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医学生の私がジェンダー問題に取り組む理由

皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
前回のnoteを読んでくださった方も、このnoteを初めて読んでくださっている方もありがとうございます。
「ジェンダーステレオタイプをなくす」ことにチャレンジしている島根大学医学部5年の林舞佳と申します。
皆さんの応援が何よりも力になります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

7月は正直、燃え尽きるんじゃないか、身体が壊れるんじゃないか、という程忙しかったように思います。

7月中は地域実習で僻地の病院で実習をしていたのですが、その実習が平日は毎日6:30-17:00というスケジュールなので死ぬほどハードでした。
それに加えて、ジェンダーに関する論文執筆、8月にある学会の発表準備、先生から与えられているケースレポート執筆、Little You活動…を並行して行っていたので、実習終了後の17:00-23:00ぐらいまで毎日医局のデスクに残って作業をしておりました。

作業が日を跨いでしまった日には朝回診まで寝ている時間がなく、徹夜して実習をこなした日もありました…
本当に悲惨で、辛くて、しんどくて毎日半泣きでパソコンのキーボードを叩いていた記憶が
あります。

これを書いている現在(7/28)は、大学に戻ってきてオンライン実習になったので少し休めて心身ともに健康に戻ってきたように思います。(相変わらず課題は大量にありますが…泣)

さて、泣き言を言っていても仕方がないので話題を変えましょう。


前回、なぜ医学生である私がジェンダー問題に取り組んでいるのか?なぜLittle Youなのか?というところをお答えできていなかったので、今日はその辺りを中心にお話できればと思います。

私は幼少期からお転婆で、運動も大好きなよく先生に怒られるような活発な女の子でした。
中学から女子校に入り、青春時代を女子校という比較的ジェンダーレスな環境で過ごしました。
女子校は、デフォルトで生徒が全員「女子」なので、誰からも「林舞佳」という一人の人間として扱ってもらえます。

例えば、机の中やロッカーが汚くても「林、片付けろよ〜」と先生に言われるだけで、「女の子だからもっと綺麗にしなさい」などとは言われませんし、悪戯やわるさをしたら普通に「お前何してんねん、林!!」と怒鳴られて怒られます、共学でよくある男子だけ怒られて、女子は無罪放免ということもありません。

もっと例を出すと、物理や化学、数学が好きでも「女の子だし、理系じゃなくて文系に進んだら?」とか言われないですし、そもそも女子校ではみんな就職することが前提なので「女の子なんだから大学に行かずに早く結婚したら?」などとも絶対に言われません。

ある程度勉強が得意なことも、理系に進むことも、ヤンチャであることも、ロッカーが汚いことも、家庭科が不得意であることも、運動大好きで部活バカであることも、「女の子だから」という理由で咎められたり、蔑まれたり、ドン引きされたりすることが全くと言っていいほどありませんでした。

そんなジェンダーレスな環境から飛び出して感じたのは、社会から「林舞佳」という一人の人間ではなくて、「若い女の子」「若年女性」として扱われるようになったことへの違和感でした。

甘いものが嫌いで全く食べられないのに周りからいただくものはだいたい若い女の子が好きそうな甘い物だし、体力に自信があるのにそのような仕事は任せてもらえないし、悪いことは悪いとはっきり怒ってほしいのにセクハラになるからと言ってまともにコミュニケーションをとってくれない人もいるし、はっきり自分の意見を言ったらやりにくそうな顔をされるし、一生懸命勉強して医学部に入ったのに学歴が高い女性はモテないけど大丈夫?っと嫌味を言われるし、「リーダーやりたいです!」と立候補する前になんとなくリーダーは男子に決められている…。

そんな世の中に「なんでなんだろう…なんでみんな自分を一人の個性を持つ人間として、「林舞佳」として見てくれないんだろう…」と思うようになりました。
女子校を出てからというもの、ずっと標高が高い山を登っているような息苦しさが続いているような感覚です。

