イビルジョー 頂点捕食者   作:貝細工

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これまでと打って変わって、今回は人類がフェイドアウトして、試験的にイビルジョー中心の話となります。
相変わらずストーリー性は無いに等しいので、頭を空っぽにして読んでいただければと思います。


3話 デザイア

激戦の末にネルギガンテを退けたイビルジョーは、数日間の休息の後、砂漠を抜けて火山へ向かった。

砂原に潜む強力なモンスター達とは遭遇することなく、何事もないまま火山の麓まで歩いた。

 

恐れをなしたか、あれほど鬱陶しかった人間も追ってくる様子はない。

近年では、技術の発展により再び人類の行動が目立ち始めている。奴らが力をつけるにつれて、その目に余る躍進を問題視するモンスターも増えてきたようだ。常に空腹に追われるイビルジョーには、主や古龍達と違って守るべき縄張りも調和を守る責務もない。

人々はこの竜の一挙一動を恐れるが、この竜からしてみれば人々が何を考えていようがそんなものは取るにたらない些末なこと。

過去に何をされようが、報復以上に明日を生きるための食事を優先して生きている。

容赦のない殺戮を繰り返すイビルジョーだが、欺瞞や復讐といった穢れとは無縁の生き方に終始する生き物だ。

狩人につけられた膝も傷も、皆等しく関心を外れる。

 

池があり、植物が生い茂る火山の麓で、

イビルジョーはショウグンギザミと遭遇した。

威嚇のために軽く吠えたイビルジョーに接近し、

鎌を大きく振り上げて威嚇した。

売られた喧嘩を買って出たということだろう。

イビルジョーが放浪者である利点はこういったところにも現れる。

 

その土地に定着して、常日頃から姿を見せるわけではないからこそ、他の生物に逃げられ難い。

図体が大きく、移動速度がそう速くないイビルジョーにとって最も厄介なのは獲物に逃げられることである。

飢餓に悩まされやすく、スタミナもないため、

相手が逃げに徹してしまおうものなら餓死の恐れがある。

似たような生き物にワニがいる。

彼らは水中に活動の場を移し、さらに待ち伏せ型の狩りを行うことで追跡能力の低さを補うことが出来る。

しかしイビルジョーは完全な陸生。

加えてこのような巨体では身を潜めることにも不向きだ。

 

今回のショウグンギザミのようなモンスターが

実力差を理解せずに襲いかかってくるおかげで

有り難く食料にありつけるのだ。

 

先にことわっておくと、ショウグンギザミの知能は、実はひどく低いと考えられる。

というのも、蟹という種族自体

体に対して脳が非常に小さく、複雑な思考には向いていないからだ。

そのためショウグンギザミには、敵を見極めるだけの知能も、もしかすると無いのかもしれない。

そういう訳で、このショウグンギザミは放浪者のメリットに挙げられる例としては些か愚かすぎる生き物なのかもしれない。

 

仮にショウグンギザミに知性があったとしても、

イビルジョーの姿は、ショウグンギザミにとってさぞ戦い易い相手に見えることだろう。

頭殻の他に目立った装甲は見られず、動きもさほど速くはない。

自慢の爪で柔らかい肉を切り裂けば、十分に失血死を狙える相手に見えただろう。

石灰化した薄く硬い層が積み重なって形成されたその爪は、硬度こそダイミョウザザミに劣るが、

その切れ味は岩石をも容易く切り裂くほどだ。

とにかく、双方向の視点に立つと、これから起こることは火を見るよりも明らかだった。

 

迷いなく胴体に齧り付くイビルジョー。

その攻撃を避けずに甲殻で受け切ろうとするショウグンギザミ。殻を齧らせて骨を断つつもりだ。

客観的に見てしまえば勝負として成立していないようにも思えるが、それでも、直前まで生き物達は考えている。

 

鎌が暗緑色の鱗を切り裂いたところで、

力みを失って、ぶらんとだらけた。

 

超硬度の牙と桁違いの咬合力で胴を覆う甲殻が齧り取られたのだ。

旨味の詰まった身と内臓がドロドロと溶け、

さぁ斬撃を繰り出そうという時には既に貪られていた。蟹のような単純な生き物は、体を破壊されても動くことがあるが、流石に体の大部分を喰われては戦いどころではない。

 

まずは一匹、人間からすれば遭遇さえしたくない

火山の危険生物がおやつ代わりに食い殺された。

可哀想なことに、数匹で群れていたズワロポスは足が遅く抵抗する手段も持たないので全滅した。

ズワロポスを狩りにやってきたドスイーオスたちは利口で、イビルジョーの姿を見るなり、火山の方へと逃げ去っていった。

 

