Googleのクチコミを活用していく方法で「クチコミの数を増やしてローカル検索の順位を上げる」や「ネガティブなクチコミ対策をする」ということが多いのですが、今回はクチコミを店舗ビジネスに生かすアイデアについて紹介していきたいと思います。
ユーザーに良いクチコミを書いてもらうときに重要なのは、ただ良い評価を得ることだけではなく、そのサービスや商品に対する実際の良さや満足度を伝えてもらうことです。ユーザーが良いクチコミを書くためには、その商品やサービスがユーザーの期待に応えて、満足感を持ってもらうことが大事です。
一方で、企業側がクチコミを増やすことだけに焦点を当てると、都合の良いクチコミを求めたり、実際のサービスや商品の改善を怠ったりする可能性があります。その結果、ネット上の評価は高くても実際の体験とのギャップが生じて、ユーザーの信頼を失うことにつながりかねません。
真のクチコミ対策とは、ユーザー視点の良いクチコミを増やすことにあります。つまり、企業はユーザーの声を真剣に受け止め、サービスや商品の改善に努めることで、ユーザーにとって本当に良い体験を提供し、それに基づいて良いクチコミを得ることが重要です。このような取り組みが、長期的な商売繁盛につながるポイントと言えます。
良いクチコミが増えやすい店舗の特徴
- 口コミを書くための情報が店舗に沢山ある
- ターゲットが明確になっている。興味関心があるターゲットになる人しか行かないから評価が高くなる
- 自社サイトやSNSで情報発信しているので、事前情報があり来店後に期待値との差が出にくい
- 心理的安全性がある(写真撮影OK・クチコミ歓迎・身バレしても大丈夫など)
店舗ビジネスにGoogleのクチコミを生かすアイデア
クチコミ獲得でアクションを促す
コメント付きのクチコミが10件以上あると、アクション率が高くなる傾向にあります。
まずは最優先で最低限のクチコミを集めることがとても重要です。特にアクション率が1%を下回っていて、クチコミが10件以下の場合は、クチコミ獲得を重視しましょう。
※アクション率=来店アクション(サイトアクセス+ルート検索+コール数)÷合計検索数(こちらのアクション率は色々な媒体でも使用できます)
最初のクチコミを増やす取り組み例
- 知人に来てもらい評価してもらう
- お会計の時などにお客様に声かけをする
- 店内にクチコミ依頼用のPOP、ショップカードなどを用意してクチコミを目に付くようにしておく
- メルマガや公式LINEなどで感想を聞く(「クチコミ書いてください」より、「今日の感想を教えてください」の方が書かれやすいです)
特典や高評価をお願いしたり「こう書いてください」と誘導したりするのは、Googleビジネスプロフィールのガイドライン違反になるので、こういったことは行わないようにしてください。
クチコミを増やすときに「点数が下がるのがこわい」という不安があるかもしれませんが、普通に来店された方の評価が3.0を下回る場合、そもそもサービスやビジネスに問題があるので見直す必要があります。
クチコミ返信で機会損失を防ぐ
クチコミ返信で、クチコミを見ている方に正しい情報を発信して、アクション率が低下するネガティブな印象をなくすことが大事です。
返信パターン例
クチコミ内容に対して不明・誤解の場合
誤解ではないですか?という訂正と「確認したいので連絡をください」と対応する姿勢を見せる
誤りの場合
事実で反論や訂正を行う。このときに相手側を責めずに「お間違いではないですか?」と落とし所のある返信を行う
事実の場合
きちんと謝罪をして改善策を提示。「今後こうします」と具体的に書いてあるほうがよい。事前にサイトやSNSに載せたり、当事者に報告すると有効
実際には、1つのクチコミに対して上記の3つの要素が混在して書かれています。
こういったクチコミ返信を行うことで、後日クチコミの評点が上がり、内容も追記されることもあります。
ユーザー視点では、返信を工夫することで高評価・低評価のどちらも来店につながります。
「点数」に惑わされることなく、クチコミを見ている方の目線で「このコメントがあると、店に行きたくなるか?店に行きたくなくなるか?」を判断した情報発信が大事です。
高評価のクチコミの中に書かれているネガティブな内容にも返信をして情報発信をすることが大事です。高評価だからと思って放置しているケースは少なくありません。
高評価のクチコミであっても、こうしたネガティブな要素が含まれていると、「行きたいけど、この店自分に合わないかも」と敬遠される可能性があります。
高評価の中のネガティブなクチコミの例
- 混んでいた=予約しないと入れないかも
- 初心者には難しい=敷居が高くて難易度が高い?
