宇都宮で起きた暴力団員のマンション立て籠もり事件。その後同室の女性と自殺という形で終結したのですが、まさか中学校の近くのマンションで…と思われた方も少なくないと思います。 しかし以前、同じマンションで、暴力団関係者の監禁事件があったことを考えると、以前から「そういう関係者」が多数出入り・利用していた事実がありそうです。
地図で調べてみると、確かに利便は良さそうです。目の前は国道、すぐ近くに市役所です。宇都宮の事情は詳しくはわかりませんが、かなり環境のいい地域なのではないか、と思います。
まあ、そういう場所はえてして非合法組織にとっては、いろいろな活動のしやすい場所でもあると言えます。 なにしろ中学校の近くに、そういう武器庫があるとは誰も考えないでしょう。実際に暴力団関係者が闇で活動する場合に使うのはこういう市街中心部のマンションですし、闇金や武器の隠蔽などについての摘発事例も多くはこういうところです。
これは過激派のアジトなんかでも同じようなことが言えます。だいたいが都市部です。
暴力団と過激派では思想信条が違うから、こういう部分も違うと思いがちですが、案外こういう犯罪の根幹部分については共通することが多いものです。 例えば名義人以外の人間が出入りするケースが多い点、機密性の強いマンションを利用する点など、探せばいろいろ出てくるものです。
要するに悪いことを考える人の考えってものは、しょせん似偏ってしまう、ってことなんでしょうね。
しかしこうなると、私たちにとって、どこが安全なのか、わかりにくくなります。 現実問題として今回は中学校の近くのマンションでした。実際暴力団にしても過激派にしても学校の近くにアジト、というケースは多いようです。それだけ、周りからは安全なところと見られていること、そして安全と見られているゆえに警察も手薄になることを知っているのでしょう。 そうなると市街地に近い学校の周辺地域というのは、そういうアジトが多いのかもしれません。
と、こんなことを書いているうちに、またもこんな事件。
2日午前7時15分ごろ、東京都台東区三ノ輪1の路上を通りがかった男性から、「ヘルメットをかぶりマスクをした4人が、男性を鉄パイプで殴っている」と110番通報があった。
警視庁下谷署員らが駆け付けたところ、現場で男性2人が倒れ、別の男性1人も頭に軽傷を負っていた。倒れていた2人は頭や顔などを殴られており、病院に運ばれたが死亡した。
警視庁公安部によると、現場前のマンションには過激派・革労協の反主流派の活動拠点がある。死亡した1人は、同派系全学連委員長、五十嵐章浩さん(31)で、残りの2人も反主流派の活動家とみられる。公安部では、革労協内部の内ゲバ事件とみて、殺人容疑で4人組の行方を追っている。
調べによると、黒い目出し帽などをかぶった4人組は、車で現場近くに乗りつけ、マンションから出てきた男性3人を鉄パイプなどで殴ったり、包丁で刺したりして、車で逃走したという。現場から4人組のものと見られる出刃包丁などが見つかった。
現場は、区立東泉小学校から約40メートルのところで、通学路になっていた。
近くに住む男性(46)は、「音がするので窓を開けたところ、黒い目出し帽をかぶった4人組が、『このやろう』などとどなりながら、男性を殴りつけていた。殴られた男性は頭から血を流し、まったく動かなかった」と話した。(読売新聞)
[6月2日12時58分更新] |
まあありがちな過激派の内ゲバ事件なわけですが、小学校から約40メートル、通学路沿いってのが正直怖いところです。 なにしろ、こういう土地は「安全」とか「風紀の良さ」を売りにしているところがあります。しかしそれを売りにしても、そういう連中は寄ってくる、それも隠れて寄ってくるわけで… 正直ヤクザの組事務所なんかよりもタチが悪いです。組事務所はそれでも堂々としてますからね。
そう考えてみると市街地のマンションに住みたがる人が多いみたいですけど、値段は張るし安全性に疑問があるとするなら、住むべき場所じゃないのかもしれませんね。巻き込まれたら、割にあわないわけで。 |