当然これを追わないという選択肢はない。

追いつける筈もないが、食べかけのズワロポスを咥えたまま火山の方へと向かう。

少し歩けば、人間は熱中症になりかねない灼熱の中を、イビルジョーは我が物顔で往く。

リオレウスの火球に耐えるだけあり、

火山や砂漠の猛暑など、イビルジョーには問題にもならない。

タンパク質が凝固してしまいそうな灼熱の火山にも、食事のためなら迷いなく向かう。

遂にマグマの煮えたぎる火山地帯へ突入した。

 

 

少し進んだところで、ドスイーオスは上半身だけとなって宙を舞っていた。

その理由はイビルジョーではない。

何か鋭利な刃物によって、下半身と斬り離されたのである。

 

斬られる瞬間が見えなかった。

追うことに集中していたイビルジョーも、逃げることに集中していたイーオス達も、誰もドスイーオスが死ぬ瞬間を見ていない。

 

イーオス達は途端にパニックに陥り、

あたふたしている間にすぐに高熱のブレスを浴びて焼死した。

彼らは知能こそ高いが、逃げることに夢中で

迫り来る別の脅威に気付かなかったのだ。

その脅威こそがまさに、

ドスイーオス達を壊滅させた竜の正体。

 

斬竜、ディノバルドだ。

 

まず目についたのはそのブレス。

火山地帯に生息するイーオスを熱で殺すなど、一体どれだけの高温なのか計り知れない。

砂をガラス化させるリオレウスの炎を受け切ったイビルジョーと言えど、迂闊に食らえば命に関わる可能性もある。

 

姿を表したのは、イビルジョーと同じ獣竜種のモンスターだ。

カルノタウルス然とした姿形をしているが、

その尾は光沢のある鮮やかな青色をした刃だ。

ショウグンギザミの爪とは比べ物にならないぐらいに切れ味が良い。滑らかに刃がすべったドスイーオスの断面がそれを物語っている。

 

体を覆う甲殻は、尾と対照的な赤色でみるからに頑丈だ。金属の鎧を着た騎士にも見える。

上向きに、ディアブロスの角のような形状をした青く大きな突起物が幾つも生えており、

一目見ただけで強力な生物であるとわかる。

事実、走竜下目の中でも最強と目されるドスイーオス率いる群れをこうもあっさりと片付けてしまったことからも、その実力は明らかだ。

 

体高はイビルジョーの方が高いが、

全長はイビルジョーより長く、体格は同程度。

 

イビルジョーを前にしても異常なほど落ち着き払っており、逃げたり萎縮する素振りをみせるどころか威嚇すらせずに様子を伺っている。

ディノバルドもイビルジョーも両眼が正面を向いてついているので、空間の立体視が可能なモンスターだ。

加えてディノバルドは大型竜の中でも比較的肝が座っており、相手の動きを観察し、被弾を抑えながら致命傷となる一撃を与えるのが得意なモンスターだ。

 

これを利用し、外敵を巧みに翻弄しながら戦うのがディノバルドの常套句だが...。

イビルジョーには細かい戦い方を考える頭はなく、一直線に飛びかかった。

サイドステップで躱したディノバルドは、

いつもならここでブレスを吐くなり、尾で斬りつけるなり多彩な反撃手段に転じるが、

今回ばかりはそれができなかった。

 

理由はイビルジョーの体高と位置どりにある。

ディノバルドの主な武器は牙を使った噛み付きと火炎ブレス、そして尾を駆使した斬撃だ。

噛みつき以外は中遠距離が狙い目となる攻撃だが

飛びついて距離を詰められると、これらを自由に繰り出すことが出来ない。

特に真横を取られるとディノバルドは尾以外の攻撃手段を持たないのだが、ディノバルドの尾の刃は下向きについている。

そのため、この体勢からはイビルジョーの体を切断することが出来ないのだ。

対してイビルジョーは全身筋肉の塊と形容されるほどのパワーファイター。

無造作に体を叩きつけるだけで攻撃として成立するインチキな膂力の持ち主だ。この体勢と間合いは完全にイビルジョーのフィールドなのだ。

ここでイビルジョーはタックルを繰り出したが、

ディノバルドは斜め前に回り込む形でステップを踏んで巧みに回避した。

前後に長大な体を持つディノバルドは、前後に一気に移動して出し抜く手段に欠ける。

一応、跳躍することで中遠距離の間合いまで持っていくことは可能だが、真っ直ぐに接近してアグレッシブに攻めてくるイビルジョーにはやるだけ無駄となってしまう。

こうして近距離で斜め前から半ば向かい合う体勢となり、攻撃を受ける前に最短距離で噛み付けば先手を取りやすい。

瞬発力ではディノバルドに分があり、更にイビルジョーはタックルを外してバランスを崩しているのだから、この隙を逃す手はない。

高熱を帯びた顎を大きく開けてイビルジョーの頸に食らいつく。牙は深々と突き刺さり、力任せにイビルジョーを地面に抑え込む。

冷静さが持ち味のディノバルドだったが、今回ばかりは嫌な寒気を感じて、勝負を急いだ。

 

