その時ひとつの心残りを思い出したのです。
それはテクモで最後に創った「ラディア戦記」というファミコンのゲームでした。
これが発売される頃、すでに世の中はスーファミが主流になりつつあり、ファミコン最後の大作と銘打って発売したものの、3万本しか注文が集まらなかったのです。
ダメな子ほどかわいいじゃないですけど、私にとって「ラディア戦記」はとても愛おしい作品でした。
それは記憶喪失の主人公の話。ネームエントリーで「ひとつのなまえが浮かんできた」とメッセージが出ます。
プレイヤーは頭に浮かんだ名前を入力するでしょう。
その名前で物語はずっと進みます。
プレイヤーが自分で思い付いたと思っていた名前は、黒幕の男が自分の名前をプレイヤーの脳に送り込んだものだったのです。
そこから「記憶の書き換え」というアイデアが生まれました。
つづく
Oct 21, 2017 · 5:37 AM UTC