長田(猫舌)のblog

主にギターアンプの解析、回路図の採取と公開を行っております。 回路図の公開は自身で読み取った回路図に限っており、主に国産のアンプを対象にしています。修理やメンテナンスなどにご利用ください。ただし公開している回路図は無保証です。内容の正確性には万全の注意を払っておりますが、誤記入や誤解の可能性は免れません。本サイトで公開している回路図によって生じた事故や損害については一切責任を負いかねますのでご了承願います。 また、電子回路とくに真空管に関する高電圧回路を取り扱っています。電子回路の知識や経験がない方が同様の作業をすると感電により生命に危険を及ぼすことがあります。同様な作業を行って生じた事故・傷害に対して当方は一切責任を負いません。

カテゴリ: ELK

忘れておりました。
いつの日か Vesser V30 を再度入手した時にスペックを表示できるようにと
Vesser シリーズのカタログを手に入れていました。

1978年のカタログです。
DSC04020A

Vesser シリーズには 100W 仕様の V-110, V-110 にグラフィックイコライザが
ついた V-111があり、それぞれコンボとヘッド+キャビネットの形態で
販売されていました。
製造元は ELK(エルク電子) ですが、神田商会が取り扱っており Jugg Box と
同様な販売戦略を繰り広げます。(のちに竹田和夫氏が広告に登場します。)
神田商会は Vesser シリーズの高級機 V-110, V-111 と V-60 を
メインに販売したかったようで、 V-30 が(カタログには掲載されているけれど)
広告に出現する機会はあまりなかったようです。

ちなみにこのカタログには
(C) 1978  K  G2  10  200yen  the  copy
という記述があり、当時は有料だったようです。

PLAYER 誌の新製品情報に V-60 が登場するのは 1978年9月号。
おそらくこの頃には V-30 も発表されているはずです。

カタログの最初の見開き
DSC04025B

V-30 と V-60 が並んで掲載されています。当時から黒と白のトーレックスの
モデルを用意していたようです。
V-30 を STUDIO VESSER,  V-60 を SUPER VESSER と呼称しています。
V-60 を入手した際に「どこが SUPER なんだろう?」と思ったものですが、
V-30 に比べた SUPER だったんですね。

V-30 のスペックをカタログから抜粋します。

--- ここから ---

V-30 STUDIO VESSER  ¥48,000

出力: 30W r.m.s
インプット: HI GAIN & NORMAL
フロントパネル: VOLUME1、VOLUME2、MASTER (PULL BRIGHT)、
BASS、MIDDLE、TREBLE、REVERB、
PILOT LAMP、POWER SWITCH
リアパネル: AC-OUT、FUSE、HEAD PHONE、SPEAKER、
REVERB FOOT
スピーカー: 30cm オリジナルスピーカー V-130L
寸法: 410(H) x 475(W) x 225(D) mm
重量: 10.8Kg

--- ここまで ---

おぉっと。
Vesser V30 のリバーブユニットの写真を撮り忘れていました。

通常、スピーカーとリバーブはキャビネットに取り付けられているため、
キャビネットとシャーシを分離すると私の興味の範囲から外れて
しまうので存在をよく忘れます。
回路図を作成する際にリバーブユニットの入力と出力の(コイルの)
直流抵抗を測定して記入するようにしていますが、それも
忘れてしまうことも。

以前、Vesser V60 を修理した際、試奏するためにライブハウスに
持ち込んだあとにリバーブのスプリングが二本とも切れたことがあるので
今回はリバーブが健全な状態で記録を残しておきたいものです。

ただ先にお断りしておきますが、保存状態が良くなかったようで、
と言うか、所々ネズミに齧られた跡があるので、見たくない方は
この辺で読むのをやめてくださいね。
(見たくない方のために、次の写真までわざと多めに改行しておきます。)












リバーブユニットはキャビネットの底部に取り付けられています。
DSC03864A

ビニールのリバーブバッグに包まれていますが、ゆるゆるの状態でキャビネット
底部と繋がっています。
白いスナップ3点で留められていますが、リバーブユニットを包み込んでいる
わけではなく、円筒形になっており両脇が空いています。

スナップを外すと
DSC03868B

スポンジに包まれたリバーブユニットが現れました。スポンジを留めているのは
セロハンテープ。う〜ん。
スポンジはまだ弾力性を失っていませんが、交換するに越したことがないので
セロハンテープごとカッターで切り開きリバーブユニットを取り出します。

DSC03873C

リバーブユニット自体は健全な状態のようです。スプリングが切れていたり、
コイルや配線が切れていたりといった故障はないようです。
ケーブルは齧られた跡がありますね。導通は問題ないようですが、ケーブルの
交換は必要のようです。

