読売新聞社に対する当社の抗議内容について(2月5日掲載)
①2月4日掲載 読売オンライン「志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスCでも壊れる…修理見通し立たず」
②2月1日付 読売新聞(石川県版)29面記事『原発「最大の揺れ」焦点』
上記記事の内容は、一方的な憶測や事実誤認による報道であり、読者の誤解を与えかねない内容であることから、読売新聞社に対し、以下の内容を抗議しています。
(1)志賀原子力発電所の地震動と志賀町富来地区の地震動の違いについて
・志賀原子力発電所は、揺れが増幅する粘土層などの表層地盤を取り除いて、揺れにくい強固な岩盤に建設していますが、志賀町富来地区を含め一般的な
地震観測計は、表層地盤の上に設置されています。
・同じ志賀町ではありますが、今回の地震で観測した地震動は、志賀原子力発電所で399ガル、志賀町富来地区の地震観測計で2,828ガルでした。
・当社が申請している1,000ガルよりも志賀町富来地区の地震観測計で2,828ガルの方が大きく、令和6年能登半島地震に伴い気象庁の震度計で観測された
志賀町富来地区を用い、当社が申請している志賀原子力発電所の基準地震動が大きく足りていないかのような構成となっていますが、地震計が設置され
ている地盤が異なることから、志賀原子力発電所の地震動と地震観測計の地震動を単純に比較することは適切ではありません。
・本件に関しては、1月31日の決算会見において読売新聞社よりご質問をいただき、上記内容を回答させていただいております。
(2)「志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスC」でも壊れる」との見出し・「変圧器のトラブルは北陸電の主張や立場を揺るがしかねない」との
記載について
・当社が申請している地震動が1,000ガルであるのに対し、変圧器は500ガルまでしか耐えられないということで、あたかも当社が耐震基準を満たしていな
い変圧器を設置しているかのような内容ですが、当社が申請している地震動と変圧器に求められる耐震性は全く別物です。
・原子力発電所は耐震設計審査指針に基づき、各設備の重要度に応じて耐震クラスが設定されています。
・今回損傷した変圧器は一般産業品と同等の耐震設計(耐震Cクラス)が要求されており、当然ながら、その要求を満たした変圧器を設置しています。
その耐震性として500ガル程度の揺れまで耐えられるというものです。
・送電線や変圧器の故障などで外部の電源が使えない場合に備え設置している非常用電源設備は最も高い耐震設計(耐震Sクラス)が要求されており、
今回の地震で機能に影響を及ぼすような損傷は確認されていません。
(3)「変圧器の部品が手に入らず、修理の見通しが立たない」との記載について
・今回の地震で損傷した1号機起動変圧器、2号機主変圧器ともに2月に詳細な内部点検を実施し、その結果を踏まえ修理方法を検討する予定としています。
・実施済の外観点検の結果を踏まえ、既に部品の手配を行っているものもあり、部品が手に入らないという事実はありません。
・加えて、1月31日の決算会見やこれまでの説明の中でも、変圧器の部品が手に入らないというような回答はしておりません。
(4)「2026年を原発再稼働の当面の目標とする中」との記載
・当社は、2023年6月からの電気料金値上げに際して、原価低減の観点から、新規制基準適合性審査が効率的に進むことを前提に「2026年1月の再稼働」
を原価上織込んでいますが、これまでも「新規制基準適合性審査や安全性向上工事が終了するまで再稼働はできず、また、地元同意を得ることが前提で
あるため、具体的な再稼働時期について見通せる状況にはない」ことを説明しており、1月31日の決算会見でも同様の回答をさせていただいております。
・加えて、同会見の中で、再稼働の目標を問われ「2026年1月は再稼働目標ではない」ことを回答しております。
当社は、地域の皆さまにご安心いただけるよう、今回の地震による志賀原子力発電所の影響や発生事象等について、丁寧にご説明してまいります。
2月1日付読売新聞(石川県版)29面記事『原発「最大の揺れ」焦点』に関する当社の見解について(2月1日掲載)
本記事では、令和6年能登半島地震に伴い気象庁の震度計で観測された志賀町富来地区の地震動を用い、志賀原子力発電所の基準地震動が大きく足りていないかのような印象を与える内容になっていると考えています。
本記事に関する当社の見解は以下のとおりです。
■志賀原子力発電所の地震動と志賀町富来地区の地震動の違いについて
・志賀原子力発電所は、揺れが増幅する粘土層などの表層地盤を取り除いて、揺れにくい強固な岩盤に建設していますが、志賀町富来地区を含め一般的な
地震観測計は、表層地盤の上に設置されてます。
・同じ志賀町ではありますが、今回の地震で観測した地震動は、志賀原子力発電所で399ガル、志賀町富来地区の地震観測計で2,828ガルでした。
・地震計が設置されている地盤が異なることから、志賀原子力発電所の地震動と地震観測計の地震動を単純に比較することは適切ではありません。
(参考)地震の揺れのイメージ
当社は、地域の皆さまにご安心いただけるよう、今回の地震による志賀原子力発電所の影響や発生事象等について、丁寧にご説明してまいります。