恐竜博物館の調査研究
日本初のティラノサウルス科の下顎骨化石について
天草市立御所浦白亜紀資料館と福井県立恐竜博物館の共同調査により、熊本県天草郡苓北町の姫浦層群下津深江層
勝山市北谷層で発見されたイグアノドン類幼体の足跡化石について
福井県立恐竜博物館は、福井県勝山市に分布する前期白亜紀の北谷層で継続的に発掘調査を行なっています。この度、第四次調査で発見されていた足跡化石の中に、イグアノドン類の幼体によって残されたものがあることがわかりましたのでお知らせします。
酸素濃度の上昇と動物の初期進化制御に関する論文が発表されました
当館の静谷研究員は、東北大学の海保邦夫名誉教授らを中心とした国際研究グループの一員として、先カンブリア時代~カンブリア紀の世界的な大気・海洋酸素濃度の変化と動物の初期進化への影響との関係性に関する論文を発表しました。
白亜紀の草食恐竜はどんな植物を食べていたのか? ――歯の微細な傷が解き明かす食性の時代変化――
当館の柴田主任研究員は、沖縄科学技術大学院大学の久保 泰スタッフサイエンティスト(元福井県立恐竜博物館研究員)、東京大学大学院新領域創成科学研究科の久保麦野講師と英国リンカーン大学の坂本学上級講師らを中心とした国際共同研究グループの一人として、鳥脚類の歯に残された微細な傷(マイクロウェア)を解析し、白亜紀に入り、被子植物を摂取する量を増やしていた可能性を指摘しました。
勝山市の恐竜化石発掘現場から発見された新属新種のオルニトミモサウルス類について
福井県勝山市北谷町で発掘された恐竜化石には、オルニトミモサウルス類のものが含まれていることが知られていましたが、近年の発掘調査・研究の進展により、これが新属新種のものであると判明しました。日本で初めてのオルニトミモサウルス類の新種として、国際的学術誌「Scientific Reports」に掲載されましたので報告します。
熊本県天草市から発見された九州最古(約1億500万年前)の翼竜化石について
1997年に天草市御所浦町において、御所浦層群烏帽子層
アオイ科絶滅属ワタリアの化石林について
恐竜博物館職員と北海道大学、大阪公立大学、大阪市立自然史博物館、国立科学博物館との共同研究で、岐阜県美濃加茂市の約1900万年前の地層から発見された化石林の樹種が明らかになりました。
長崎半島東海岸で発見された白亜紀の軟体動物(アンモナイト・二枚貝)化石について
長崎市東海岸に位置する茂木地区北浦町に分布する後期白亜紀の地層から、共同研究の結果、3種の海棲軟体動物化石を発見し、白亜紀の地層の年代について重要な資料と判明しました。この研究成果は日本地質学会の学術論文として発表され、化石は長崎市恐竜博物館で一般公開されます。
中部縦貫自動車道工事で発見されたジュラ紀のアンモナイト化石について
福井県立恐竜博物館と大野市は、中部縦貫自動車道大野油坂道路の工事で排出された岩石から、後期ジュラ紀のアンモナイト化石2点を発見しました。これらは日本産のジュラ紀のアンモナイト化石としては大型のもので、大野市和泉地区の地質年代を知る重要な資料となります。
国内初のデイノニコサウルス類の足跡化石について
福井県立恐竜博物館では、前身の福井県立博物館時代から、勝山市北谷町の恐竜化石発掘現場で発掘調査を行ってきました。収蔵している足跡化石を再調査したところ、1989年から始まった第一次調査の3年目である1991年に採集された標本が、デイノニコサウルス類(獣脚類)の足跡であることが判明しました。デイノニコサウルス類の足跡は、北谷層からはもとより、国内で初の産出記録となります。
新たに発見された長崎市の大型ティラノサウルス科の歯について
長崎市と福井県立恐竜博物館は、長崎半島西海岸の三ツ瀬層(後期白亜紀:約8000万年前)から、新たにティラノサウルス科の歯の化石を発見しました。2015年に公表された2点の歯の化石に続く新たな化石で、長崎に大型のティラノサウルス科の肉食恐竜がいたことを示す追加資料となります。
現代によみがえった!恐竜時代の貝の色合い -世界最古・日本初となる淡水生二枚貝化石の模様とその特徴-
恐竜博物館貝化石研究グループの調査により、勝山市北谷町の恐竜発掘現場から見つかった3種の貝化石に生きていた当時の色彩模様が保存されていることが判明しました。このように、淡水生二枚貝化石に模様が保存されている例は世界的にも極めて珍しく、今回の報告は世界最古で日本初、化石記録として世界2例目の事例になりました。
フクイベナートルの新たな研究成果について
2007年に勝山市北谷町で発掘され、2016年に新種として命名された獣脚類「フクイベナートル」は、化石に見られる特徴が特異であることから、詳しい分類が謎に包まれていました。今回、その全ての化石をCTスキャンにかけ、詳細な観察と解析を行った結果、従来の見解よりもさらに鳥類に近縁であり、草食性として知られる「テリジノサウルス類」の最も原始的な種である可能性が高いとわかりました。