だがこれは不利な選択であった。

筋力で大きく上回るイビルジョーを、そう長い間押さえつけていられるはずもなく、噛みつきは強引に振り解かれてしまった。

そしてバランスを崩した隙にイビルジョーは全身に力を込め、筋肉を隆起させる。

皮が破れる音と共に古傷が開き、身体を駆け巡る激痛が眠っていた憤怒を呼び醒ます。

ステップで逃れようとするディノバルドだったが、懸念していた通りに張り付くような動きで追跡されて距離を詰められた。

追い詰められたディノバルドは一か八か尾で斬りつけようと大回転の構えを見せるも、地盤を抉れるといわれるイビルジョーの牙がディノバルドの尾に突き刺さった。

大回転攻撃を仕掛けようとしたディノバルドの尾に噛み付いたイビルジョーは無理やり引っ張って力づくで構えを解くと同時に、ディノバルドを転倒させた。

牙が刺さった傷口からハンターの鎧をも溶かす強酸性の唾液が染み込んでいく。

唾液によって軟化した状態で咀嚼を繰り返され、最大の武器である尻尾を破壊されてしまったディノバルドはもう反撃のことすら考えず、なんとか起きあがろうともがいた。

金属音が混じったような、生生しく悲痛な叫びがこだまする。

 

残酷だが、既にイビルジョーの大牙からは逃れられない状況にあった。

喉元に齧り付かれ、どうしようもない程の圧倒的な咬合力で噛みちぎられて息絶えた。

 

こうして、ほとんど無傷でディノバルドを仕留めたイビルジョーは、ディノバルドの肉をひとしきり頬張り、咆哮をあげた。

ディノバルドの長く鋭利な尾は、

確かに多くの外敵にとって一撃必殺の強力な武器だが、無鉄砲に突撃して比類なき力で喰らい付くイビルジョーとはどうも相手が悪い。

テクニカルに相手を惑わせるディノバルドの戦法は、ただ接近して噛み砕くという戦法に傾倒したイビルジョーには通用しないのである。

本領を発揮こそすれば骨肉を灼き斬ることもあったかもしれないが、それすら叶わなかった。

ディノバルド含む全てのモンスターにとって、イビルジョーと正面から向かい合うことは死を意味するのかもしれない。

 

肉を食えど血を啜れど満たされない渇きと、戦いの度に重なる痛みは決して晴れることはない。

ディノバルドやディアブロスのような環境のバランスを保っている強力な生物を破壊し、それでも尚捕食活動を続けることで、生態系ピラミッドは完全に崩壊する。

 

イビルジョーによる被害は、周辺一帯の生物を喰らい尽くすことによる絶滅現象だけではない。

捕食者、殺戮者によって整えられていた均衡が乱れ、抑え込まれていた勢力が一気に力を増す。

新たなバイオームの支配者は調和を守る統制者ではなく、鏖殺の悪魔かもしれない。

いずれ起こる凄惨な事件の詰むべき芽を、詰めるうちに詰むことのできるストッパーのいない環境からは、時偶にそうした怪物が生まれてしまう。

知れば知る程に業の深い舌だが、一方で合切の悪意を持たない無垢なる意思でもある。

カルマとは得てしてそういうものだ。

 

滴る涎が食べ残された獲物の背骨を溶かして、泡立たせる。

 

野生の勘が告げた。危険信号ともつかないが。

歓声だ。観衆の歓声が足りない。

通俗の承認欲求など持ち合わせていないイビルジョーにも、火山の静けさが不快に感じられた。

ディアブロスの時も、リオレウスの時も、強大な敵を打ち負かせば肌で感じる騒々しさがあった。

空気の触感が変わっていた。

斬竜ディノバルドもまた、ディアブロスやリオレウスに負けず劣らずといった強力な竜だ。

それはイビルジョーと対峙した際の態度ひとつ取っても十分に判断がついた。

それだのに、この地に足を踏み入れた直後と同じ風が吹いている。

鱗と生皮越しに伝わる熱風。

岩肌か、金属が融けるような匂い。

これだけでは判断材料に欠ける。

何より、冷静に分析するだけの知性など持ち合わせていない。

 

束の間の空腹を満たすには申し分ない間食だったが、このままでは不服だ。

気配の主が何処にいるかは判然としないが、

火山を喰らい尽くさねば腹の虫が収まらない。

 

マグマが煮えたぎる火山は、顕現した地獄の大釜に他ならなかった。

住んでいるモンスター達も気付いていないが、

今この地は、空前の煉獄と化していた。

群雄割拠、古の龍達も手がつけられない勢いで燃え盛るそれぞれの思惑は、隅を突けない重箱を敷き詰めたような利己主義で固まっていた。

 

岩と金属を焼く者はそう遠くない。

斬竜の悲鳴を聞きつけたか、向かってくる。

五臓六腑を震わすよう重厚感のある足音が、威風を存分にまとった重い足取りで、ズシン、ズシンと一歩ずつ寄ってくる。

これは間違いなく強い。だが大きな肉だ。

逸る食欲に涎が滴る。

 

