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第一章
レッツレベルアップ2

 モンスターの素材で作られた手袋やチョッキは薄くて動きの邪魔にならないのに頑丈さもある。

 一般人がナイフを振り回してもこうした装備は傷もつけられない。


『防刃チョッキK–173M


 RSI社製の防刃チョッキ。モンスターの皮で作られているためにしなやかで丈夫。

 低級モンスターの攻撃を軽減してくれる。

 ステータス体力+』


 ちょっと気になって真実の目で見てみた。

 完全に防御してくれるでもなく軽減であるが鎧などのしっかりした防具に比べるとやや簡易な防具である感じは否めないので仕方がない。


 それよりもやっぱりステータス体力+なる表示が気になる。


『村雨圭

 レベル7

 総合ランクH

 筋力G(F)(英雄)

 体力F(F+)(伝説)

 速度G(F)(英雄)

 魔力G(一般)

 幸運F(神話)

 スキル:真実の目、導く者(未覚醒)

 才能:類い稀な幸運』


 レベル上がってると思った。

 そういえばブレイキングゲートの時にモンスターを倒したわけであるし上がっていてもおかしくない。


 慌ただしかったし自分のレベルの確認は忘れていた。

 夜滝に聞かれた時も見ながらやればいいのに必死にどんな感じだったのか記憶を掘り起こしながらやったことを思い出した。


 圭は自分の行いを我ながら抜けていると思わざるを得ない。

 レベルは上がったけれど能力は上がっていない。


 括弧の中がよく分からなかったので試しに装備をつけ外ししてみると括弧が消えたりした。

 つまりこれを推測するに装備によってステータスのアップ効果が得られているのだろう。


 括弧の中が装備による補助を受けたステータスで装備をつけたことによりGから Fに上がっているのだ。

 これは後で夜滝に報告せねばと思った。


「それじゃあ行きましょうか。


 今日だと……ネズミ系が多いみたいですね」


 世界中にこうしたモンスターの狩猟が出来るところはあるけれど圭たちが訪れた場所は中でも安全な方でモンスターの凶暴性も低い。

 おそらくそれはモンスターのみで生態系が半ば成り立っているからだと言われている。


 どんなモンスターが多く出るかの変化のサイクルは割と早い。

 生態も様々なのであるが比較的現実の食物連鎖に近いところがある。


 圭たちが訪れた自由狩猟特別区域では肉食系、虫系、植物系など雑多なモンスターが色々といる。

 時によっては肉食系のモンスターが多かったり、植物系のモンスターが多かったりする。


 今は少し前に肉食系のモンスターが増えて覚醒者に狩られた結果ネズミ系のモンスターが増えているようであった。

 覚醒者がアクセスできるサイトにモンスターの傾向が載っているので誰でも確認できる。


「それは運がいいねぇ」


「そうだね」


「そうなん……ですか?」


 夜滝と圭はちょっと安心したようにうなずき、波瑠は少し顔をしかめた。

 デカいネズミなど見た目に嫌悪感があるので波瑠はあまり運がいいとは思えなかった。


「見た目が可愛くないのは同意するが戦う相手としては楽な方になるね。


 ネズミ系のモンスターは一体一体の能力が低めで等級も低い。


 厄介なのは繁殖能力や数の多さになるんだよ」


 夜滝がさらっと説明する。

 以前実験に使ったビッグラットもネズミ系で等級はモンスターの中では最下層のF級である。


「低い等級のものなら知能も高くはないし囲まれることがなければ安全に戦えるんだ。


 まあ覚醒者たちとしては魔石の買取価格も低いし狩猟的な人気は低いけどね」


「そうなんですか。


 ありがとうございます」


「いやいや。


 私は実験なんかで慣れてるけど女の子だとネズミ系嫌いな子もいるからねぇ」


「まあ今日は弥生さんも初めてということなので絶対に無理はしないで行きましょうか」


 ただ小橋には悪いけど今回は実験的な側面も大きい。

 波瑠には毒棒君も持たせているがメインで使おうと思っているのはクロスボウである。


「いました。


 数は3匹です。


 周りには他にいなさそうですね」


 双眼鏡でモンスターを探していた小橋がモンスターを見つけた。

 ネズミ系のモンスターでビッグラットと似たような個体だ。


 モンスターも近年種類が増えたので色々と名前も付けられてきていて到底覚えきれるものではなくなった。

 名付けルールも曖昧で同じモンスターでも呼び方が違ったりすることもあって名前についてもルールや正式に定めることの必要性が議論されている。


 おそらくビッグラットと同じようなのであるがビッグラットが暗めの毛色をしていたのに対してこちらはかなり明るい灰色をしている。

 ただそこで悩んでもしょうがないのでビッグラットでいいだろと夜滝はため息をついた。


「ぬんっ!」


 一番の目的はレベルアップして強くなることだ。

 しかし確かめてみたいこともある。


 圭は毒棒君を手に持って魔力を込める。

 少ない魔力があっという間に持っていかれる感覚があって毒棒君の先端から黒い毒がトロリと垂れてくる。


「よいしょ」


 それを波瑠がクロスボウの矢の先端に塗りたくる。

 やっぱり近づいて倒すのは難しい。


 夜滝も接近戦タイプではないので小橋1人では圭たち3人の面倒を見きれない。

 だからどうにかして遠くから倒す方法を考えたのがこの毒矢作戦である。

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