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NHK「性暴力を考える」取材班からのお願いです

はじめまして。NHKでディレクターをしている村山と申します。これまでクローズアップ現代+やニュース番組などで、性暴力について取材し、番組を制作してきました。

2019年からは、NHKの双方向サイト・みんなでプラスで、「性暴力を考える」というプロジェクトを立ち上げ、被害に遭われた方やご家族などから寄せられる声と対話しながら、毎週金曜日に記事を公開し続けています。

「性暴力」と聞くと、“夜道突然、知らない人に襲われてレイプされる”というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、取材で教えていただいた多くが、職場の同僚や友人、家族など“顔見知り”からの被害です。
体を触られるなど、レイプ以外の被害でPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されている方もいます。

その方にとって大切で安心できるはずの“居場所”が安全でなくなり、懸命にやっていた仕事や夢みていた進路が奪われ、人生に深刻な影響をおよぼしていることを、たくさんの方々から教えていただきました。

160本以上の記事で被害の実態や対策を伝えてきました

こうした被害の実態や思いを記事にさせていただき、その記事にコメントを投稿していただいた方からまた話を聴かせてもらい、性暴力被害の実態や対策を伝える記事は160本を超えました。

子どもや男性など、様々な性被害の実態や…

性的同意やトラウマ治療などの解説

また、周りの方から性被害を打ち明けられたときの注意など

一人でもこうした情報が必要な方に届くようにと考え、発信しています。

 その、「性暴力を考える」取材班から、お願いです。

実態調査アンケートのお願い

様々な番組や、「みんなでプラス」を通して、皆さんの声を聴かせていただくなかで感じたのは、私たちの社会では、人間の尊厳を奪い、“その後”の人生にも深刻な影響を及ぼす性暴力への理解がまだまだ進んでいないということです。

そこで今回、被害に遭われた方を対象に、大規模な実態調査アンケートを行うことにしました。性別や年齢は問いません。一人ひとりのご経験や思いを、より大きな声として可視化して、社会全体に問いかけたいと思います。

ご回答いただいた内容は、NHKの報道や番組に使用するほか、被害者支援に関わる専門家の研究や活動にも役立てていただく予定です。どうか、ご無理のない範囲で皆さんの力を貸してください。

アンケートはこちらから 匿名でも回答できます

なぜ調査をするのか

同意のない・対等でない性的な言動はすべて性暴力です。たとえ恋人どうしや夫婦であっても、どのような状況や場所でも、本人が望まない性的な行為は、人権と尊厳を傷つける暴力です。

いま、性犯罪に関する刑事法を改正するかどうかなど、社会制度をめぐって、議論が少しずつ進んでいます。

しかし、私たちは、このホームページに寄せられる皆さんの声を聴くうちに、制度や仕組みを変えるだけでは、性暴力の問題に本質的な解決をもたらすことは難しいのではないか…と考えるようになりました。

被害そのものだけでなく、周囲の心ない発言や、性暴力に関する知識の不足が、ことあるごとに被害に遭われた方を傷つけ、“その後”の人生の構築を難しくしている現状があるからです。

イメージ画像 水たまりにうつる傘

性暴力被害に遭うとはどういうことなのか。どうすれば、被害に遭われた方が“わたし”という一人の人間として再び生きることができるのか。そして、この社会に生きる“わたしたち”にできることは何なのか。

誰もが被害者・加害者・傍観者にならない、性暴力の無い社会の実現を目指すために、皆さんの声を聴かせてください。

調査の概要

●回答期間
2022年3月11日(金)~4月30日(土)昼12時まで

●回答の対象者
このアンケートは、性暴力被害に遭った方、また、被害に遭った方のご家族など被害者本人のお近くにいらっしゃる方を対象とするものです。性別や年齢は問いません。ご回答いただく際は、ご自身の思いに即してご入力いただきますよう、お願いします。それ以外の方は回答をお控えください。

●回答方式
すべてウェブで回答していただきます。匿名でも回答できます。
全部で35問あります。一時保存はできません。一度回答を開始すると、ブラウザを閉じない限り、回答状況は維持されます(回答時間に制限はありません)。
メールアドレスなどご連絡先をご記入いただいた方には、取材班から後日ご連絡させていただく場合があります。

イラスト あなたの声を聴かせてください

●回答のご負担への配慮
質問項目の作成には専門家や研究者の方々にご協力いただき、倫理上の問題が無いかを確認し、回答いただく方になるべくご負担をおかけしないようにアドバイスを受けながら注意深く検討しました。それでも、被害について思い出したり、言葉にしたりすることは負担を伴います。どうか、途中で負担を感じる場合は、無理をせず回答を中止してください。
※大変申し訳ございませんが、みんなでプラス「性暴力を考える」では、個別に専門的な支援を提供することはできません。性暴力被害の相談窓口についてはこちらに私たちがこれまで取材した情報をまとめています。ご活用いただければ幸いです。

●複数の被害に遭った方へ
性暴力の被害は、日常の中で繰り返し発生することがあります。しかし今回のアンケート調査では、ご回答いただく方の負担を軽減する目的と集計上の理由から、1つの被害について詳しくお聞きします。ご自身の中で「最も衝撃を受けた被害」についてご回答ください。
※もし複数の被害についてご回答される場合は、大変お手数ですが、被害ごとに初めからご回答くださいますよう、お願いします。ただ、くれぐれもご無理のないようにお願いします。

●個人情報の取り扱い・調査結果の公表について
回答いただいた内容は、個人情報を伏せた形で集計し、今後のNHKの報道や番組、専門家や研究者の研究や被害者支援に役立てていただく予定です。いずれの場合も、氏名やメールアドレスなど個人情報が公開されることはありません。自由記述でいただいた内容、ご意見は、個人が特定できないよう、趣旨を変えずに一部表現を修正することがあります。なお、NHKが取り扱う個人情報の保護については、「報道・著述・学術研究分野に係る個人情報保護規程」をご参照ください。

●アンケートの作成にご協力いただいた方々(五十音順)
大沢真知子さん(日本女子大学名誉教授)
小笠原和美さん(慶應義塾大学教授)
片岡笑美子さん(一般社団法人日本フォレンジックヒューマンケアセンター長)
上谷さくらさん(弁護士)
齋藤梓さん(臨床心理士、公認心理師、目白大学専任講師)
一般社団法人Spring(性被害当事者を中心とした団体)
長江美代子さん(日本福祉大学教授)
花丘ちぐささん(公認心理師)
宮﨑浩一さん(立命館大学大学院博士課程)山口創さん(桜美林大学教授)

回答するには

アンケートはこちらから 匿名でも回答できます

誰もが性暴力の被害者・加害者・傍観者にならない、性暴力の無い社会の実現を目指すために、皆さんの声を聴かせてください。どうぞよろしくお願いいたします。

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