行政書士試験「一般知識」で足切りならないための対策・勉強法は?【動画解説あり】
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行政書士試験の一般知識で「足切り」を恐れている受験生は少なくありません。
実際に、法令科目で十分に得点できる実力があるにもかかわらず、一般知識の足切りにあってしまう受験生は毎年一定数います。
また、一度足切りにあってしまい、今回もそうなるのではないかと不安になっている人もいるのではないでしょうか。
当コラムでは、行政書士試験の一般知識で足切りにならないための対策や、勉強法を解説します。勉強に役立つおすすめのサイトも紹介しているため、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次 [表示]
【行政書士試験】一般知識で足切りにならないために
行政書士試験における一般知識の出題数は、全60問のうち14問です。
そして14問すべてが5肢択一式で出題されます。配点は1問につき4点であるため、すべて正解すると56点獲得できます。
一般知識で注意しなければならないのは、足切り基準点が設けられていることです。
56点中24点、つまり6問以上正解しなければ、法令科目のほうでどれだけ高得点を取ろうが試験に合格できません。
そのため一般知識に関しては、いかに足切りを突破するかが重要なのです。
合格者の多くは8問程度取っています。
ぎりぎり6問でも突破できることに変わりはありませんが、余裕を持って+2問、合計で8問正解を目標とすることをおすすめします。
【行政書士試験】一般知識の出題数
行政書士試験の一般知識は、大きく分けて「政治・経済・社会・時事」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」の3つのゾーンに分けられます。これを下記のようにZONE1~ZONE3とします。
試験科目 | 出題数 | |
ZONE1 | 政治・経済・社会・時事 | 8問 |
ZONE2 | 情報通信・個人情報保護 | 3問 |
ZONE3 | 文章理解 | 3問 |
合計 | 14問(全60問中) |
本試験では、ZONE1→ZONE2→ZONE3の順番で出題されます。
しかし、得点戦略で意識するべきは出題順とは反対に、ZONE3→ZONE2→ZONE1の順番で進めることをおすすめします。
足切りを突破するためには、ZONE3の文章理解をしっかり得点することがもっとも重要であるためです。
ZONE3を土台に、ZONE2とZONE1を積み上げていくイメージで勉強しましょう。
本試験でも同じようにZONE3から解いていくと、時間に余裕がある段階で取り組めるためおすすめです。
【行政書士 一般知識】文章理解の戦略
一般知識で足切りを突破するためにはまず文章理解を攻略し、得点源にする必要があります。
ここでは、文章理解の戦略について解説します。
文章理解は3問すべて取れるようにする
文章理解は3問出題されますが、そのすべてを正解するつもりで勉強しましょう。
一般知識では6問以上正解する必要があるため、文章理解で3問獲得できれば、あとはZONE1、ZONE2で3問獲得するだけで足切りを突破できるためです。
文章理解は、以前は「要旨把握」「空欄補充」「並べ替え」といった3つのタイプの問題が出題されており、よく3問中2問取れればよいといわれていました。
しかし、ここ数年は「空欄補充」「並べ替え」の2つのタイプでの出題が多いため、以前よりも対策がしやすく難易度も落ち着いています。
アガルートをはじめ、他のスクールの正解率のデータを見ても全体的にできがよく、問題として非常に解きやすくなっていることがわかります。
文章理解には、とにかくこの3問は落とせないという気持ちで挑みましょう。
文章理解は2〜3月ごろからコツコツ取り組む
文章理解は、人によっては対策が不要な場合があります。
文章理解の問題を解くためのテクニックや文章の構造を理解している人は、そのままで十分対応できる可能性があります。
過去問や模試の問題を解いてみて、問題なく正解できるようであれば特別な対策をする必要はないでしょう。
しかし、問題を解くテクニックを身につけていない人や文章を読み解くことが苦手な人は、早い段階から準備をする必要があります。
国語や読書などを通して自然に身につくテクニックや知識は、すぐに身につけられるものではないためです。
時期としては、2〜3月ごろから始めるとよいでしょう。
ただし、膨大な勉強量をこなす必要はありません。
週に1〜2問でもよいので、文章理解の問題を解くことを習慣化し、文章理解の問題自体に慣れるように努めましょう。
このときに重要なのは、ただ◯×で正解したということではなく、きちんとテクニックを使って解けたかどうかや、文章の意味を真に理解し、着眼すべきところに着眼できたうえで解けたかということです。
そのため、長い時間をかけて馴染んでいく必要があるのです。
文章理解の具体的な対策
文章理解の具体的な対策は以下のとおりです。
- 行政書士試験の過去問
- 公務員試験の過去問(空欄補充・並べ替え)
- 模試
まずはほかの科目と同様に、行政書士試験の過去問を用いて問題演習を行います。
同じ問題を何度も繰り返し解くというよりは、たくさんの問題に触れ、さまざまなパターンを経験することを意識するとよいでしょう。
行政書士試験の過去問がひととおり終わったあと、さらに問題演習をしたい場合は、公務員試験の過去問を解いてみるのもひとつです。