随所が焼け焦げた白い鎧に身を包むは、

強者が一角。

岩が焼けた匂いは、間違いなくこの竜から放たれている。岩陰から岩山が現れたような体格。

大型飛竜、鎧竜グラビモスだ。

 

マグマの熱に耐えるといわれている甲殻は、

岩のようにゴツゴツとしている。

この甲殻は、それもその筈、骨が進化の過程で変質したものとされているものだ。

紅蓮石などの鉱石に由来する成分が多く含まれた超頑丈な甲殻の性質はまさに岩や鉱石に近い。

これが高熱に曝されることで独特な匂いを発していたのだと思われる。

 

グラビモスといえば有名なのが口から吐く怪獣のような熱線だ。あれは体に溜めた熱のエネルギーを体内で圧縮し、体外に排出することで起こる攻撃である。

つい先ほどまで高熱に曝されていたと思われるグラビモスは、内に秘めた殺人的な高熱をいつ解き放ってもおかしくない。

堅牢な甲殻に焦点を当てて、要塞や鎧を見出すもよし。必殺の熱線がいつ打ち出されるかわからない点に焦点を当てて、生きた火薬庫と呼ぶもよし。

 

生物の強さは恵体がモノを言うということは、

よく知られている常識だ。

ゾウが現生の陸上生物では最強と持て囃される自然界を知る者なら、想像に難くないだろう。

このグラビモス、竜の中でも最大級の巨大を誇る。

その体格は全長、体高ともにイビルジョーにすら優越する。それでいてこの、岩塊のような迫力溢れる体型だ。

体重差はいうまでもないだろう。

 

全ての生命体を捕食する竜と、攻守共に隙のない巨大竜の対峙と来たら、齧り潰すか撃ち抜くか、

バイタルから筋力まで互いにフル活用した総力戦が繰り広げられるという見方が大半だろう。

 

 

勿論、平時においてはその考え方は間違っていないが、今回はその平時ではない。

何が起こったかといえば、それは爆発。

鎧竜グラビモスの分厚い甲殻が盛大に砕け散り、人知れぬ火山の奥地で断末魔をあげた。

勿論、イビルジョーの仕業ではない。

爆弾魔は他にいる。悲鳴を聞きつけて現れるということは、戦火を好むバゼルギウスか。

空は溶岩に照らされ、朝から晩まで普段通りの情熱色に染まっている。そこに銀は差し込んでいなかった。

 

そうと分かれば、イビルジョーは警戒を解き、砕けた甲殻の奥から顔を覗かせた、プリプリとしたジューシーな肉にかぶりついて鎧竜の身を堪能した。実際のところグラビモスの肉は、人間も喜んで食すほど美味だ。

イビルジョーはそれを理解出来る美食家のようには到底思えないが、心なしか美味しそうに喉を通している。

 

そんな幸せに満ちた食事中のイビルジョーは、爆弾魔からしてみればご馳走のようだった。

火山の生態系の中でも斬竜に匹敵する戦闘能力を持つグラビモス相手に、躊躇なくそれも嬉々として喰らい尽く生物は火山全体をみても稀も稀。

普通の生物なら警戒するところだが、今回の相手は違った。

 

ミサイルのような拳が体を殴り、

イビルジョーの巨体がよろめいた。

重い拳の鈍い痛みに紛れて、ねっとりと、何かがまとわりつくような質感が背中を覆う。

 

豪勢な食事の邪魔をされれば、誰だって怒りが湧くというものだ。

大食漢ほど食べ物の恨みは根深い。

本来恨みなど持ちようもない大型竜の、あってはならない恨みの感情を自ら引き摺り出す行為。

それがイビルジョーとなれば、どんな恐れ知らずの狩人でも畏れ多くて出来やしないだろう。

健啖の王への許されざる無礼は、痛みの後を追うような爆破をもって宣戦布告とされた。

 

剣に付いた血を舐めるが如く、自らの拳を舐め回すは、剛き紺藍。

黒曜石を含んだ紺藍の甲殻に身を包み、

リーゼントヘアーのように突き出た頭殻と、

ミサイルのような形状をした巨大な前脚には

怪しく発光する黄緑色の粘菌がたんまりへばりついている。

これがあの強烈な爆破の正体だ。

 

その体格はグラビモスと比べれば幾らか小柄だが

そのグラビモスが太刀打ち出来ず、繰り出される打撃の圧力に圧されるがまま、ここまで逃げてきたのだから、こと強さにおいて不足はない。

 

相手が戦意喪失しても尚、トドメを刺すまで打ち砕きに来た戦意の高さも侮れない。

他の生態系の主に匹敵する強者たちが跋扈する火山の生態系の中でも、更に突出して高い戦闘能力を有する砕竜ブラキディオス。

間違いなく、火山の空気を掌握しているのは彼とみていいだろう。

ウラガンキン、アグナコトル、ヴォルガノス...

