見出し画像

敵はいない。全員味方だ。

東京に行く予定があり、庭の水仙を摘み取り花束を作って、ご希望される方に配布をした。心ある方が「これも一緒に配ってください」と言って、小さなドーナッツをくれた。出し惜しみをしないこと。全部神様からの借り物なのだから、全部を出す精神を忘れたくないと思った。花を渡した女性から「何も御礼を用意していなくて…ちょっと待っていてください!」と言われ、五分ほど待っていたら紙袋を片手に女性が戻ってきた。袋の中には、梅干しと素麺と鯛飯が入っていた。お金をくださった女性もいた。

恵比寿駅前でお会いした女性Y様が「実は家のない暮らしを三年間続けている。熱海の家に泊まれるのならば泊まらせて欲しい」と言った。突然の申し出に驚いたが、私が一緒にいてもいいなら大丈夫だと言った。東京の予定を終え、熱海駅前で再び合流した。Y様が、自分の身の上を色々と説明してくれる。人間は生きているだけで何かの役に立っている。そのことを頭ではなく体で実感したいから、今の生活をはじめたのだと。私は「そんなに説明しないでいいですよ」と言った。普通ではない生き方をしていると、周囲から説明を求められることが多い。だが、私にはそんなことをしないでもいい。ただ、話したくなったことだけを話して欲しい。

昔から自己紹介が苦手だった。言葉にするほど嘘が混ざる。説明は弁解に近い。なぜ、それをやっているかなんて自分でもわからないのが本当だと思う。ただ、やりたいと思ったから。ただ、面白そうだと思ったから。ただ、そこに何かがありそうな気がしたから。その「何か」を知るために、未知の海に飛び込むのだと思う。説明するほど、自分を守っている。表面的にはオープンでも、心は閉じている。それっぽい雰囲気は出せるが、言葉が一般化されてしまい、自分が自分であるところが曖昧になる。周囲から「いい子」とか「ちゃんとしている人」などの評価を得ることはできるが、窮屈なその枠を壊したくてやりはじめたのが、本当だと思う。

綺麗な部分だけピックアップするのではなく、生身の、どろどろとした思いに触れた時に「いいね」と思う。お互い人間をやっているねと思う。満たされない魂の渇き。それは面白いだけ楽しいだけ明るいだけでは満たされない。言葉を失うほどの美。打ちのめされるほどの美。迫力。凄み。決死の祈り。絶望の淵に置かれた人間から噴き出す、絶望を拒否するための祈り。この世の鎖を外すような、外せなければ破壊を促すような、怒りにも似た衝動のエネルギー。それが生命力(生きようとする力)だと思う。喜怒哀楽の喜と楽だけを選ぶような言葉ではなく、喜怒哀楽の全部、人間の全部が込められた言葉に、同じ人間として、私の魂は共振する。

自分の敵は自分だと言う。だが、俺の敵は俺ではない。俺は俺の味方だ。俺は俺の一番の理解者だ。生まれてから死ぬまでを共に生きる併走者だ。どれだけボロボロでも、俺の体は俺の愛車だ。俺の心は俺のナビゲーターだ。俺の敵は俺ではない。俺の敵は虚無だ。虚無に挑む。希望を奪うものに挑む。人間の勇気を挫くものに挑む。夢を諦めさせるものに、男の顔から覇気を奪うものに、女の顔から潤いを奪うものに挑む。誰かのイメージの奴隷になるな。自暴自棄になるな。諦めるな。対決とも戦うとも違う。挑む。それは登山に近い。山は敵ではない。支配とも征服とも違う。踏破。踏み破りたい。敵はいない。その先にあるものは、生きとし生けるものに対する畏怖だ。畏怖の中に全員いる。敵はいない。全員味方だ。生も死も、味方だ。

画像

おおまかな予定

2月3日(土)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)

連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com

SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z

バッチ来い人類!うおおおおお〜!

ピックアップされています

男の覚書

  • 40本
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。
Jesus Christ Golden Super Stars
敵はいない。全員味方だ。|坂爪圭吾