高知市は13日、地球温暖化対策を学ぶ出前講座を受けた市内4小学校の児童33人が、手足に軽度の凍傷や肌の痛みなどの症状を訴えたと発表した。実験で使った液体窒素が児童の肌に付着したことが主な原因だとして、「危険性への配慮が十分でなかった」と謝罪した。

 市によると、出前講座は市環境部が主催し、市出身の大学教員が講師になって今月7、8日、4校の体育館に出向いて実施。講師は、温暖化の仕組みを学ぶ一環として、液体窒素を床にまいて気化させる実験などを行った。講座には市職員5、6人が付き添った。

 初日の1校目の講座終了後、教員から市側に「児童数人の肌に赤みが出た」との連絡が入った。9日になって市が全4校に確認したところ、児童33人が手の指先やひざ、くるぶし、ふくらはぎなどに痛みや赤みを訴えていたことが判明したという。うち3人は医療機関を受診し、軽度の凍傷との診断を受けていた。

 市が講師に事情を聴いたところ、同様の実験をこれまでも体育館で実施したことがあるが、冬場に行ったのは初めてで「液体窒素が気化しにくい環境だったのではないか」と説明したという。液体窒素は液体のまま、付着し続けると凍傷を起こすことがあるという。

 高岡幸史・市環境部長はコメントを発表し、「(初日の)1校目の実施後、注意喚起を強めたが、全校で発生したことを大変重く受け止めております」と謝罪した。(今林弘)