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第一章 家出少年
第45話 赤い影のダンジョン地下十六階

「あっ、またアイテムが落ちていますわっ」

そう言うとマリアがその方向へと駆け出した。


落ちていたアイテムを拾うと、

「真琴様ー、魔草ですわーっ」

それを持ったままぴょんぴょん飛び跳ね俺に向かって手を振る。


現在俺たちは赤い影のダンジョンの地下十六階にいる。

地下十四階、十五階、十六階と進むにつれ徐々にだがアイテムを発見できるようになってきていた。



「はい、どうぞですわ」

「サンキュー」

俺はマリアから魔草を受け取ると不思議な袋の中にしまう。


「これで魔草は三つ目ですわね」

とマリア。


「魔草はいくつあっても困りませんものね」

「そうだな」


魔草というのは見た目は薬草に近くただの葉っぱのようだが食べるとMPを少し回復できるというなかなか便利なアイテムだ。


ちなみに魔草のほかにはドラゴンのうろこで織られた鞭であるドラゴンウィップや汚れを自動で洗い落とす無洗服、割ると半径一メートル以内の者を地上へと戻す帰還石などを手に入れていた。


また地下へと下りるごとに魔物も強さを増していた。

といっても俺にはよくわからないのだが……マリアが少々手こずり出したので多分そうなのだろう。



☆ ☆ ☆



『ギャアオ!』

『ギャアオ!』


通路を右に曲がったところで泥水がそのまま生命を持ったような魔物、ハイドロゲドンが二体姿を見せる。


「真琴様、お願いいたしますわっ」

「任せとけ」


ハイドロゲドンは通常の物理攻撃が一切効かないため俺の魔法の出番というわけだ。


俺はマリアの前に立つと、

「スキル、氷結魔法ランク10っ」

と唱えた。

刹那ハイドロゲドンが一瞬で氷漬けになって身動きがとれなくなる。


そして、

「はっ」

これらをこぶしで打ち砕きこの世から消滅させた。


《佐倉真琴のレベルが1上がりました》


俺の頭の中だけにレベルアップを告げる機械音が聞こえてくる。


階段を探すかたわら襲い来る魔物は返り討ちにしていたのでちょこちょことレベルは上がり続けていて気付けば現在の俺のレベルは19958にまで達していた。



「真琴様、魔草食べますか?」

俺のMP消費を気にしてマリアが声をかけてくれるが、

「いや大丈夫だ。さっき仮眠もとってある程度は回復しているから」

とやんわり断る。


本当は魔草など食べる必要もないくらい俺のMPは無尽蔵に近いのだがそのことをマリアは知らない。



「このダンジョン地下何階まであるのでしょうね?」

「さあな。どこまでだろうな」


ランクが高いからといって必ずしも地下深くまでダンジョンが続いているとも限らないためまったく見当がつかないのだ。


「休憩するか?」

「いえ、大丈夫ですわ。先を急ぎましょう」


おそらく疲れているはずだが気丈に振る舞うマリアを横目で眺めつつ俺は地下十七階へと歩を進めた。

『Sランクパーティーを追放された鍛冶職人、世界最強へと至る ~暇になったおっさんは気晴らしに作ったチート武器で無双する~』

という小説も書いているのでせめてブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m

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