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2020年7月の九州豪雨で被災した住宅の再建を契約通りに行わなかったとして、熊本県の住民8人が、工事を請け負った2業者と代表者に損害賠償などを求めた訴訟で、「共栄建設」(熊本県八代市)に対する判決が18日、熊本地裁人吉支部であった。塚本晴久裁判官は、同社と大松由昌社長に、請求通り計約2080万円の支払いを命じた。
判決によると、同社は20年8月~21年3月頃、熊本県球磨村の男性3人と契約し、九州豪雨で被災した自宅の再建や修繕の工事を請け負った。しかし、同社は代金を受け取りながら、いずれの工事も行わなかった。
塚本裁判官は「工事を適切に施工できる状態ではなかったのに契約し、代金を支払わせた」と指摘した。
同社側は当初、請求棄却を求めて争う姿勢を示していたが、その後は具体的な証拠を提出しなかった。同社の関係者によると、大松社長は今月8日に病死したという。
原告側弁護団の原彰宏団長は、取材に「勝訴は一つの区切り。社長が死亡していても、強制執行などできる限りの対応を尽くす」と述べた。
もう一つの業者の「匠工務」(同県人吉市)に対する訴訟は審理が続いている。