火山では、強固な鎧を纏う大型竜も珍しくないが

ブラキディオスの打撃と爆破を受ければ皆ひとたまりもなく絶命する。

古龍を相手にしても一歩も退かない闘争本能と、

万物に通用する桁外れの破壊力が組み合わさった奇跡の生物、それがブラキディオスなのだ。

それもその筈。

幼体の柔らかな体は粘菌の爆発により死に至ることも珍しくなく、粘菌への適合に失敗した個体は例外なく死に至る。

また、強大な捕食者が数多く潜む火山で生き抜くことは容易ではない。

暗い藍紺と対照的に明るい色で光る粘菌を身につけたブラキディオス種は外敵から身を隠してやり過ごすことが得意ではないのだ。

そうした過酷な生存競争に勝ち抜くことで彼らが手にする『強さ』こそ彼らにとっての孔雀の羽。

その生涯を生き抜き、子孫を残す為に必要不可欠なのである。

火山で幅を効かせる大きな個体ともなれば、まさに強くあるべくして強くある、戦闘の天才だ。

 

だからと言って生きることが難しい苦労者同士と打ち解けるわけにも行かない。

闘争心、食欲、遭遇してしまえば、片方が命を落とすまで両者が止まることはない。

 

生態だけを見ればディアブロス亜種やイャンガルルガはイビルジョーを撤退に追いやることもあるというが、裏を返せばイビルジョーが命を賭してまで抵抗する必要がないということになる。

 

交戦的な彼らにイビルジョーを逃す理由はない。

その上に移動速度が極端に速いわけでもないイビルジョーを追うことなど、彼らからすれば造作もないはずだ。

しかし、それでもイビルジョーが撤退を選択するということは、彼らが撤退するイビルジョーにトドメを刺すだけの力が無いということだ。

彼らは、捕食するまでのコストを払ってまで食べたい存在に満たないと判断されるだけの抵抗が出来る。これは確かに驚くべき快挙だ。

それでも自分より移動の遅い相手に逃げられてしまうということは、純粋に強さにおいて彼らがイビルジョーに及ばないことのあらわれ、ひいてはあくまで捕食者と被捕食者の関係を脱する力が無いことの証左である。

彼らはあくまで『追い払う』ことが精一杯であって、『死に至らしめる』こととはまた次元の違う話なのである。

話は逸れたがこのブラキディオス、イャンガルルガやディアブロス亜種に劣らぬ攻撃性の持ち主である。

また、このブラキディオス、イャンガルルガやディアブロス亜種を上回る実力の持ち主である。

要するに何が言いたいかというと、これまでの主やそれに匹敵するモンスター達とは訳が違うということだ。

それもワンランクどころではない。

その牙はイビルジョーの首元に届き得る。

イビルジョーの背中に残った爆破痕は、奇しくもネルギガンテに引き裂かれた古傷と位置が被っていた。

 

ネルギガンテと言えば、つい数日前にこのイビルジョーと激戦を演じた古龍であり、

何を隠そうこのブラキディオスとの交戦も報告されている。

ブラキディオスは勝敗の結果こそ爆発によって確認不能に陥ってしまったものの、ネルギガンテと十分に渡り合える力を示した過去があるのだ。

 

獣竜の身にして超越者たる古龍に匹敵するその脅威的な戦闘能力から、双方が双方獣竜種最強と名高いイビルジョーとブラキディオス。

遂に決着をつける時が来た。

 

ディノバルドとグラビモスを喰らうことで満腹中枢が刺激され、文字通りハングリー精神を失ったイビルジョーに、闘争心剥き出しのブラキディオスが容赦なく襲いかかる。

 

飛びかかったブラキディオスの肘にイビルジョーが噛みついた。

ネルギガンテと違って飛行能力を持たないブラキディオスは、こうなってしまえば重力に従って落下する。

懐から入る形で右肘に噛みつかれたブラキディオスは得意の頭突きも繰り出せず、尾による打撃も使えない。

真横を取られたディノバルド同様、自分の持ち味をうまく活かせないポジションだ。

更にイビルジョーに噛みつかれた位置も悪い。

腕を武器とするブラキディオスにとって、片肘でも破壊されてしまえばそれは戦闘不能を意味する。

これまたディノバルドの時と同じく、相手が主力としている武器から破壊してしまおうという魂胆だろうか。

意図の有無を問わず、何度も咀嚼されれば涎無しでも肘が噛み潰されるには充分な咬合力である。

或いは、背中や脚の筋力を使って強引に体勢を変え、腕をへし折ることだって出来るだろう。

だがここはブラキディオス、イビルジョーの重心移動に合わせて自分も動くことで腕が折られるのを阻止した。

また平行して左腕でイビルジョーの顔に粘菌を擦り付けて視界を奪い、僅かに生じた一瞬の隙を突いて難を逃れた。

 

