Google⁠、同社のAIサービスブランドを「Gemini」に統合

Googleは、2月8日、同社の最新AIモデル「Gemini」を発表しました。

Google Japan Blog: Bard から Gemini へ：Ultra 1.0 とGemini アプリを発表

これまで、対話型AIを「Bard⁠」⁠、生産性向上AIを「Duet AI」と別々のブランドを使っていましたが、今後は「Gemini」に統一されて、このブランド名が使われることが発表されました。Geminiには、Gemini Ultra、Gemini Pro、Gemini Nanoの3モデルが用意されます（2024年2月14日現在⁠）⁠。

Webで使える対話型AIのGeminiはProのモデルが使用されており、これまでのBardと同様に無料で利用できます。有料のGemini Advancedは2900円/月で利用料でき、Ultraのモデルが使用されます。これはProと比較して、より高度な対応が可能になります。

たとえば、Proでは出来ない画像生成が可能になります。また、マルチモーダルな機能が提供される計画もあります。Gemini Advancedは、2ヵ月間無料で試すことができますが、スタート時点では英語のみで利用可能です。他の言語へは、順次対応していく計画です。

Gemini Advancedの特典として、Google Oneのストレージが2TBに拡張されます。他、GmailやGoogle Docsとの連携は今後の提供となっています。

ちょうどオンラインストレージの加入を検討しているのであれば、今、Gemini Advancedを選ぶのは良いタイミングですが、そうでなければ、Ultraモデルの日本語対応などが出揃ってから加入を検討しても良いかもしれません。

Geminiアプリも登場します

対話型AI Geminiのアプリも提供されます。

Android版は2月8日からは英語版のアプリが提供されています。日本語版は翌週とされているので、本稿が公開されるころにはPlayストアからダウンロードできるようになっているかもしれません。

Google Gemini - Google Play のアプリ

Geminiアプリは、オプトインをするとGoogleアシスタントに置き換わる形で動作します。たとえば、「⁠OK Google」と話かけたり、ボタンの長押しでGeminiにアクセスできるというわけです。ただ、Googleアシスタントが提供するすべての機能が利用できるわけではないので整理しておきます。

Geminiアプリのヘルプでは、以下が利用できる機能として挙げられています。

• アラームとタイマーの作成・変更
• 電話をかける
• メッセージの送信、受信したメッセージの読み上げ
• Bluetoothオン・オフなどデバイス操作、アプリの起動
• スマートホーム操作
• Webページの読み上げ（Pixel 8以降）
• Pixelヘルプの表示（Pixel 8以降）

また、以下は利用できない機能として挙げられています。

• ポッドキャスト、ニュース、ラジオ局、サードパーティの音楽プロバイダー
• 時計アプリのルーティンおよびアラームに関連付けられたルーティンを開始するショートカット
• リマインダーのタスクを設定
• 通訳モードの使用

What you can do with your Gemini mobile app - Gemini Apps ヘルプ

GoogleアシスタントのGemini置き換えは、今のところ表面的なものに留まっており、Googleアシスタントと共存できるので、少し手間ですが使い分けは可能です。

他、スマートフォンをGeminiにしても、Googleアシスタントが搭載されているデバイスなどはGeminiに置き換わりません。これらへの対応はアナウンスがないので、今後の展開は不明です。

iOS版もリリース予定で、時期は数週間以内とされています。

これは、Androidとは実装が異なり、GoogleアプリからGeminiを使うような形になります。

Googleアプリを使って検索する時に、検索エンジンを使うかGeminiに質問するかをユーザが判断して使います。キーワードで並べる検索方法と自然言語での質問では、似て非なるものなので、この使い分けをユーザの選択に委ねるのは、求めるレベルがかなり高いものだと感じます。Googleには優先すべきはAndroidで、iOSはSiriの置き換えができないので、致し方なしかもしれませんが少し残念です。

今週は、このあたりで、また来週。