ほぼ漫画業界コラム159
【予算と締切】
昨日のコラムでも書きましたが、エンタメ作品に過剰な制作費は良くないと考えています。少ないのもだめ。ちょうど良いのが良い。
ゲームでも音楽でも漫画でも、イキリたった制作費○○億円みたいな、最高のスタッフ最高の座組とかで盛大にこけた作品を数多く僕たちは経験していませんか?ヒット作をバーンと出して制作予算もバーンと上がった映画監督の次回作とか、デビュー作で大ヒットを出した漫画家の全世界注目の次回作とか。ゲームの世界でも良くあります。
そのような作品の多くは必ずどこかが悪い意味で暴走しています。それは複雑過ぎる設定だったり、長過ぎるシナリオだったり、内容にあっていない作画だったり。そこかが歪なのです。一部のクオリティが突出しすぎていいてバランスが悪いというか。僕が思うに、潤沢過ぎる予算と余裕すぎる制作期間をもらえると、クリエイターの多くが自分がやりたっか事、思いついたこと、なんでもやりたくなります。ですが、自分たちがコントロールできるそれを超えてしまって、ついに抑え込めなくなります。ちなみに、漫画の場合は連載前に原稿料が豊富だと、クオリティが高い背景を求めて、背景スタッフを抱え込みすぎる場合もあります。それらの管理で疲弊して肝心の自分の作画が進まない事態も起きます。さらにその緻密な背景に合わせた複雑なキャラデザ、緻密な人物作画。それらが結果として原稿料を超える制作コストを産み、発生して描いても描いても終わらない地獄に作者を落とす事もあります。
僕はクオリティにこだわるのは大切ですが、ある意味手を抜くことも同じぐらい大切だと思います。手を抜く、いや諦める、妥協、どう言い換えても構いません。商業クリエイティブに大切なのはクオリティへのこだわりと同時に妥協なのです。そのために冷静と強熱の狭間。そんな感覚が必要なのだと思います。だた、クリエイターにとって妥協するということは何よりも苦しいという人もいるでしょう。ですが、その感覚を得るための存在があります。それが予算とスケジュールなのです。それらをしっかり意識すれば、自分が出来る事、出来ないことが見えてきます。その中でバランスがいい作品を作れることが成功につながるのではと考えるようになりました。もちろんそれは、漫画であれば編集者、それ以外であればプロデューサーの仕事かも知れませんが、クリエイター自体も分かっていた方がいいことであるのは間違いありません。本日のコラムでした
場所: 大阪 大阪市 東淀川区
29.9万
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