食らいついていた分の力みが解放された分、前のめりによろめいて頭が出る。

腕が小さなイビルジョーは、このタイミングで頭を防御することが出来ない。

結果、ブラキディオスのラッシュを直に受けてしまった。イビルジョーは、攻撃を食らい続けながらも細かく反撃を試みていたが悉く回避された。

そうしている間にも付着した粘菌が黄緑から黄、黄から橙と色を変え、遂には赤く変色した。

お待ちかね。ウラガンキンやアグナコトルへの決定打にすらなる、ブラキディオスの粘菌爆発がイビルジョーに襲いかかる。

爆発のエネルギーで鱗が弾け飛び、高熱で皮を覆う粘膜が一瞬で乾き、焼ける。

しかし見た目とは裏腹にイビルジョーはのけぞる程度の反応しかみせず、それどころかのけぞった反動を利用して頭突きを繰り出した。

 

ブラキディオスは華麗なステップで軽々とこれを避けると、再び跳躍してイビルジョーに殴りかかった。比較的体重が軽いことも関係しているだろうが、フットワークの軽さではディノバルドすら上回っている。

イビルジョーとの機動力の差は歴然であった。

前後左右、戦況に合わせて臨機応変に動き回り、あまつさえ高低差や位置エネルギーさえ利用した立体的な戦闘スタイルはさながらアウトボクシングのようだ。

 

加えて暴れるたびに爆発する粘菌を周囲にばら撒き、相手の動きの自由も奪える上に近距離での格闘もこなせる。

遠距離攻撃を持たないという点を除けば抜かりのない強さだ。グラビモスが圧倒されることにも頷ける。

 

巧みな立ち回りを見せるブラキディオスに対してイビルジョーがやる事は、闘牛のように襲いかかるのみだ。そこにらカウンターを合わせながら距離をとるブラキディオスは、完全にペースを掌握していた。

だがそれでも戦況は未だ読めない。

というのも、イビルジョーとブラキディオスは互いに形態変化を残している上、ブラキディオスの攻撃があまりイビルジョーに効いていないのだ。

これは恐らく、イビルジョーの強烈な噛みつきを受けたブラキディオスが反撃を恐れるがあまり、思う存分パンチを入れられていないことが原因だと思われる。これでは付着する粘菌も少量だ。

つまり、一度反撃を食らってから、ブラキディオスが逃げ腰になっているのだ。

それでもスピードで分があり、戦闘技術も巧みなブラキディオスは今のところイビルジョーの攻撃を捌いてはいるが、粘菌の爆発で深手を負っても臆さずに前に出るイビルジョーに気圧されているというのだろう。

地面に設置した粘菌を気にも止めず、ただ愚直に喰らい付いてくるイビルジョーはこれまで経験したどのモンスターとも異なる原始的な恐怖感を与えたことだろう。

常に『恐怖』を与える側であったブラキディオスにとって、得体の知れない獣竜に恐怖を与えられる屈辱は一体どれだけのモノなのだろう。

 

なかなか倒れないイビルジョー相手に早くも全身の粘菌を活性化させ、怒り状態に入った。

ここに来て興奮状態への以降だが、これは知性的な判断だ。

ブラキディオスが怒り状態に入ると粘菌が活性化するのは先に言った通りだが、この状態の粘菌は何か物体と触れた途端爆発する。

軽い殴打と少量の粘菌の時間差攻撃ではイビルジョーを仕留められなくとも、これら二つを同時に行って強引に隙を作れば、その間に致命的な打撃を打ち込むことができる。

更にこの状態ではブラキディオス本体のパワーも上昇する。

異なる二つのギアが噛み合い、これまでとは全く違った強さで相手を殴ることができるのだ。

相手に抱いた恐怖や怒りすらも戦法に変わり、完勝への手引きとなる。

戦う生き物としては完璧な進化だ。

だが、それ程まで強さを極める進化を遂げたブラキディオスでさえも底無し沼のような恐怖に囚われていた。

幾ら殴っても、幾ら怪我を負わせても、あるべき手応えが感じられない。

 

今度はイビルジョーがブラキディオスの右拳のフックによるカウンターを見越した上で、左方向に首を曲げてから噛み付くことで更にカウンターを重ねようとしたが、

それすらも察知したブラキディオスは右拳の動きから流れるように体を回転させ、メイスのような形状の尾でイビルジョーを殴りつけた。

粘菌はないが、これまでのパンチより重い。

イビルジョーの体が斜めに傾き、殴られた向きによろめいた。

しめたと言わんばかりに胴体に頭突きを打ち込み、活性化した粘菌がすぐに爆破して衝撃を倍増させる。たまらずイビルジョーは転倒した。

 

