(株)北信ボーリング

当社は土木工事と地質調査を行っています。長野県からの公共事業がメインですが、民間の建設会社や個人宅からの依頼も承っています。本社のある飯山市は豪雪地帯なので、消雪用の井戸工事も手掛けています。
私は調査部門で、地質調査の仕事に携わっています。地質調査は構造物を建設する際に地面の状態を前もって調べる仕事で、当社の場合、道路・橋といったインフラ施設のほか、土石流や地すべりなどの土砂災害を防止する施設の建設に伴う調査を主に行っています。その方法としては、建設予定の場所の文献を調べたり、実際に現地を歩いて地表の状態を確認した後、ボーリングによって地面の下がどうなっているかを調査するといった流れが多いです。文献で得た過去の情報と地表に出ている情報、そして地面の中の情報を総合的に整理し、建設にあたっての条件や注意などを提言します。その他、台風などの大雨による土砂崩れがあった際、地域の住民の皆さんの安全を確保するため県からの要請に従って緊急調査に入ることもあります。
地質調査は地面の中の状態を調べることを目的としていますが、地面の中は目に見えるものではなく、誰にも分かりません。その分からないものを様々な情報を組み合わせて明らかにすることが、難解なパズルを解くような感覚があります。そうした面白さを感じながらも、お客さまのお悩みや困りごとを解決すると、「ありがとう」と感謝されることもあり、やりがいを感じます。地表は固くても地中では、断層や地下水等の影響で軟らかったりと建設時にリスクとなる要因を持っていることがあります。建設前に、そういったリスクが分かればそこを避けるなど、対策をとることができます。つまり地質調査は、地域を守る仕事とも言えます。
当社は調査設計部門と工事部門、さく井部門に分かれていますが、社員数30人ちょっとの小規模な組織であるため、皆で連携しながら仕事に取り組んでいます。部門の垣根を越えて互いに意見を言い合える、風通しのいい会社だと思います。これは創立当時から続いている当社の文化のようなものと言えます。
調査にしても、工事にしても、一人では何もできません。そのため今後も全員が協力し合うとともに、ICT施工や3Dソフトなどの新たな技術を積極的に取り入れながら、仕事の質の向上と効率化、ワークライフバランスの向上も実現したいと考えています。