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【WEB版】高校生WEB作家のモテ生活 「あんたが神作家なわけないでしょ」と僕を振った幼馴染が後悔してるけどもう遅い 作者:茨木野

第5章

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171話 ギャルとの遭遇



 正月明け、僕はみちる、こうちゃんと一緒に学校へとやってきた。

 聡太そうた君の出待ちがないことに首をかしげながらも、僕らは校舎に入る。


 アルピコの校舎は五階建て。学年ごとに階層がわかれてる。一年生は3階、2年は2階みたいな。


「こうちゃん、ここでお別れだね」


 2階の廊下でこうちゃんと別れる。 こうちゃんとはクラスが別なのだ。


『ふぅ……これでようやくこうちゃんは自由を手に入れる……。家では鬼編集、学校行くまではみちるマッマが、こうちゃんに真人間的生活を強いる。学校だけだよ、こうちゃんが羽を伸ばせるのは……』


 こうちゃんが、晴れ晴れとした表情になっている。


「おちび、ちゃんと授業聞きなさいよ」

「(´_ゝ`)」

「何の顔よそれ……」


 多分授業聞かないんだろうなぁ……。


「駄目だよこうちゃん。ちゃんと授業受けなさい」

『えー、でもこうちゃんは将来的に、神作家のひもになるわけだし、授業とか聞かなくてもよくね? てゆーか、高校やめてもよくね? こうちゃんイラストでも食ってけるし、かみにーさまが養ってくれるし』


 くるっ、とこうちゃんがきびすを返して、帰ろうとする。

 その首根っこを僕がつかむ。


「帰っちゃ駄目だよ」

『はなせー! こうちゃんは家に帰って仕事ネトフリとか、仕事えぺとか、やるんだー!』


 じたばたとこうちゃんが抵抗し、手足をバタバタさせる。


「どんだけ勉強したくないんのよ……」

『いやじゃいやじゃ! 勉強はしたくないんじゃー!』


 と、そのときだった。


「あ~! こうちゃんじゃーん。おひさー」


 といって、こうちゃんの肩を気安く叩いてきたのは、金髪のギャルっぽい子だった。

 髪の毛をシュシュでサイドテールにしてる。


 隣には、顔の似てる黒髪の女の子がたっていた。


『む! ぬしは……伊那いなあかり! 窓際編集のヒロイン! 双子JKの妹! 巨乳!』

「こうちゃんおひさーじゃん。今日からまた学校よろしくね~」


 そう言って、こうちゃんに抱きつく、ギャルさん。


「あれ? 君……もしかして詩子ちゃんのお兄ちゃん?」

「え、あ、うん……」


 リボンの色から(こうちゃんの友達ってことからも)、二年生だってことがわかる。

 詩子を知ってる……?


「アタシ、詩子ちゃんのカレシと、バイト先一緒なんだ!」


 カレシ……ってことは聡太くんか。

 バイト先一緒って……あるぴこで働いてるんだこのこ。


 まあ、何にせよ妹と、そのカレシの知り合いなのだ。ちゃんとあいさつしておかねば。


「ああ、そうなんですね。初めまして。上松あげまつ 勇太です。詩子と、聡太そうた君がお世話になってます」


「初めまして! ってわけでも微妙にないけど……伊那いなあかりです! あかりんって呼んでね♡」

『なんというオタクに優しいギャル……かみにーさまがフリーならコロッといってまうとこやったな』


 伊那さんの腕の中で、こうちゃんがしたり顔で何か言っている。


「え、てゆーか詩子ちゃんのお兄ちゃんってことはえー! カミマツさん!? うわすごー! すごいラノベ作家なんでしょ!?」

「イヤイヤ僕なんてそんな……白馬先生とかのほうがすごいですし」


 僕なんてまだ駆け出しのラノベ作家だからね。


『かみにーさまって時々謙虚通り越してイヤミに聞こえるから不思議』


「えーそんなことないよぉ! わ、すごーい! かっこいいなぁ。詩子ちゃんいいなぁ、こんなカッコいいお兄ちゃんがいて~」

『え、何このこ? すごくほめるやん。ちょっ、かみにーさまを誘惑するのやめてな?』


 こうちゃんが目で伊那さんに訴える。なんだろう……?

 それにしても凄く伊那さんが褒めてくる。きれいだし……これは勘違いしちゃうそう。


「勇太?」


 こほんっ、とみちるが咳払いをする。

そうだ紹介しておかないと。


「あ、えっとこっちはみちる。幼馴染みで僕のカノジョ」

「えー! マ!? あ、でもカミマツ先生ならカノジョが居てもおかしくないかあ……」

 

 伊那さんがクツクツと笑う。

 笑ってる姿はホントにきれいだなぁ。


『ふっ……そして拙者もカミマツハーレムのひとり、ロシア担当のみさやまこう……』

「こうちゃんとはどういう関係なの?」


「仕事仲間」

『かみにーさま!? カノジョ! ねえ拙者カノジョよね!?』

「兼ペット」

『かみにーさま!?』


「兼カノジョ」

『そうそう』


 僕がそう紹介すると、みちるが「あちゃー」と額を抑える。え、なに?


「勇太、アホなの? 普通の人は、恋人が複数人いるってこと……異常だって思うんだから。ねえ、伊那さん?」


 あ、そか。

 でも……。


「え、ふつーじゃない?」

「はぁ!?」


 伊那さんがきょとん顔で言う。


「素敵な男の人になら、何人もカノジョがいてもぜーんぜんおかしくないって!」

『この女も由梨恵氏と同じタイプやな……』


 ほらぁ。


「みちるほら、ね。これが普通だってさ」

「うん、そーそー、普通普通! カミマツくん、すごい共感しちゃうなぁ。仲良くなれそう!」

「僕も伊那さんと仲良くなれそ~」


 あははは、うふふふ、と笑いあう僕と伊那さん。

 一方でみちるは叫ぶ。


「なんで勇太の周りには、変なのが集まってくるのよぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

『おう、せやな』


「あんたも何わかる感だしてんのよおちびぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

『こうちゃんも一応は常識人枠だからな?』

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