ブラキディオスがアグナコトルの首を粉砕した時のように拳を振りかぶったところで、

ブラキディオスの顔面を赤黒いエネルギーの波動が多い、完全に視界を奪った。

エネルギーは暗雲のように立ち込めてどんどん濃度を上げていく。

かつてリオレウスにしてのけたような龍属性エネルギーの噴射だ。

これはブラキディオスの動きを一瞬遅らせたが、

原始的な竜とかけ離れた姿となるまでに独自の進化を遂げたブラキディオスには、龍属性は殆どと言って良いほど効かなかった。

もはやブラキディオスは止まらない。

 

情け容赦無く、隕石のような拳が降り注ぐ。

火山を揺らすような大爆発が一帯を包んだ。

溶岩は噴出し、地響きが巻き起こる。

カチカチと火打ち石を合わせるような音、これはアグナコトルが仲間に危機を伝える音だ。

それだけではない。ウラガンキンやバサルモスといった重量級のモンスターが逃げ惑い、そのざわめきが大地を揺るがす。

一撃の、たった一撃の余波で、生態系を含めた火山が震えているのだ。

大型モンスター達の逃走は、それがその争いが自然災害の領域に至っていることを知らしめた。

 

ブラキディオスの渾身の一撃はバンプアップを遂げた硬質の筋肉によって弾き返され、

勢い止まぬまま放たれたタックルに、18メートルはあろうかというブラキディオスの巨体が空中に投げ出された。

何が起きたかも分からないまま、しかしそれは確実に、大型車に跳ねられた鹿同然の状態で吹き飛ばされていた。

 

自身の体長以上の距離は飛ばされたであろうブラキディオスが地面に横たわり、両拳を突いて立ち上がろうとすると、高出力のドラゴンブレスがブラキディオスの横面に直撃した。

古龍であっても無事では済まない量だ。

だが、ブラキディオスなら耐えられる。

黒曜石混じりの甲殻は、龍殺しの影響のほとんどを遮断した。

ブラキディオスは赤く光る筋肉の塊に向け、これまでに無いほど高く跳躍し、押し潰すような勢いで落下した。

しかし、イビルジョーは一気に上体を振り上げることで逆にブラキディオスをかちあげ、

空中で後ろ向きに半回転して背中から地に落ちたブラキディオスの脚に噛み付くと、そのまま軽々振り回して投げ飛ばした。

興奮状態のブラキディオスが猛スピードで飛んでいくのは、後にも先にも無い光景だろう。

着地後も衝撃を受け流しきれず、ラングロトラのように転がった。

まるで歯が立たない。タールの塗壁か、向かっていくだけ無駄にすら見える。

膨張した筋肉は、光を吸い込んで逃がさない黒色のまま、自ら放つ赤い光だけが、魔物の脈動に合わせて明滅している。

ブラキディオスにはそんな黒い肉塊が恐ろしかった。

塗りつけた粘菌の鮮やかな色すら、爆発すればグロテスクな漆黒に元通りだ。

翻弄したように思えたアウトボクシングすら、今になってみれば、恐がって狂気から逃げていただけとすら思える。

何がこの生物を突き動かしているのか、そもそもこれは生物なのか、知っていた筈の事実に未知という名の黒い霧がかかる。

勝てる筈がない。こんな恐ろしい奴に。

絶望は諦めへと変わり、そこで初めて、奴の姿をまじまじと直視した。

 

その姿はまさに、幾多もの傷と飢えに苦しみ悶えている、『異常発達した筋肉の塊』だった。

 

勇気というべきか無謀というべきか、ブラキディオスは生存の望みを捨て、己が全てを賭してイビルジョーを殴りつけた。

その拳は、回避のことなど考えておらず、

ただただ狂気じみた破壊衝動によるものだった。

要するに、発狂だ。

 

周囲の岩まで砕け散るような爆砕の連鎖に、

イビルジョーは狂喜にも似た叫び声をあげた。

二体のモンスターの鳴き声が交互に鳴り響く。

 

筋肉の薄い頭殻に拳が打ち付けられ、

着弾と同時に爆発して、イビルジョーを大きく怯ませた。イビルジョーは追い討ちをかけるように駆け寄ったブラキディオスの振りかざした右肘に再び噛み付き、逃れる隙も与えずに肘から先を力任せに引き剥がした。

 

骨と肉が破壊され、砂袋が破れたように血液が流れ出す。

イビルジョーは噛みちぎった腕を放り投げ、焼け爛れた顔でブラキディオスに向かって吠えた。

対するブラキディオス、片腕を失って尚、軽やかなステップでイビルジョーの側面に回り、残った左腕で胴体を殴りつけた。

爆発でイビルジョーの皮までが抉れるも、イビルジョーはその場に踏みしばって動かず。ダメ押しで繰り出された頭突きで筋肉までが焼けて抉れ、やっとイビルジョーが押し退かされた。

そのまま前に出て殴りつけようとしたブラキディオスに対して、イビルジョーは後退しつつ向き直ってこれを回避。

体力も冷静さも失っているブラキディオスの首に齧り付いた。

ブラキディオスは悲鳴の一つもあげず、ただ離れようと体を揺さぶるが、イビルジョーはびくともしない。齧り付く顎の力は次第に強まり、ブラキディオスは逃れることすら諦め、齧りつかれたままイビルジョーににじり寄る。