そこで自分なりに調べたり、勉強をするうちにジェンダーステレオタイプという問題に気づきました。
ジェンダーステレオタイプに苦しんで生きづらさを感じている人が男女問わずいるし、世の中から勝手にラベリングされることが、様々なserendipityや挑戦心、挑戦する機会を人々から奪っているということにも気付き、その問題に対して自分ができることを探し始めました。

…と言っても、私は政治家でもなければ国の権力者でもないし、なんの変哲もないただの医学生であり、すぐに社会を変えられるような影響力もありません。

私にできることはないのだろうかと考えている時に、今のジェンダーギャップ研究の指導者である先生からジェンダーギャップに関する論文を書いてみないか?という話をいただき、参加させてもらうようになりました。

また、論文執筆開始と同じ時期ぐらいから起業プログラムにも参加するようになって、ジェンダー問題で社会起業したいという気持ちも湧き上がってきましたが、健康、医療などと違ってジェンダー問題は比較的隠れた問題で、問題意識を抱いている人少ないのでマネタイズという観点からも起業は難しく日々無力感を感じて、将来は海外に出ていって日本よりは性別に関係なく評価してもらえる環境に行けばいいやと考えていた時期がありました。

そんな時にLittle Youを知りました。
マネタイズしにくいジェンダー問題に関して、その問題の深刻さやマネタイズしにくい旨を伝えればいけるかも、と思い応募しましたが選考委員がほとんど男性だったら多分採択は無理だろうな…とも思っていました。

しかし、私の予想に反しジェンダーや多様性に関する問題を提起した挑戦者が4人も最終選考の10人に残っているのをみて、かなり意外に思ったと同時に嬉しく思いました。

Little Youの運営チームの皆様が社会問題に関して感度が高い、造詣が深いことももちろんあると思いますが、時代は少しずつではあるけれど、変わってきているのかもしれないと嬉しくなり、身体を壊しながらも嬉々として活動に取り組んでおります。

私がジェンダー問題に取り組んでいる理由の一つを紹介させていただきました。
肝心の活動内容なのですが、現在私は「医学部」と「社会(マス)」のふたつのアプローチで社会にインパクトを残せるように活動しております。

医学部内での活動は、現在私が所属している医学生団体の「チーム関西」というところで全国の医学生を集めてジェンダーに関する勉強会、ワークショップなどのイベントを企画しております。
団体の先輩方と相談しながら夏休みにイベントを開催できるように準備を進めております。

マスに向けての現在進行中の活動は医学部でのジェンダーギャップに関する論文執筆と、ジェンダーステレオタイプやジェンダーギャップを楽しみながら学べるジェンダーに関するカードゲーム作りです。 

論文執筆も地域実習中は忙しくて全然進められていないので、Little Youの活動が終わるまでには絶対publishしたいと考えております。
医学部のトップリーダーのジェンダーギャップに関する論文は海外ではいくつかあるのですが、日本ではまだないのでもしpublishしてacceptまでいけば、日本初ということになり、社会に与える影響は計り知れないと考えているので、頑張って執筆を続けます。

カードゲーム作りに関しては様々なカードゲームを購入して研究し、今はテストゲームの段階に入っています。
印刷会社の担当者と面談して、見積もりをとり話を進めています。
0→1をやろうという話なので、予算やスケジュールなど困難を極めていますが、色んな人を巻き込んでカードゲーム商品化まで最終的にいければと考えております。

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↑萬印堂の田元さんと


地元の起業教室で知り合ったデザイナーさんとデザインを相談したり、企画を練り直したりして毎日バタバタしております。
With Youの森さんとも毎週ミーティングを行って色々なアドバイスやサポートをいただいております。
森さんも私もなかなかの忙しさですが、お互い励ましながら頑張っております。

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↑With Youの森さんとデザイナーの多々野さんと

来週から夏休みに入りますが、論文執筆や夏の学会の発表準備のため、どこまでカードゲーム制作を進められるかというところですが、Little You期間はしっかり夢に向かって取り組んで参ります。

色々ツッコミどころ満載で危なっかしい林ですが、皆様の応援が何より励みになります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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2022.7.28 林舞佳

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