【起源を知りたい! Vol.102】
~カニカマのはじまり~
戦後の食品三大発明のひとつに数えられるカニ風味かまぼこ「カニカマ」。そのまま食べるのはもちろん、さまざまな料理に使え、お弁当にも大活躍の一品です。実はカニカマは失敗作から生まれたアイデア商品なんです。
1970年代、石川県の水産加工会社スギヨが、珍味の原料だったクラゲの代替品として人工クラゲの研究開発を開始。昆布からとれる食物繊維アルギン酸を使用し、クラゲに近いコリコリした食感を再現することに成功します。しかし、調味付けをするとまったく違う食感になり、最初の人工クラゲは失敗。その後、開発に挫折しかけたとき、三代目社長の杉野芳人氏が材料にかまぼこを使うことを提案。試作品はクラゲの食感ではなかったものの、味はよく、口に入れたときの感じがカニに似ていたのです。
そこで、カニのようでカニじゃないアイデア商品として、カニのほぐし身のようなフレーク状の珍味かまぼこ「かにあし」を1972年に発売。築地市場で多くの問屋に「刻んだかまぼこなんて売れない」と言われるなか、興味を持ってくれた問屋がひとつだけあり、2か月ほどで大ヒット! 1974年には広島県の大崎水産が、珍味かまぼこの製造工程で出たカニ汁が混ざった魚肉をもとに開発したカニ脚風の棒状かまぼこ「カニスチック」を発売(のちに「フィッシュスチック」と改名)。カニカマの一般的な形状となったスティックタイプの登場です。カニカマは開発からわずか数年で多数の企業が生産するようになり、海外にも普及しました。特にヨーロッパで人気が高く、フランスでの消費量が世界一なんだとか。フランスでは「Surimi(スリミ)」と呼ばれているそうです
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