- ○○な人は苦手かも=自分も当てはまるかも?
- 分かりにくいが=注文するのが難しい?
- 迷った=マップ見ながらでもたどり着けないかも?
- 品切れ、売り切れ=せっかく行ったのに食べられないかも?
- 賑やか=静かに食べられず騒がしいかも?
- 常連が多い=一見さんには居心地が悪いかも?
- 話しかけられる=一人で楽しみたいのに声をかけられる?
- 色々教えてくれる=一人で選びたいのに声をかけられる?
- 3ヶ月後に効果が出た=効果が出るまで遅い?
クチコミ返信でクチコミを見ている方にも正しい情報を発信しネガティブな要素も訂正してすることが大事です。
「点数」に惑わされないようにするのが大事です。
クチコミ返信で魅力を伝える
クチコミ返信で「補足解説」を加えるとアクション率がより高まります。
クチコミ:刺身が新鮮で美味しかった
返信:当店の鮮魚は北海道から当日採れたものを直送しているので味も鮮度も抜群です。その日ごとにおすすめの鮮魚をご用意しております。
※クチコミ返信の内容は検索の対象になりませんので、関係のないキーワードを無駄に詰め込むのはやめましょう。
クチコミ返信で「店名」を入れるのも地味に有効です(例:「当店」は→「○○では」)。お店の名前を覚えてもらうことは、リピートのきっかけにもなり、直接検索・指名検索にもつながります。
注目度の高いクチコミ欄を使ってユーザーに店名を覚えてもらうようにすることが大事です。
クチコミ返信でリピーター獲得
クチコミ返信を行うと投稿者に通知されます。
投稿者に好感を与える返信やセール情報、アフターフォロー、追加の商品案内をすることで、「また行こう」と思ってもらうようにすることが大事です。できれば古い年月になっているクチコミにも返信したほうがいいです。
クチコミ返信を行うときに、相手のプライバシーに配慮する必要があります。思い出してもらう工夫は重要ですが、来店・当時のことを詳細に書きすぎると、怖がられたり、「個人情報を書いて欲しくない」と嫌がられて、クチコミが削除されてしまう可能性もあります。
クチコミ分析をしてお店の改善
クチコミを分析し、ネガティブレビューの根本原因を探りましょう。
ネガティブレビューの多くは、「知らなかった」「思ったのと違った」「提供・返答が遅かった」「スタッフの態度、サービスが悪かった」といった内容が多いので、お店の仕組みで改善できることが多いです。
サービスの課題の発見は、Googleのネガティブなレビューを減らすだけでなく、結果的にサービスの満足度を高めることにもなります。
1つのネガティブなレビューの裏側には、数十倍ものユーザーの不満足体験が隠れているので、ネガティブなクチコミはお店の改善をしていくために必要なクチコミです。
まとめ
良いクチコミも悪いクチコミもお店にとっては大事なクチコミになります。良いクチコミのときでも悪いクチコミでも次にお店に来てもらえるようにクチコミを書いてくれた人の気持ちになって返信をしていくことが大事です。
クチコミはお客様と直接意見を交わせる大事な場所なので、クチコミを放置せずにきちんと対応するようにしていくことが大事です。