その場合は、空間補充と並べ替えの2つのタイプに絞って問題を解きましょう。
あとは模試です。
文章理解に対して苦手意識を持っていた人も、1〜3までしっかり行えば、さまざまな問題に対応できるようになっているはずです。
関連コラム:【行政書士試験】一般知識の「文章理解」対策法は?解き方と点の取り方を解説
【行政書士 一般知識】情報通信・個人情報保護の戦略
続いてはZONE2、情報通信・個人情報保護の戦略についてです。
ここでは、情報通信・個人情報保護の勉強法やおすすめのサイトを紹介します。
情報通信・個人情報保護は3問中2問取れるようにする
情報通信・個人情報保護では、3問中2問取れるように勉強しましょう。
文章理解で3問、情報通信・個人情報保護で2問取れれば、それだけでもう5問です。
つまり、あとはZONE1で1問以上取れば足切りは突破できるということです。
ZONE1の政治・経済・社会・時事は対策がしにくく、苦手とする人が多い分野でもあります。
得点できるところでしっかり得点し、確実に足切りを突破しましょう。
情報通信・個人情報保護を勉強するうえでおすすめのサイト
情報通信では、情報通信の用語について定義を問われることがよくあります。
そのため、用語とその定義を押さえておかなければなりません。
IT用語に明るい人はよいですが、苦手な人やあまり聞きなれないという人は、日ごろから隙間時間を利用して少しずつIT用語を覚えていくことをおすすめします。
IT用語の勉強は、以下のサイトを利用するとよいでしょう。
内容は似通っているため、両方を見る必要はありません。
一度内容を確認してみて、気に入ったほうをブックマークしておきましょう。
そして模試で知識を確認し、知識として定着するまで繰り返します。
関連コラム:【行政書士試験】一般知識の情報通信・個人情報保護の対策法
【行政書士 一般知識】政治経済社会時事の戦略
最後にZONE1の政治・経済・社会・時事です。
ここでは、行政書士試験の一般知識における政治・経済・社会・時事の戦略について解説します。
政治・経済・社会・時事はよく出るところをしっかり押さえる
政治・経済・社会・時事は範囲が広いため、どのように対策したらよいのかわからない人もいるのではないでしょうか。しかし、よく出るところははっきりしています。そのため、まずはよく出るところをしっかり押さえましょう。
なお、過去によく出ている分野は以下のとおりです。
科目 | 過去によく出ている分野 |
政治 | ●諸外国の歴史・政治体制 ●日本の行政組織 ●日本の選挙制度 ●行政改革 ●戦後政治史 ●核問題・軍縮 |
経済 | ●貿易の自由化(GATT・WTO・TPPなど) ●経済地域統合 ●戦後経済史 |
社会 | ●貿易の自由化(GATT・WTO・TPPなど) ●日本の雇用 ●労働問題外国人問題・難民問題 ●環境問題 |
上記の分野を中心に押さえ、過去問をチェックするとよいでしょう。
ただし時事問題の中には、もう二度と出ないだろうと予想がつくような問題(難問・奇問)もあります。そういった問題に関しては、捨ててしまっても構いません。
ZONE2、ZONE3でしっかり点数が取れていればZONE1で高得点を上げる必要はないため、無理なく2〜3問の正解を目指すとよいでしょう。
関連コラム:【行政書士試験】一般知識の政治・経済・社会(政経社)の対策法
時事対策にはニュース検定がおすすめ
時事対策として有効なのは、ニュース検定の公式テキストを用いた勉強法です。
ニュース検定とは、時事問題に関して知識や判断力を養い認定する検定です。
ニュース検定は5級からありますが、1級や2級、準2級あたりのテキストを使用しながら時事問題をチェックしておくとよいでしょう。
まとめ
行政書士試験の一般知識で足切りにならないための対策と、勉強法について解説しました。
最後に、このコラムの要点をまとめます。
- 一般知識で足切りを突破するためには、14問中6問以上の正解が必要
- +2問の8問正解を目標とするとよい
- 文章理解で3問、情報通信・個人情報保護で2問正解を目指す
- 政治・経済・社会・時事で2〜3問正解を目指す
- 出題順はZONE1(政治・経済・社会・時事)、ZONE2(情報通信・個人情報保護)、ZONE3(文章理解)の順番だが、得点戦略で意識するべきはZONE3→2→1の順番で取り組む
- 文章理解が苦手な人は早め(2〜3月ごろ)から勉強を開始する
一般知識で大切なのは、全問正解を目指すのではなく、あくまでも「足切り突破」を目指すことです。
足切りを突破するために、取れるところを確実に取れるようポイントを絞って勉強しましょう。
▼アガルートの行政書士試験講座担当 豊村講師による動画解説もぜひ参考にしてください。
関連コラム:行政書士は独学でも合格可能!勉強時間&効果的な勉強法とは?
▼行政書士試験の一般知識分野を重点的に攻略する講座はこちら。
この記事の監修者 豊村 慶太 講師
豊村 慶太講師
早稲田大学3年次にわずか2か月の学習期間で行政書士試験に合格。
大手資格予備校LECで12年以上にわたり,行政書士試験の受験指導を行い,基幹講座・単科講座・全国向け収録講座のみならず,大学学内講座(成城大学・学習院大学)も担当。
LEC時代・アガルート移籍後を通じて、19年以上の講師歴を通じて、1万人以上の受験生を指導(2023年4月時点)。高い合格率に定評がある。
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