《カード》に表示されている《普人族》、それが一体誰を示しているのかは火を見るよりも明らかだ。
何せ、この《煉獄の森》には今、《普人族》は俺ともう一人しかいないのだから。
まぁ、もしかしたらどこかに冒険者とかいるかもしれないが……俺と面識がない以上、関係がない。
つまり、この《普人族》とは……。
名前:アト・ヘレシー
種族:
称号:剣の聖女、剣帝の愛娘……
根源技能:《剣士10》《大剣士10》《剣聖3》《剣姫5》《魔術師7》《聖女6》
派生技能:《斬撃10》……《一刀両断3》…《飛舞剣5》…《地属性魔術7》《風属性魔術6》《水属性魔術5》《火属性魔術8》《雷属性魔術6》…《情報閲覧6》《初級聖術10》《中級聖術10》《上級聖術6》……
一般技能:……《料理7》《洗濯8》……
「……化け物じゃん……」
「えっ?」
俺の独り言に首を傾げる、アト。
極めて精巧な、作り物じみた美しさの顔をしているため、ただそうするだけでも可愛らしく、魅力的に映る。
ただし、その内実がこの《カード》に記載通りだとするとあまりにも恐ろしかった。
まず根源技能の数だ。
別に根源技能が複数あることはおかしくはない。
ただ、大抵の人間は多くて二つだ。
相当な才能があったとしても三つが人間の限界だと言われている。
それなのにこいつは六つもある。
しかも、そのうちの二つのレベルは極め切った10だ。
このレベルに上げるためには、人生の大半を一つの根源技能に傾けても難しいと言われている。
それなのに二つも最高まで上がっている。
しかも他の根源技能もレアなものばかりだ。
剣聖は剣士系の根源技能の最高ランクのものであり、剣姫も同じである。
その両方を普通に持っている人間など、聞いたことがない。
さらに聖女であるのは、彼女が《剣の聖女》であることからおかしくはないのだが、同時に魔術師も高いレベルで持っていると言うのは……。
持っていれば聖術適性が必然的に身につけられると言われる根源技能はいくつかあるが、そういった根源技能を持っているものというのは、魔術系のレベルが上がりにくいと言われる。
根源技能で魔術師系統を持つこともまずなく、一般技能で何かしらの魔術を身につけていたとしても、それほどレベルは上がらないとも。
それなのにアトは基本四属性を全て高いレベルで身につけている上、雷属性まで適性を持っているようだった。
しかも6……。
俺やキャスを見れば分かることだが、レベルは3あれば魔術師としては中位には至っている。
4まで持っていれば上位クラス、5であれば宮廷魔術師クラスと言っていい。
しかしアトは……全てが6以上だ。
これはもうこれだけで化け物を名乗れる。
どんな魔物が襲いかかって来ようが鎧袖一触。
それほどのレベルだ。
聖術系統については正直分からない。
と言うのも、この適性を持つものはほとんど全て、教会に引き取られるからで、その詳細について外部に流れることは少ないからだ。
全くいないわけでもないらしいが、教会に目をつけられることを恐れて皆、口にはしない。
技能を見るに、初級、中級、上級と分かれているようだが……さらに上もあるかどうかは謎だな。
通常の属性魔術についてはこの区別はない。
強いて言うなら、レベルでそれが分かれる感じだろうか。
後は、複合系と言われる上位系かな。
流石にアトはそれを持ってはいないようだが、身につけたらそれだけで列聖されるようなものなので、身につけていないからといって低く見ることなど決して出来ない。
剣士系統の技能からの派生技能については……有名な技能はほぼ全て網羅してすでに身につけているな。
多すぎて表示が真っ黒だ。
その中でも気になるものや、レベルが高いものについて注目して見ていくが……斬撃は剣士系ならほぼ誰でも身につけられる基本的な技能だが、これが10に至っている者を俺は見たことがない。
3まで上がれば岩を切れるのだから、10も必要なのかという気がしてくるくらいだ。
少なくともその辺の魔物相手には不要だ。
竜とか相手になってくると必要なのかもしれないが……そもそもどうやってここまで上げるのかわからない。
一刀両断は……絵本で読んだことがあるな。
おそらくは、剣聖の技能なのだろう。
それこそ、竜などの強大な魔物を倒す際に、英雄たちが使っていたようなもの。
剣聖を持っているからには身についててもおかしくはないのだが、やはり尋常ではない。
飛舞剣は聞いたことがないが、剣姫由来の派生技能だろうと思う。
レベルは他の技能と比べればいっそ低めに見えてしまうが、5でも技能はかなり強いものなのだ。
しかも、これは剣士や大剣士よりも上位の根源技能、剣姫由来のもの。
それらの技能のレベル10より強いことは明らかだ。
これだけで、もう戦力としては一人いれば一軍を滅ぼせるクラスになるだろう。
なるほど、聖女は聖騎士団と並ぶ最高戦力と呼ばれるのは、決して過剰な話ではなかったらしい、と言うことがこれだけで分かった。
それ以外に気になるところは……《情報閲覧》?
これはなんだろうな……。
そう思ってタップしてみると、
情報閲覧:《神の頭脳》にアクセスし、必要な情報を引き出すことが出来る。引き出せる情報の量と質は技能のレベルによる。
そう書いてあった。
神の頭脳……マジであったのか。
まず俺はそこに驚いたのだった。
読んでいただきありがとうございます!
できれば下の☆☆☆☆☆を全て★★★★★にしていただければ感無量です!
ブクマ・感想・評価、全てお待ちしておりますのでよろしくお願いします。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。・特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はパソコン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
作品の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。