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第2章 《煉獄の森》の魔物たち
第16話 二つ目の技能確認

「……魔物に対する攻撃ダメージが1%上昇する。これ本当かな?」


 俺が驚いた《狩猟者》の記述部分がそこだ。

 通常の《狩猟者》の称号にはこんな効果なんてない。

 ただ魔物を自らの手で狩った者、と書いてあるだけである。

 それを俺は貴族だった時、同じく貴族の子弟達の《カード》を見せてもらうことで確認している。

 それなのに、なぜ俺の《狩猟者》にはこんな効果が……?

 もちろん《狩猟者》でないのならば、称号には何かしらの効果がある場合があることは知っている。

 それは精霊に対する親和力だったり、魔術の威力だったりをあげてくれたりすることもある。

 けれど、大抵の称号は、ただ称号がつくだけ、ただそれだけのものばかりだ。

 これは称号がついたからといって、人は従前と何かが変わるわけではないからだ、とか、そんな説明がされている。

 効果がある称号があるのは、そう呼ばれるに至った時点で既に何かが変わっていたからであり、称号で可視化されるだけなのだとかも言われる。

 一応、納得できる説明ではある。

 しかしそうだとすると……俺も、魔物と戦うことで何か《狩猟者》と呼ばれ、かつ魔物に対するダメージが上がるくらいの変化があったから、このような表示になったと?

 まぁ、この森で生活する前は魔物相手に勇気を振り絞って戦うことなどまるで出来なかったし、それが普通に可能になったと考えれば、攻撃ダメージ1%増加くらいの効果はあってもおかしくはないかもしれないが……。

 これについては考えても分からないかもしれないな。

 でも、これからも考えることをやめるつもりはない。

 こんな森で生活しているのだ。

 思考を放棄すれば、即、死に直結することはわかっている。

 俺がこの《煉獄の森》の魔物たちにたった一つ勝っていることは、この人間としての思考力だ。

 それ以外に今の俺には何もないのだから……。


 さて《狩猟者》についての確認が長くなったが、次だ。

 二つ目に気になったのは、派生技能欄にある《血と肉》であった。

 これは以前存在しないものだったから、いつの間にか出現したのだろう。

 派生技能というのは、根源技能から派生するものなので、気づけば増えている、ということはよくあるからそれ自体はおかしくはない。

 ただ、努力をしてなんらかの条件を満たさなければ増えることはないと言われているので、俺はその条件を満たしたからこそ増えたと考えるべきだ。

 それが一体なんなのかはまるで分からないが。

 有名な根源技能《剣士》とか《水の魔術師》とかなら、膨大な事例から大まかな条件が分析されているのだが、《聖王》なんて根源技能は誰も知らない。

 当然、どうすれば派生技能が生えるのかなんていう研究はこの世に存在しないのだった。

 俺が頑張って一つずつ得ていくしかない。

 そのためには色々試さなければ……。

 ちなみに派生技能であるが、生涯にわたって増え続けると言われている。

 数に限りもない。

 それでも平均的には五つ程度しか得られないのだが、それ以上を得るものもいる。

 俺がどれだけ得られるかは分からないが、害になることはあまりないので、得ていく方針でいいだろう。

 それで《血と肉》についてだが、例の如くタップする。

 すると……。


 血と肉:お前は世界である。世界はお前である。血を求めよ。肉を求めよ。お前の体は血と肉から出来ているのだから。


「おいこら。いきなり抽象的過ぎんだろ!」


 つい《カード》をぶん投げそうになったが、


「にゃ」


 キャスがそんな俺を諌めるべく、前足の肉球でぽすり、と止めてくれる。


「……キャス。そうだな……別に《カード》が悪いわけじゃないよな……」


 悪い奴がいるとすれば、それはこの表示を考えて表示させている、神だかなんだか分からない何かだ。

 

「だけど……これは困るな。意味が分からん。血と肉を求めろってなんなんだよ。さっきから食ってるだろうが……いや、もしかして、そういうことなのか……?」


 ぶつぶつ文句を言いながら、少しだけピンとくるものがあった。

 そういえば、さっき、オークの肉を食べた時、力が満ちてくるような感覚があったのだ。

 それこそがこの《血と肉》の効果なのでは?

 魔物を食べれば力が増すという……。


「いや、都合が良すぎるか? 魔物を倒せば確かに力は上昇するとは言われているが、わずかだし、流石に食べるだけでそれってのもな……」


 人は……いや、人に限らず、この世にいきとしいけるものは、魔力もつ生物を倒せば相手の力をある程度吸収できる、と言われている。

 ある程度とは場合によるが、そのパーセンテージは決して高くはない。

 それでも何十、何百と倒していけば、大きな差となる。

 普通の体型にしか見えないのに、その気になれば石をも砕く握力を持つお姉様方が冒険者にいたりするのはそのせいだ。

 俺もまた、ゴブリンやオークを倒していく中で、わずかながらに力の上昇は感じていないではなかったが……食べた時は、似た感覚が、しかも段違いに大きくしたのは確かだ。

 

「これは要検証だな。ま、この森にいれば嫌でも繰り返していくことになることだし、今はそうかもしれない、と思っておけばそれで十分だろう……」

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