俺は成り行きでマリアというロシア系ユダヤの血を引くハーフ美少女と行動を共にすることになってしまっていた。
「ありがとうございます、真琴様。真琴様がわたくしとチームを組んでくださってとても感謝していますわ」
「不本意だけどな」
マリアは俺が仲間になると言うまで俺の腰にずっとしがみついていた。
ちからずくでむりやり引きはがすことも出来たが相手はまだ小さな子ども。そこで俺は仕方なく、本当に仕方なくだが自分が折れてやることにしたというわけだった。
「言っとくけどこのダンジョンにいる間だけだからな」
チームなんて面倒なもの組むメリットが俺にはない。
「わかってますわ。わたくしはこのダンジョンさえクリアできればいいのですから」
「マリアはどうしてそんなにこのダンジョンをクリアしたいんだよ。多分だけどお金には困ってないだろ」
高そうなドレスを着て黒服たちを従えて、その振る舞いはお嬢様そのものだ。三千万円に目がくらんだとは思えない。
「わたくしお父様とお母様とは家の事情で離れて暮らしているんですの。だから今度久しぶりに会う時にはわたくしの成長した姿を見せたいんです」
「それでダンジョンに?」
「そうですわ。まだ誰もクリアしたことのないダンジョンをわたくしが一人で制覇してお父様とお母様をびっくりさせたいんですの」
「ふーん」
その心意気は買うが俺を巻き込まないでほしかった。
「マヤたちは基本わたくしの言うことには絶対服従ですが雇い主はお父様なのでお父様に訊かれたらきっと本当のことを喋ってしまいます。だから真琴様はうってつけなのですわ」
マリアが言うマヤというのは黒服の女性のことだ。
「赤い影のダンジョンをクリアしたという肩書きがほしいだけですからわたくしクリア報酬のお金は一切いりません。三千万円は真琴様がすべて受け取ってくださって結構ですわ」
「えっ、マジで?」
「もちろんですわ」
三千万円をいらないとは……こいつは本当にお嬢様だな。
だがそういうことなら渡りに船、お金は欲しいがあまり目立ちたくない俺にとっては好都合だ。
マリアが一人でダンジョンをクリアしたことにしてお金を受け取り、それを俺があとで貰う。
……うん。悪くないな。
「マリア、気が変わった。あらためてよろしくな」
「はいですわっ。こちらこそよろしくお願いいたしますわっ」
マリアは一段と顔を明るくさせた。
こうして俺は弱冠十二歳のマリアと握手を交わすとダンジョン攻略を心に誓った。
『ダンジョン・ニート・ダンジョン』
という小説も書いているのでよろしくお願いいたしますm(__)m
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