DSC03878D

右の端子が INPUT (赤、insulated)、左の端子が OUTPUT (白、Grounded)。
代替するとなると Accutronics の規格で言う 4AB2C1B や 4AB3C1B かなぁ。


Vesser V30 と V60 は共通の部品を使っているようで、
出力の違い(30W, 60W)に関連する部分とディストーションに関する
部分くらいしか違いはないように見えます。

まずは電源基板を見ることにします。
V60 では TU-O という基板が V30 ではTU-D という名称の
基板になっています。

DSC03851A

名称は異なっていますが、基板上の部品配置も部品定数も変わったところは
ありません。
電源平滑用コンデンサはブロックコンデンサの C1 と C2 を基板外に
設置しており、C2 33uF 350V のみが V60 との違いです。
この基板には B 電源の平滑回路とバイアス電源回路、位相反転段の
12AX7 のプレート抵抗、カソード抵抗などの周辺回路がまとめられています。

DSC03842B

次は V30, V60 ともに共通の TU-C 基板。
半導体回路用の電源とリバーブドライブ回路をまとめた基板です。
左の 2SD313 がリップルフィルタになっており、右の 2SD313 が
リバーブドライブ段です。V60 にはどちらも 2SD389 が搭載されて
いましたが、特にこれでなければ、という理由もないでしょう。
耐電圧とコレクタ電流を満足していれば代替のトランジスタの選定は
容易でしょう。
基板右端の 1/2W の抵抗が焦げていて、カラーコードが変色しています。
実測で 220Ω くらいだったので回路図には 220Ωと記入しています。
V60 でもこの部分は 220Ω だったのでほぼ間違いはないと思います。
メンテナンス時には 1W くらいの抵抗に置き換えようと思います。

最後にプリアンプ部 TU-I 基板。

DSC03854C

DSC03856D

見事な(?) ディスクリート回路ですね。
例によって初段の 2SK30A はソースとドレインを反対に接続しています。
この基板も V60 と共通ですが、Q3 の 2SC1815 のコレクタとベース間の
ダイオードクリップ回路によるフィードバックがなくなっています。
つまり V30 は歪みを加えない回路になっているということです。
バイポーラトランジスタは 2SC1328 から 2SC1815 に変わっていますが、
抵抗などの周辺の定数も変わっていません。
互換性のあるトランジスタなら代替は容易でしょう。

最後に電源トランスのラベル。
DSC03861E

PT-9 という型式の電源トランスで、二次巻線の電圧 280V が記載されています。
V60 の PT-15 はトランスのタップに電圧値と電流値が記載されていましたが
今回の PT-9 はこれだけです。

ところで「ホームラン」って何だろう? トランスのメーカー名だろうと思いますが。


エルクのハイブリッドアンプ Vesser V30 です。1979年ごろの製品のようです。

この機種を取り扱うのは2度目になります。
記録を見ると前回は 2010年6月なのでもう12年も前になります。
当時は真空管アンプだったらなんでも良いから修理してみたい、
という欲求に駆られてオークションで入手、修理して満足していました。
回路図も部分的に残していますが、半導体プリアンプが
ディスクリート回路なので気力が足りずに頓挫したのを覚えています。
JFET 2SK30A が使われているのですが、ソースとドレインが
逆に接続されているのを目にして混乱したのも覚えています。
そんな使い方をしても問題がないということを頭では理解していましたが、
実際の製品の中で使われていると何か意図があるんではと考え込んでしまいます。
その後、同じVesser シリーズの V60 を解析してやはり 2SK30A が
同じ接続になっていること、Guyatone のアンプでも同じことが度々見られること
などから、慣れてしまいましたが。そんな時代だったんだね。

で、今回は12年ぶりの V30 再チャレンジです。
いつかは回路図をコンプリートしようと随分前からオークションに出品
されるのを見ていましたが、今回やっと入手できました。
すでに昨日回路図を作成して公開。やっとリベンジを果たしたわけです。

前面。
DSC03802A

当時、国産アンプは Mesa/Boogie に似せたルックスが大流行りでした。
"Vesser" という造語の名前も Mesa に似せているのでしょう。
入力ジャックは1と2。VOLUME1, VOLUME2, MASTER のスリーボリューム。
VOLUME1 は入力1専用です。
トーンコントロールは BASS, MIDDLE, TREBLE。あとREVERB も
装備しています。
歪みはスリーボリュームの加減で作るタイプで、回路的にも
ダイオードクリップなどの人為的に歪みを作る部分はありません。
Vesser V60 だとダイオードクリップが導入されているのですが
V30 は(回路パターンはあるのですが)省かれています。

