「え……?」
俺はハーフ美少女と黒服の集団というあまりにも不思議な光景に立ち尽くしてしまう。
「あなたに言ったんですのよ。そこをどいてくださいませ」
およそ沖縄には似つかわしくないシックなドレス姿の美少女は俺を見上げて言った。
手には短剣を握り締めている。
「えーっと、もしかしてきみこのダンジョンに入るつもりなの?」
俺は腰をかがめてその子に訊ねる。
すると後ろにいた黒服たちが一斉に俺をにらみつけた。
なんだ?
居心地の悪さを感じていると、
「わたくしにはマリアというお父様とお母様からもらった素敵な名前がありましてよっ」
マリアと名乗った美少女は青色の瞳で俺をねめつける。
「あー……そうなんだ」
関わり合いになりたくないと思ったのか気付くとさっきまでいたおじさんはいなくなっていた。
「それにわたくし、あなたなんかよりよっぽど強いんですからねっ」
マリアは小さな胸を張って、
「聞いて驚くといいですわ、わたくしのレベルは99ですのよっ」
自慢げに言い放った。
「レベル99!?」
レベル99といったらプレイヤーの最高レベルじゃないか。
それを俺の胸くらいまでしか身長のないこんな小さな子が……?
「本当に?」
「ふふん、そうですわっ」
「そんなちっこいのに?」
「ちっこいとはなんですか、無礼なっ!」
その瞬間またしても後ろの黒服たちが俺を殺意のこもったような目でにらみつけてくる。
「だって普通に考えたら信じられないし。きみ……マリアって年いくつなんだ?」
「わたくしもう十二歳になりましてよ。充分大人ですわ」
「大人かなぁ? 十二歳は充分子どもだと思うけど」
「なっ!? あなたという人はどこまでも失礼なことをっ!」
その時だった。後ろにいた黒服の集団の中で唯一の女性が口を開いた。
「マリア様はロシア系ユダヤの血を引いておられますので十二歳で一人前の大人として認められるのですよ。ですからマリア様は立派な大人の女性なのです」
「ありがとう、マヤ」
「いえ、出過ぎた真似をして申し訳ありません」
マヤと呼ばれた女性が深々と頭を下げる。
「そういうことですわ。わかりまして?」
「うーん、まあ」
レベルに関しては疑問が残るが。
「ではそこを通してくださいませ。わたくしお父様とお母様に一人でランクHのダンジョンをクリアしてその報告をいたしたいので」
俺が場所を譲ると、
「マヤ、あなたたちはここで待っていてくださいね」
マリアは黒服の集団に別れを告げ赤い影のダンジョンの中に一人で入っていってしまった。
「……あの子大丈夫かなぁ……?」
小さな後ろ姿を眺めながらつぶやく。
「おっと、そんなこと言ってる場合じゃないな。俺も行かないと」
マリアに気を取られていた俺ははっとなるとすぐにダンジョンに歩を進めるのだった。
『Sランクパーティーを追放された鍛冶職人、世界最強へと至る ~暇になったおっさんは気晴らしに作ったチート武器で無双する~』
という小説も書いているのでせめてブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m
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