「電話をかけてくる人とは仕事をするな」の理由
「電話をかけてくる人とは仕事をするな」の理由
堀江貴文氏が、電話をかけてくる人とは仕事をするな」ということを公言して話題になったのが2017年。マイクロソフト日本法人元代表取締役社長、成毛眞氏も同じことを主張しています(※1,2)。両氏の主張の理由は「他人の時間を奪うから」というもの。以前なら電話が連絡手段でしたが、現在はメールすら煩わしいし、効率が悪いものとして使用をさける声もあります。メールの話はのちほどとして、電話はたしかに非常に個人の時間を奪うものです。「話したほうが早い」という主張もあれど、それは本人にとってであり、受け手は自分の作業を中断されて、話しながら内容をまとめるために使う相手の時間分、時間を奪われます。それのみならず、中断された作業に戻っても、もともとのあった集中力が戻るのにけっこう時間がかかるんです。
仕事を中断されると、中断されるまえの調子に戻るまで23分15かかる
カルフォルニア大学のアーバイン校のGloria Marks氏の論文を参照した記事によると(※3、4)による研究によれば、
中断された仕事が、中断されるまえのリズムに戻るまでに平均して23分15秒が必要とされる
おもしろいことに、他人からの中断だけでなく、人々は、自分でも仕事を「じゃましている」いました。ともあれ、仕事を中断されることが生産性を下げることは確かなようです。何をしていたのか思い出すのにも時間がかかりますし、浮かんでいたアイデアも消えているはずです。Marks博士によれば(※4)、中断されて代償として人々は、仕事のスピードを高めて帳尻をあわせるのですが、その結果、ストレスや不満が増えるようです。
電話が1日に4回かかってきたとして奪われる集中力は約2時間。電話のみならず話しかけられたりすることもふくまれます。
短期間の思考を奪われない中断はOK
「ここにサインして」とか「ランチ一緒にいける?」程度の中断は、あなたの思考を中断させるに及びません。元の仕事に戻るのにさほどコストを払わなくてすみます。また今取り掛かっている仕事に関連したものであれば、やはり悪い影響は少ない。
他人に邪魔されるより、自分で邪魔した方が、作業効率は下がる!
2016年のオランダの28人を対象とした実験で、邪魔された場合と自分の意志で友人にチャットなどを通して雑談した場合を比べた結果、
自分で決めて仕事を中断した場合のほうが、作業スピードが6%下がった
そうです。さきのGloria Mark博士の研究でも実は明らかになっていたのですが、人は、 自分で思ってるより集中して仕事をしていないようです。 すまほーが目の前にあるだけで集中力が低下しています。その上、メールの通知音やYouTubeをちょっと見たりなどなど。どうせ見るなら、その時間を決めて見たほうが良いようです。
対策
自分で邪魔してしまうのはしょうがないとして、他人に邪魔されるのはやはり非常にストレス。 そんなわけで電話に出ないということを決めてしまう方が仕事の効率は良さそうです。 もし電話に出なきゃいけないとして、メールも含めてですがコミニケーションをとる時間を設定してしまうのが良さそうです。そして、その回数はすくないほうが良い。 理由は幸福度が上がるから。メールを3回のみチェックしているグループは、チェックする回数に制限を持たなかったグループに対してストレスが少なく、幸福度が高かったことがわかっています(※7)。
また 他人以外の敵としての自分に対してですが、 こまめな休憩を取ることが良さそうです。どうせ中断してしまうことによって取り組んでいる仕事への集中力が減ってしまうのであれば、 ガッツリとメールなり電話なりする時間を設け、それ以外の時はスマホが目の前にない状態を作ったほうがよいでしょう。メールやチャットアプリも起動しないで置くのが良い。
これは ポモドーロテクニックと組み合わせて実行するとよりわかりやすくなります。 ポモドーロテクニックとは25分ごとに5分の休憩を挟むもの。「25分じゃ集中してる仕事が途切れて嫌だ」と言う声もあるでしょうが、多くの人々は25分も集中して仕事をしていません。
ポモドーロテクニックについてはこちらで解決しています。
実践してみて
わたしは、基本電話に出ないのですが、鎌倉に 引っ越してきて自治会に参加するようになってからさすがに電話に出ない習慣が不便になってきました。年配の方々も多いのでLINEやSlackで、というわけにもいかないことがあるため。あまりに不便なので、「自治会関係のみ電話を使うようにしよう」と今決めました。
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参照
※1 東洋経済「堀江貴文氏「電話してくる人とは仕事するな」
※2 PHPオンライン衆知「電話をかけてくる人は、仕事がデキない!…成毛眞氏が断言する「納得の根拠」」
※3GALLUP “Too Many Interruptions at Work?”
※4 The Cost of Interrupted Work: More Speed and Stress
https://www.ics.uci.edu/~gmark/chi08-mark.pdf
※5 FAST COMPANY “Worker, Interrupted: The Cost of Task Switching”
※6Interrupt me: External interruptions are less disruptive than self-interruptions
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0747563216304654
※7 Checking email less frequently reduces stress
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