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第三章
将来を考えて2

 もちろん圭もヒーラーは欲しいけれど大金を稼げるのに特にお金も稼げなさそうな圭たちの仲間になってくれるはずもない。


「まあでも私たちには他の有象無象よりもチャンスはあるじゃないか?」


「そうだね。

 圭さんがいるしね」


「もう四六時中こういう人の多いところで探してもらえばいいんじゃないか?」


「ひどいぞ、カレン」


「私も一緒にいてやるからさ!

 そうすれば……イチャイチャするカップルぐらいには見えるかもしんないし?」


「カレンずるい!」


「波瑠は忙しいからな、私が適任だろ」


「いやいや、私もいるよぅ?」


 実際こうしたスカウトに関しては圭たちには大きなアドバンテージがある。

 それは圭の真実の目のことである。


 真実の目を使えば相手の能力を見抜くことができる。

 ここまで夜滝を始めとして波瑠やカレンといったとんでもない才能の持ち主を見抜いて仲間に引き入れてきた。


 ヒーラーとして覚醒している人を普通の人たちはスカウトするしかないけれど圭に関しては覚醒前の状態から見つけ出してスカウトすることもできる。

 圭にしか出来ず、どこかで見つけなきゃいけない難易度の高さはあるけれど中小ギルドに比べると圭の方がチャンスはある。


「まあヒーラーのみならず才能がある人は探したいけどな」


 バランス的には今もいいけれど強い人が増えれば世の中はさらに安定する。

 悪魔教のこともあるし秘めたる才能を持つ人がいたら是非とも仲間にしたいと思う。


「ふぅむ……でも今はこのメンバーでもいいとは思うねぇ」


 それぞれタイプも違う女性3人であるけれど今のところうまくやっている。

 仲良くもなってきた。


 ホイホイと人が増えるよりも少し互いに馴染む時間も必要である。

 連携も取れてきたので無理をして人を探すこともない。


「良い出会いがあったら、だな」


 波瑠やカレンも探そうとして探したのではない。

 たまたま出会ってたまたま仲間になることになった。


 そのうち良い出会いがあるだろうと圭も軽く考える。

 もっと能力が伸びて自信がつけばかなみの誘いに応じて大海ギルドに入ってもいい。


 大海ギルドの攻略チームならヒーラーも抱えているだろう。


「みんなに会えたのも良い出会いだったよ」


「ふふ、そうかもしれないねぇ」


「なんだよ急に……」


「こんなぴちぴちの女の子と出会うことなさそうだもんね、圭さん」


「うるせぇやい」


「ぴちぴち、なんて若いんだか年取ってんだか分からないな」


「少なくともカレンよりは若いですー」


 夜滝と出会えたことも、波瑠と出会えたことも、カレンと出会えたことも全部幸運だった。

 夜滝とだけだったらこうして覚醒者として活動していこうとはならなかった。


 色々な事件はあったけどそれを乗り越えて、仲間を得て、自分にもできることがあるのだと自信が持てるようになった。

 こうした日常の何気ない会話もまた楽しい。


「とりあえずまだ何か買いたいものはある?」


「んーじゃあ下着でも……」


「それはお願いだから勘弁して」


「圭さんが選んでくれるなら……」


「わ、私も……いや、やっぱ恥ずかしい!」


「お願いだから無理だって!」


 良い出会い。

 きっと自分は幸運なのだと圭は思った。

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