最後の神経内科(2024.2)

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「お、ひかりちゃん、学校どうしてる?」





神経内科のT先生が、変わらぬ人懐っこい笑顔で

迎えてくれました。






娘の白血病を最初に見つけてくれた先生。


入院中もなにかと気にかけてくれた先生。


小学校と大ゲンカした時は、担任が書いた連絡帳に

逐一ダメ出しして怒ってくれて、断固として子どもの

味方をしてくれた先生。


「いいんだよお、こういう子はさ、お家でゆっくり

自分のペースで勉強すればさ。」と、自宅学習を

すすめてくれた先生。







娘は、先生が白い紙を出すのを待ちかねたように

得意気に漢字を書き始める。

ここに書いたら即、住所がバレるような、ローカルな

駅名をズラズラズラズラ~っと書いてみせる。





「あれえ、すごいじゃん。電車好きだっけ?」





娘はケラケラと笑って「ひ、み、つー!」





「えー、なんか成長したなあー。こうやって大人を

おちょくるようになった。あはは。」






最近「ひ、み、つー!」が口癖の娘に代わって、

私が近況報告を。

午前中だけだけど、毎日休まず学校へ行けていること。

計算は速いこと。読書が好きなこと。






私の言葉に頷いて、先生はちょっと安心したみたいに

「……あのね、ボク、三月いっぱいでココやめるの。」







びっくりしている私たちに、先生はゆっくりと

「それでさあ。神経内科、もういいよ。

新しい先生には、引き継がない。

児童精神科とも繋がっているんでしょ?

もし、この先、どうしても何か困ったら……。

ちょっと遠いけどボクんとこ訪ねてきて。」




そう言って、他県の大きな病院を教えてくれました。




「これからさ、思春期くるよ。親に反発するよお。

でもね、それ、成長だから。

親にちゃんと甘えられてる証拠。

絶対、大丈夫だから。」






お世話になりました。と、頭を下げる。

娘は先生と大きく握手。

なんだかちょっと胸がいっぱいになって、

泣きたくなった。







遠い病院の先生を頼る事態は避けたいけど、

いつか、大人になった娘とご挨拶に伺います。










身長 122.3cm

体重 24.55kg







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