悲しみが教えてくれたこと。
一つの扉が閉まる時、別の扉が必ず開く。閉じた扉ばかりを悲しそうに眺めていたら、別の扉が開いたことに気づくことができない。どちらか片方だけが、それだけでやって来ることはない。終わりと始まりはセットで訪れる。問題と解決策はセットで訪れる。終わりばかりを眺めていたら、始まりに気づくことができない。問題ばかりを眺めていたら、解決策を見つけることができない。終わりを与えられる時、始まりを与えられている。問題を与えられる時、解決策を与えられている。心が失くしたものを嘆いている時、魂は手に入れたものを喜んでいる。
大事な人との死別や病気、事故による怪我や自然災害、経済的な損失や失脚など、この世の中には無数の嘆きがある。失くしたものばかりに目を向けていると、気力が削がれて、立ち上がる意思を失い、自分はダメだと塞ぎ込んでしまう。だが、必ず、そこには「悲しみが教えてくれたこと」が存在する。悲しみが教えてくれことに目を向けることは、光に目を向けることと同じだ。光に背を向けたままでは、自分と似た形の影を延々と見続けることになる。光に目を向けた時、自分と似た形の影は消え去り、あたたかな輝きに包まれる。開く扉の存在を知る。
ケアという言葉には「他者の悲しみや痛みを自分のものとして同じように感じとること」、つまり「痛みの共感」という意味があると教えられた。自分は安全で離れた場所に立つのではなく、痛みを共有し、共に涙を流すことがケアなのだと教えられた。事務的な作業ではなく、善意の施しでもなく、人間的な共感が本当のケアになるのだと教えられた。自分が苦しみに置かれた時、あっち側(安全で離れた場所)から何を言われても、胸に響くことはない。真に胸を打つ言葉は、こっち側(痛みや苦しみのある世界)に共に立ってくれた人間から、放たれる。
マザー・テレサは「あなたの持っている最良のものを与えなさい。踏みつけられ、蹴飛ばされるでしょう。それでも与え続けなさい」と言った。痛みを感じるほどに与えなさいと言った。報われるためではなく、報われないとしてもやりなさいと言った。口先だけで済ませるのではなく、実際に行動を起こしなさいと言った。遠くの誰かを救おうとするのではなく、すぐ側にいる「たった一人の人間」に、温かさを持って接しなさいと言った。深刻な飢餓は食べ物の飢えではなく、孤独、愛の飢えなのだと言った。自分を守るのではなく、待つのではなく、外に出て、自分を賜物として捧げなさいと言った。
謙遜とは「自分なんてそんな」と身を引くことではない。自分はそれをやるに値しない人間だと、自分を低く見積もることが謙遜ではない。それは自嘲だ。それは卑下だ。謙遜とは、自分にできるかできないかはわからないけれど、周囲の力を借りながら、神様の力を借りながら、引き受けることだ。間違った謙遜さは卑屈さをもたらし、自分と似た形の影を濃くする。真の謙遜は、神様の力を借りながら、自分にできることをやることだ。二月だ。月の初めは、改心の絶好の機会になる。心を改める。誰もが「一月が教えてくれたこと」を胸に抱えながら、新しい始まりを迎える。まだ、誰にも汚されていない一日がはじまる。心が失くしたものを嘆いている時、魂は手に入れたものを喜んでいる。 坂爪 圭吾 さま 見舞い先
こんにちは。ここ10年ほどずっと坂爪さんのブログを熱読させてもらっている◯◯と申します。今は沖縄に住んでいますが、10年前くらいは東京に住んでいて、坂爪さんのお話会に2回、熱海のおうちに1度遊びに行かせてもらいました。体調不良と事故のケガでめちゃ心配な一方、さわやかのハンバーグでほわほわされた記事を読み、最高に清々しい気持ちになりました。
ものすごく私事ですが、最近本を作りました。それが、同封させてもらった『あなたのキャリアはどこから?わたしはクビから』というベンザブロック構文タイトルの冊子です。新卒2ヶ月で会社をクビになるところから始まる、10年間のお仕事話をまとめてみました。新卒2社目で、私は「不登校になった子の生きづらさを解消し、社会適応を促す会社」に勤めたのですが、のちに坂爪さんが書いた「年間3万人が自殺する社会に適応する方がヤバい」という言葉にズゴゴゴゴゴッと脳髄をぶち抜かれました。ホンマそれや。現にその時わたし死にたかったわ・・・!となり、もう教育組織も会社員もちゃうかも、と、おかげさまで転職をむかえました。その後しばらくフリーランス、そしてここ数年に再び会社員をしていたのですが、日々坂爪さんのnoteを読むたびに「アーーーーー安心安全なだけの心躍らん人生アカーーーーーン」と頬をエアビンタされ、うじうじ悩みまくった末に去年いっぱいでエイヤッと退職しました。明日から、ずっと念願だったタイ留学に行き、戻ってきたら沖縄でタイ古式マッサージをしようと思っています。
長々と書いてしまいましたが、とにかく、人生の要所要所で坂爪さんの言葉に背中を押されてることを御礼とともにお伝えしたく、さらにそんな私の五里霧中なお仕事ライフについて坂爪さんに読んでもらえたら爆裂うれしいなと思い、本を送らせていただきます。気が向いたら見ていただけると、鼻血が出るほど嬉しいです。
本のエピソードに『合法麻薬「お給料」』というタイトルがあり、文字通りお給料と社会保険という名の安心安全シャブ漬け状態だった話なのですが、文脈は違えど坂爪さんの書く文章は私にとって合法麻薬みたいな存在です。気づけば無性に読みたくなり、ギンギンの目でついつい熟読しちゃう。読めば読むほど安心安全からは遠ざかるけど、おかげさまでこの先の人生めっちゃ楽しみです。最後に、坂爪さんの体調&ケガの回復を心よりお祈りします!!
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バッチ来い人類!うおおおおお〜!