その拍子、イビルジョーは首を高くもたげた。

かつてディアブロスがそうされたように、ブラキディオスもまた吊り上げられ、直後腕が力を失ってプラプラとだらけた。

二つあった唸り声が一つになり、両者の筋肉のこわばりが解ける。

火山の空気が変わるのを感じた。

 

砕竜ブラキディオスは、強い雄だった。

 

幾多もの腕利きの狩人を屠り、並み居る強力な生物たちを打ち砕き、そうして火山の頂点に君臨していた。

 

これだけ強力な個体が、もし極上の粘菌まで手にしてしまったら?という話はまた別の機会にするとしよう。何はともあれ、火山の主は破られた。

とは言え、激しい戦闘の余波で、怯えた生物達は既に火山をくだって姿を消している。

獣竜種で最強の座を確かにしても、

それは望んでいた腹の肥やしには遠く満たない虚しいものだった。

 

残されたのはグラビモスとブラキディオスの死骸だけだ。

これらを喰ってしまえばもう火山には用はない。

 

孤独な捕食者の王は、もう誰もいない火山で雄叫びをあげる。

これ以上、一体何を喰らおうというのか。

 

いや、このイビルジョーにとって、もはや何を喰らうかは重要なことではないのだろう。

どれだけ喰らっても満たされないタチでも、喰らうことでしか渇きを誤魔化すことが出来ないのだから。




一部、設定とモンスター紹介

ショウグンギザミ

火山などに生息する甲殻種。
鋭い爪による斬撃が主な武器。
斬撃の他にもバラエティに富んだ攻撃手段を持ち合わせているが、イビルジョーの前でそれを発揮するだけの余裕はなかった。
蟹だけあって身が美味いが、一般的には親しまれていない。

ディノバルド

高温の地帯に生息する『斬竜』。
平地においてはリオレウスを圧倒するほどの高い実力を持ち、鋭く長い尾で敵を切断する。
尾の切れ味はショウグンギザミの鎌を大幅に上回り、ハンターを防具の上から真っ二つにすることすら造作もない。
筋肉が膨張していないイビルジョー相手であれば刃が通る可能性もあったが、刃を使う前に破壊され、そのまま捕食された。

グラビモス

地上での生活に特化した巨大な飛竜。
重殻竜下目のディアブロスと比較的近縁な種族だが、体重、甲殻の硬度ともにディアブロスを大きく上回るより重量級のモンスターである。
あまりの巨体に素早く動くことは得意としていないが、素早い敵には体内の熱エネルギーを駆使した攻撃で応戦可能。
幼体はバサルモスと呼ばれ、岩に擬態している。
その肉は食用になるが、グラビモス自体の敵無しに近い実力のせいで入手難度が高く、滅多に流通しない。

ブラキディオス

爆破性の粘菌を身に纏った獣竜種。
地上での戦闘を得意とする獣竜種の中でもフットワークの軽さはトップクラスであり、比較的軽量なボルボロスやアンジャナフにも優越する。
生態系の主として君臨するモンスター達の亜種個体すら上回る高い戦闘能力を持ち、加えて性格は非常に獰猛とかなり危険な生物である。

マガイマガド

古龍すら恐れない大喰らいの牙竜種。
槍のような尾と逞しい前脚を武器としているほか
鬼火と呼ばれるガスを利用して戦う。
このガスの爆裂により瞬間的に加速することが可能で、屈強な肉体と合わされば敵なしとされる程の凄まじい強さを発揮する。
空中機動力は全モンスター中随一で
あのリオレウスやバゼルギウス、それどころか古龍種にすら飛びかかって撃墜してしまう程。
更に、食らい続けることで無限に等しい生命力を得るともいわれ恐れられている。

ラージャン

金獅子の異名を持つ最強の牙獣種。
ゴリラに角が生えたような姿をしており、
大型飛竜などと比べると比較的小柄だが、
その戦闘力はまごうことなき古龍級。
幻獣キリンを捕食対象としているという噂もあり
その性格は類を見ないほど凶暴。
姿を見たものはその殆どが殺されるという理由で目撃報告が少ない超攻撃的生物である。
興奮状態には、漆黒の体毛が黄金に変色し、黄金の獅子とも形容される姿に変化する。
この時のラージャンはただでさえ高い戦闘能力に拍子がかかり、テオ・テスカトルやクシャルダオラといった大型古龍を上回る怪力で暴れ回る。
周囲の動植物を根こそぎ破壊してしまうことから、黄金の暴風雨とも喩えられ、人知を超えた力を持つ獣として知られている。
イビルジョーがブラキディオスと戦っている間
同じ火山でマガイマガドと激戦を繰り広げており、何かを察知して撤退したマガイマガドを追いかける形で火山を去った。

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