますが、グレーンウイスキーのブレンドによって角をとったようなイメージです。そのあたりは12年熟成ならではと言えるでしょう。

700mL、アルコール度数40度で、価格は3700円ほど。
ブレンデッドの12年物としては高めですが、ザ・マッカランのシェリーオーク12年が値上げしたことを考えると、少し安くて飲みやすくなっているこちらを選ぶというのも手かと思います。 

<個人的評価>
・香り AA: シェリー樽原酒ならではの香りがしっかり香る。
・味わい A: 最初は辛さが強いものの、加水されるとマイルドになる。
・総評 A: 値段が高めなのがネックだが、濃厚なシェリー樽原酒を楽しむには適したブレンデッド。 


 

カティサークのラインナップとして2013年に発売されたのがストームです。
代わって販売が終了したカティサークモルトに対して、こちらはブレンデッドになります。 

cutty_stormスタンダードに対して、マッカラン、ハイランドパークの比較的長い熟成を経たモルトを採用することで、まろやかさを強めたブレンドにしているとのことです。

まずはストレートで飲んでみます。
香りとしては、オリジナル同様にマッカランからくるレーズンの香りがメインになっています。そのあとで甘酸っぱさが口に広がります。
味わいは甘さが強調されていて、アルコールの刺激が多いものの、比較的飲みやすくなっています。

加水してみると、辛みが抑えられて甘さがさらに強調された味わいになっています。香りもナシや青リンゴ、柑橘系のさわやかさも加わってきます。
ハイボールにしても香りは衰えず、甘さを含んださわやかな味になります。

価格は700mL、40度で1800円ほど。多少オリジナルよりも高くなりますが、ちょっと贅沢をするにはいいかもしれません。
ちなみにこの上に12年、18年があり、より熟成されたブレンデッドが控えています。

<個人的評価> 
・香り A: マッカラン由来のシェリー樽元首の甘く華やかな香りが主体。
・味わい B: 甘味がメイン、酸味が後からくる。癖は抑え目。
・総評 A: ストレート、ロック、ハイボールいずれも甘くて飲みやすいウイスキー。 

以前飲んだカティサークの銘柄の一つであるカティサーク モルトを試してみます。

cuttysarkMaltその名の通り、グレンロセス、ザ・マッカラン、ハイランドパークなど、カティサークで使われるモルトのみを使用したヴァッテッドモルトウイスキーになっています。
以前、バランタインのブレンデッドモルトも試しましたが、コンセプトは似たようなものですね。

ストレートで飲んでみると、香りはザ・マッカラン由来のシェリー樽原酒を思わせるレーズンのような香りが押し寄せてきます。その後、ナシ、青リンゴなどのさわやかな香りが後からやってきます。
味は甘さと酸味が多数派で、あとはアルコールの刺激による辛みが訪れます。 

やはりスペイサイドモルトがメインであるために、その特徴がしっかりと味わえる仕上がりになっています。 

700ml、アルコール度数40度で、価格は2000円ほどです。 
しかし残念なことに、カティサーク モルトは販売終了して在庫限りになっています。試してみたいという方はお早めにお求めください。

代わって、熟成年数の長いモルトの含有率を上げたブレンデッドの「カティサーク ストーム」が販売されています。機会があればこちらも飲んでみたいと思います。

<個人的評価> 
・香り A: レギュラー同様、レーズン、ナシ、青リンゴの香りがしっかり出ている。
・味わい B: アルコールの刺激が少々強く、甘さは抑えられている。
・総評 B: モルトウイスキーの入門としてはうってつけか。ただ販売終了が惜しい...。
 

このページのトップヘ

ライブドアブログでは広告のパーソナライズや効果測定のためクッキー(cookie)を使用しています。
このバナーを閉じるか閲覧を継続することでクッキーの使用を承認いただいたものとさせていただきます。
また、お客様は当社パートナー企業における所定の手続きにより、クッキーの使用を管理することもできます。
詳細はライブドア利用規約をご確認ください。