そう、チュートリアルがまだなんです。
チュートリアルバトルは次回です。
次回ってのは裏の次ってことです。
表と裏で一話って思ってください。
表と裏は必ず同時に投稿します。
よろしくお願いします。
『目覚めるのでちゅ、新たな星しゃん。あなたには世界を救う旅に出てもらうでちゅ。大丈夫、頼もしい仲間たちがあなたを待ってるでちゅ。全ては神の導きのままでちゅ』
なんだか舌足らずなお告げが終わると共に目覚める。
しかし、ここがどこかわからない。
それに何故か、手錠でベッドに縛り付けられている。
「目覚めましたか?ややこさん?」
耳に聞こえてきたのはドロリと甘ったるい女性の声。
それは声を聞いただけで脳の危険信号が過去に類を見ないレベルの警笛を鳴らした。
「初めまして、ややこさん。母の名はユリィ・リリ。この世界に堕ちてきたややこさんの新しい母です」
ユリィ・リリ。
そう名乗った彼女の言っていることはとりあえず理解できない。
艶やかな黒髪と扇状的なグラマラスな体は大変偉い。
しかし。
それより今は少しでも情報が必要だ。
できるだけ刺激せず現状把握をしなくては。
「さて、ややこさん?ややこさんのお名前を教えて下さい。大丈夫、名前で縛っていたのは昔の話、契約は発生しませんから」
なるほど、彼女に名前を明かすのはやめた方が良いらしい。
ならば適当によくある名無し主人公からとって『ユウ』でいいだろう。
「俺の名前はユウだ」
「嘘をつきましたね」
ユリィの目に危険な光が宿った。
選択を誤ったかもしれない。
ここは危険を承知でも本名を名乗るべきだったか?
しかし、名前を明かせば取り返しがつかなくなる予感がするのだ。
「ですが、今回は許しましょう。新しい世界で新しい名を名乗る、それも一種の決意ですから」
危険な光は消えた。
助かった?
いや、まだだ。
未だ体はベッドの上の鯉。
ユリィにかかれば一瞬で調理されてしまう。
ここは時間を稼ぎつつ、情報を集めるのだ。
「ここは一体どこですか?」
「ここは私の家です。が、そんなことを聞いているのではないですよね。ここは『ギフテッドワールド』神より授かりし異能によって人類の脅威、アグレッサーに抗う剣と魔法の世界です。と、言えばいいとお導きがありました。ややこさんが何故そんなところにいるかも気になるようですね?この世界には稀に異界人が落ちてくることがあるのです。ですから、ややこさんは事故にあったのようなものですね。元の世界に帰る方法は未だわかっていません。ですが学園の異端児たちならあるいは、と言ったところでしょうか」
なるほど、だいたいわかった。
この世界に俺がきたのは事故。
そしてこの世界では異能を使ってアグレッサーというものと戦っている。
さらにここは剣と魔法のファンタジーってことだな。
だが謎は増えた。
学園とは?異端児とは?
あと、何故俺は拘束されているのか。
「さて、それでは……子作りしましょうか」
はっ?
「はっ?」
「ふふふ、ややこさんの子供を産み母は母になるそして祖母にもなる。その子供と子供を産めばまた母になり、祖母であり、曽祖母にもなる。それを永遠に繰り返して、母は全ての母を網羅した究極の母になる!ぁあ、昂ってしまいます!完璧で究極の母になる準備はとうにできています。さあ、ややこの子種をちょうだい?」
あっやばい人だ。
誰か、誰か助けてくれ!
これから一生善行を積むから、もうどんな小さな悪事もしないから!
神様。
神様どうか助けてください!
いやだ、こんな狂人で童貞捨てたく……エロいからいい気がしてきた。
こんな美人さんに逆レされるってロマンじゃない?
あ、揺らぐ。
ちょっと揺らいできたよ!
「ふふふ。ややこさんの気持ちはわかります。こんな劣情を煽るような女に犯されるのを怖がっているのでしょう?大丈夫、誰でも初めてのことはあります。母だって本番は初めてです。初めて同士、気持ちよくなりましょう?」
ユリィの声だけで血流が速くなる。
それくらい彼女と言う存在はエロかった。
この感情に男女の差はないだろう。
だってこのお姉様ホントにエロいもん!
「すいませーん」
もう完全に堕ちる、その寸前だった。
家の扉を叩く音と活発そうな女の子の声が聞こえてきた。
俺は正気に戻った。
危ない、もう少しで流されるところだった。
「すいませーん!いるのはわかってるんですよ!全知さんに聞いてきたんだからね!ユリィ!パーティの新しい指揮官候補を捕まえたんでしょ!速く解放しなさい!」
助かった!
本当に助かった!
色々と疑問は残るが救助が来たようだ。
しかし、怖いのは優しい笑顔のままのユリィだ。
明らかに邪魔されたのに怒りが感じられない。
これは、獲物を奪われた獣の顔ではない。
これは、獲物を泳がせて遊ぶ、悪魔の顔だ。
「ふふふ。そうでしたね、昨日のうちに母が学園に入学手続きをしたのでした。それにしても、初パーティがアーベさんとは運命を感じてしまいます」
にこやかに。
ただひたすらにこやかに。
するり、するりと手錠を外してくれるユリィ。
驚くほど違和感がなく手を動かせた。
かなり長時間拘束されていたはずなのに。
これは……プロの犯行というやつだろうか?
「申し訳ありません。学園についてわからないことだらけなのに登校するのは不安ですよね?でも大丈夫です。アーベさんたちなら優しく一から教えてくれるはずです。もし、そうしなかったら……ふふ、ふふふふふ」
怖いです、ユリィさん。
さて、家を出る前に気づいたことがある。
ユリィと言う自称母の存在。
なるほど、つまり……
ここはソシャゲの世界だな?
私がこの小説を書き始めたときは『園長』ってキャラが主役だったんですよ。
でもね?気がついたら自称母が湧いてました。
意味わからんちん。
『園長』速く出したい!
いつになるんだ!『園長』ストーリー上は中盤のキャラやぞ!
と言うか予定ではキャラ数100人の予定なんやで!
つまり100×2で200話は絶対に行くってことやで!
ワイにできるんか?
できるかじゃねぇ!やるんだよォ!
はい、完結までがんばります。