“紫のヤドカリ”ごっそり密漁 「飼える天然記念物」狙われる 中国で大人気

[2024/02/09 14:17]

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 中国人が絡んだ、天然記念物のヤドカリの密漁が相次いでいます。

■「飼える天然記念物」オカヤドカリに異変

アクアリウムアドバイザー 森田桂さん
「こちらが当店で販売しているオカヤドカリですね。普通のヤドカリと違って、海ではなくて陸地に住む種類ですので。比較的いろんな場所でお世話できると思います」

 沖縄の海岸などに生息している「オカヤドカリ」。比較的手軽に飼育できることから人気があります。

国指定の天然記念物

 オカヤドカリは天然記念物として国に指定されていて、許可を得た業者だけが採取でき、その業者が採取した個体は流通・販売できます。この店でもオカヤドカリを仕入れ、一匹500円で販売しています。

アクアリウムアドバイザー 森田桂さん
アクアリウムアドバイザー 森田桂さん
「『飼える天然記念物』と言われるくらいですので。ずっと飼育していただいているお客様もいますので。それくらいやはり認知はされている」

 そんなオカヤドカリにある異変が起きています。

中国籍の30代夫婦を逮捕

 那覇署によると、去年6月、オカヤドカリを無許可で捕獲したとして中国籍の30代夫婦が逮捕されました。

ムラサキオカヤドカリ

 その数なんと、682匹。ほとんどが鮮やかな紫色が特徴で高価な「ムラサキオカヤドカリ」という種類でした。夫婦は当初「食べるために捕った」と話していましたが、その後、「中国に持って帰ろうと思った」と供述を一転させました。

相次ぐ中国人が絡んだヤドカリ密漁

 沖縄県警によると、10月には宮古島市内で、台湾から来た30代の男が270匹密漁したとして逮捕されました。さらに12月には渡嘉敷島で、130匹捕獲したとして現行犯逮捕された20代の男はインドネシア人でしたが、「中国人に頼まれた」と話しているということです。

 相次ぐ中国人が絡んだヤドカリ密漁。一体、何が起こっているのでしょうか?

■中国で大人気 約1万円〜2万円で販売も

密漁1000匹以上

 去年1年間で、中国人が関与し密漁されたオカヤドカリは1000匹以上。背景には一体、何があるのでしょうか?

ANN中国総局長 冨坂範明
「SNSを検索してみますと、ヤドカリを飼育している動画がたくさん出てくるんですね。オカヤドカリの動画もかなり見ることがありました」
中国で大人気

 10年ほど前からヤドカリは中国でペットとして飼われ始め、ここ最近、人気に火がつき始めています。

約1万円〜2万円で販売も

 中国ではムラサキオカヤドカリの他、オカヤドカリの中でも大型のものであれば、日本円でおよそ1万円から2万円で販売されることもあるといいます。

10日から春節

 10日から始まる春節の休暇で、多くの中国人観光客が日本を訪れます。

ANN中国総局長 冨坂範明
「(ヤドカリを)持って行っていいか、分からないと思うので。知らずに持って帰っちゃうのを防いであげる。故意に盗もうとする人は分かると思うので。今回みたいに摘発していくのは、大事なのではないですかね」

(「グッド!モーニング」2024年2月9日放送分より)

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