背面。
DSC03797B

左からサービスアウトレット(MAX 300W), ヒューズ 2A,  外部スピーカージャック、
LINE OUT, HEAD PHONE, REVERB FOOTSW とジャックが並びます。
スピーカーは 12 インチ 8 Ω の L-301 というもの。
音が出ることは確認しましたが、コーン紙が大きく破れているので
スピーカー交換は必須のようです。

DSC03807C

背面パネルを外すと真空管や変圧器が見えます。
底にリバーブも配置されていますが、なんか扱いが雑なような。

出力管は 松下の 7189。6BQ5 (EL84) の改良版でプレート電圧 400V まで
使えます。EL84 で代替できないのがちょっと難点。

全体的に汚れも少なく、修理や改造などの手が入っていない個体のようです。

キャビネットからシャーシを取り出して見ます。
DSC03813D
 
真空管は位相反転段の 12AX7 (松下) と 7189 x 2。
左が電源トランス、中程にあるのがリバーブトランス、右にあるのが出力
トランス。

7189 のアップ。
DSC03822E

松下製ですね。この白いマーキングは触ると消えてしまうので注意。
作業中は破損防止のためこれらの真空管は外しておきます。

シャーシ内部。
DSC03829F

エルク独自のシールド材「銀紙」です。これでシールドの効果があるのか
疑問ですが、これまで扱ったエルクの複数のアンプにこれがつけられていました。

取り外すとプリアンプ部の基板が現れます。
DSC03843G



Twin-Amp 45 のメンテナンスが終了しました。

先の Ace Tone Model-301 といい 60年代アンプが続きました。
回路図の採取はそれほど苦労しなかったのですが、またもや空中配線の部分が
多いのでメンテナンスには時間がかかりました。
60年代の国産アンプはいろいろと魅力があるのですが、ちょっと食傷気味。

60年代から 70 年代にかけてのアンプで電源の平滑回路によく使われるのが
ブロックコンデンサ。今回も 40uF 450WV x 2 と 20uF 450WV x 2 の2つが
使われていました。近年ではこのようなブロックコンデンサを使うことは
ほとんどないので市販されているものが限られ、入手が難しい。
仮に容量と耐圧が合致したとしてもサイズ(主に直径)が合わないために
取り付けられない、取り付けられても金属シャーシと端子がショートして
しまう、などの理由で使えない場合が多いのです。
なので通常はブロックコンデンサを除去し、複数のラジアルリードのコンデンサを
組み合わせて代用するということをしておりました。
今回は手持ちのブロックコンデンサが2本とも使えそうなのがわかりました。
手持ちのものというのは以前に使おうとしてサイズがあわずに使用を断念した
ことがあるもの。

DSC03409A

左が F&T の 47uF 500V x 2、右がメーカー不詳の 22uF 450V x 2。
今回はこれを使いました。

DSC03423A

22uF 450V x 2 のブロックコンデンサ周辺。もともと空中配線が多い部分
でしたが、乱雑にならずにまとまりました。

円筒型の薄緑色の抵抗は劣化が少ないので交換しないことにし、オイル
コンデンサや電解コンデンサを主に交換する方針で作業を始めました。
ただどうしても気になってしまうのが配線材。50年以上の経過で銅線に
緑青が生じており絶縁被覆内部まで達しているようです。
実害は少ないかもしれませんが、ハンダの浸透が悪いのは間違いなく、
ハンダ不良が生じやすくなるので変えられるものは交換することに
しました。

特に問題だったのはシールド線ですべてのシールド線を交換しました。
全部で8本ありましたが、そのうちの4本がこちら。
DSC03441E
左側に透明のビニルテープが巻いています。テープを剥がしてみると
シールド線の外被が切られてシールドが露出しています。
DSC03442F

人為的にカットした跡があり、作業しながら疑問に思っていました。
この部分からシールドの酸化が進んでいるはずなので、交換することに
しました。すべてのシールド線についてこの処理が為されていました。
なにかの改造の跡か?とも思ったのですが、すべてのシールド線が
こうなっているので、これはメーカーが意図して行った処置だろうと
考えるようになりました。
最終的に理解したのは、シールド線の一方(信号の上流)のみシールドを
GND に接続しもう一方をフローティングにしてノイズ対策をしており、
フローティング側の余分なシールドが露出しないように外被をずらして
保護している、ということのようです。
70 年代以降であれば、フローティング側のシールドを短く切って、
熱収縮チューブを被せて保護する、というのが一般的です。
そうか。熱収縮チューブというものが無かった時代の方法なんだね。
というわけで、新しいシールド線に交換し熱収縮チューブで絶縁する
処理を行いました。

