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会話

「ソフト老害」という言葉が話題ですね。そもそも「老害」とは、高齢者の自分勝手で傲慢な振舞いを揶揄する表現ですが、「ソフト老害」提唱者によると、30代~40代でも、自分がウザいと思われていることに気づけない人は、ソフト老害に該当するのだそうです。 これに対しネット上では「ちょっとした指摘まで害悪みたいに言われるとは、嫌な時代になった」「そうやって厄介者扱いすること自体がハラスメントでは?」とあまり評判は良くないみたいです。たしかに、「あの人、ソフト老害だし」みたいな悪口で用いられるのは感心しませんが、「自分、ソフト老害になってないかな…」と自らを戒めるために活用するなら、案外便利な概念ではないでしょうか。 この点、「パワハラ」とも似ています。知らないうちに良かれと思って厳しい指導をおこない、それが結果的にパワハラになってしまっていた、なんてことはよくありますから。パワハラもソフト老害も、元凶はこのあたりでしょうね。 ・自分が周囲からどう見られ、認識されているか客観的に把握できていない。立場が上になればなるほど、問題行動でも周囲からなかなか指摘されにくくなる。 ・「会社の仕事とは理不尽かつ厳しいもの」「社会人ならそれを乗り越えてナンボ」という精神論的指導しか受けて来なかったため、それ以外の指導法を知らない。 ・自身の立場や要求を、相手に受け入れられるよう説明できないコミュニケーション力不足。 したがって、どんな年代でもこのあたりの問題がある人はいるので、高齢者に限らず、いくつであろうが自身の発言や行動は「老害化してないだろうか…」と意識して、相手の立場や理解度に配慮したコミュニケーションをしていけばよいのではないでしょうか。 とくに自分語りの「説教」「昔話」「自慢話」は封印しておくべきですね。語っていいのは、その話題をぜひ語ってほしいと求められた時だけ。自分から語り出すことほど痛々しいものはありません。もし、あなたがアドバイスのつもりで言っていることや普段の言動の中に、意識せずこのようなキーワードが紛れ込んでいる心当たりがあれば要注意です。 □「昔は…」「俺の若い頃は…」 ⇒昔と今とでは、社会情勢も景気も仕事の密度も、すべての背景事情が違う。変えられない前提条件を出しても意味がない。 □「お前のためを思って…」 ⇒そう言えるのは、本当に相手のためになるか否かを判断できるくらい、相手のライフプランやキャリアプランまでをも知悉できている、信頼関係が強固な場合だけ。そうでなければ、「相手のため」という都合の良い大義名分をもって、相手をコントロールしようとしているに過ぎない。 □「このままじゃウチで/社会で通用しないぞ!!」 ⇒同様に、相手の将来を心配している風を装いながら、「俺の言うことを聞け」とマウンティングしていることと同義。本当に相手のためを思い、成長を願っているのなら、そんな脅迫的な言い方はしない。 □「今苦労しておけば、後で楽になるぞ!」 ⇒確かに個人的にそのような実体験があったのかもしれないが、だからといって「今現在の苦労」に対する解決策になっていなければ意味がない。単に希望的観測を述べるだけで、相手が今現在陥っている苦境にまつわる訴えを押さえつけようとしているだけ。 □「そんなのよくあることだよ!」「まだまだ若いな!」「いつか気づく日がくるよ!」 ⇒指摘自体は事実なのかもしれないが、相手が今抱えている苦悩や葛藤、焦燥といったネガティブな感情に対して向き合っておらず、解消もできていない。また年齢差や経験差によるマウンティングの一種のようにも感じられ、うっすら見下されているようにも捉えられてしまう。 □「っていうかさ、」「お前はそう言うけど、」「いや、そうじゃなくて…」 ⇒相手の言い分を充分に傾聴しないまま、否定的なニュアンスからアドバイスを始めてしまうことで、「この人は私の話を全く聞いてくれず、自分の言いたいことを言って終わりだ」と感じさせてしまう。 いずれも、一つ一つはささいなことかもしれませんが、その積み重ねで、気づかないうちに相手に不快感や不信感を抱かせてしまい、あなた自身の信用までも毀損してしまっているリスクがあります。しかも、相手はあなたに面と向かって指摘できる人であるとは限りません。自分で意識し、改善を続けていくしかないのです。
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