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誹謗中傷ゴシップに負けない… 私たちは時代を変えてゆく、羽生結弦と共に「この対価で一体誰が得するのか」

目次

「クラウドワークス」における事案は、まさにその悪しき端緒

 2018年ごろから募集されていた、とされる羽生結弦の誹謗中傷記事募集、オンライン人材マッチングプラットフォームである「クラウドワークス」における事案は、まさにその悪しき端緒であった。

 クラウドワークスは企業でも個人でも仕事を依頼できるマッチングサイトである。もちろん商業出版社は(ゴシップメディアでも)こうしたサイトを使わずとも、基本的には多くの著者、記者を抱えているし、言い方は難しいが大手・有名出版社で書くにはそれなりの実績や名声、技量が必要となる。善悪はともかく、誰もが書ける場ではない。原稿料や印税も人によるが、後述するような額ではない。

 しかしマッチングサイトは企業だろうと個人だろうと誰でも発注できる。受注側も気軽に書けるし、取材の限りは選ばなければ仕事はあると聞く。ただし記事1本数百円とか数十円、1文字1円とかそれに満たない額であることが多い。実際、件の羽生結弦の誹謗中傷記事募集の原稿料はわずか数十円だった。

 私の経験上、商業出版でここまで安い原稿料はありえない。こうした仕事の多くは零細事務所や個人事業主によるトレンドブログやバイラルメディアの類である。私はコロナ禍以降、こうしたサイト運営者の取材をしたこともあり、ときに危険な思いもした。はっきり言って、まともに話の通じないアウトローというか、非常にアブナイ人もいた。

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この記事の著者
日野百草

1972年、千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。国内外における社会問題、社会倫理のノンフィクションを中心に執筆。ロジスティクスや食料安全保障に関するルポルタージュ、コラムも手掛ける。2018年、評論「『砲車』は戦争を賛美したか 長谷川素逝と戦争俳句」で日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞を受賞。

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