リバーブユニット EAV-200 をもう少し詳しく見ることにします。
DSC03425D

リバーブユニットの入力、出力ともにアンプ本体からの線で半田づけされて
いたので回路図採取時にカットしなければシャーシが外せませんでした。
そこでリバーブユニットの入出力に RCA ピンプラグを取り付けて接続・脱着を
簡単にしました。

EAV-200 の中身はこのようになっていました。
DSC03428C

2スプリングのリバーブですね。右側がリバーブの入力(SEND)、
左側が出力(RETURN) です。

DSC03429D

出力側のコイルが2つ。スプリングごとに装備されています。
リバーブのカバーを開ける前は出力の端子が3つあるので、疑問に思っていたの
ですが、2つのコイルが直列に接続されており、真ん中の端子は2つのコイルの
接続点になっています。なかなか凝った造りです。
もしかしたらハムノイズに対して逆相になるように接続しているかも
しれませんが、コイルを分解してコイルの巻き方向を確認するまでは
行っていません。

シャーシをケースから取り出します。
真空管が8本。作業中(例えばシャーシを取り出すときなど)に
割ってしまうことがあるので、まずは真空管を抜いておきます。
真空管の型式とソケットが合致するようにテプラで記入しておきます。


DSC03385B

DSC03383A

シャーシの内部。
DSC03375C

メイン基板は大きめの平ラグ板。至る所に小さなラグ板があり、空中配線が
なされています。オイルコンデンサが多数。回路採取後にフィルムコンデンサと
交換する予定です。
この時代の抵抗は中空の円筒型。緑がかった灰色。おそらく酸化金属皮膜抵抗だと
思うのですが確信はありません。幸いなのはこの種の抵抗は経年変化が少ないので
抵抗値を確認して劣化していない限り交換しません。

電源トランス周辺。
DSC03377D

電源ケーブルが交換された跡があります。ケーブルにコードデートが
記載されており 1976 年になっていました。明らかに異なった年代です。
ヒューズは 3A が付いていましたが、切れていました。
何らかのトラブルを抱えているかもしれないので注意して回路を見ていく
ことにします。

整流管 5AR4 を使った電源なので、電源トランスには整流管ヒーター用
タップ(5V)があります。二次側は 6.3V 4.5A と330V x 2 。
ん? プッシュプル出力用バイアス電源のためのタップが見当たりません。
普通なら負電圧を作るためのダイオードが近くにあるはずですが、無いですね。

メイン基板周辺。
DSC03379E

メイン基板はオイルコンデンサ2点(左下 C33, C34 共に 0.047uF 600WV) が
交換されている模様。見た目が新しいのと、他の場所では 0.05uF 600WV が
使われており、ここだけ E6 系列の値になっていることから判断しました。
おそらく本来は 0.05uF 600WV が付いていたと思われます。
修理時の覚え書らしきものがシャーシに残っています。

メイン基板は部品が整列しており、部品交換が容易そうに見えますが、
そうでもありません。基板裏面にも部品が配置されており、これらの
部品にアクセスするためには GND や電源ラインなど数箇所をカットせざるを
得ません。メンテナンス性が悪いですね。

DSC03392F

裏面に配置されている部品はオイルコンデンサが6個。
交換対象なので、フィルムコンデンサに交換する際にはおもて面に
配置することにします。
 

ベンチャーズブームの頃(1965年以降)のアンプのようです。

DSC03344A

製造はミユキ産業。のちの ELK です。
DSC03352D

銘板も回路図もないので不明な点がいくつかありますが、回路を追うことで
明らかにしていきたいと思います。

外見は Fender のブラックフェイス初期(1963~64)のころを模しています。
Fender の回路をコピーしたものかと考えがちですが、回路自体は独自のものでした。

1961年に発刊の『電子楽器と電気楽器のすべて』中の「市販品のギター・アンプ」
(復刻版「おとなの工作読本 No.5 アナログ音楽世代に贈る自作楽器」2004 を参照)
に「EB-202 (ツインアンプ45)」として掲載されているので、それ以前から
製造されていたモデルのようです。キャビネットと販売されていたようで、
当時の定価 ¥66,000。コンボタイプが EB-105(ギターマン)。
30 cm (12インチ) SP が2個搭載されていたようです。

前面コントロール
DSC03341B

Fender の外見を模していますが、ビブラートチャネルが左にある点が
異なります。また、入力ジャックの隣に REVERB コントロールがあるという
点にちょっと驚きます。REVERB, VOLUME, BASS, TREBLE とコントロールが
並びます。MIDDLE がないのは上記の時代の Fender アンプと同様ですが、
BASS と TREBLE の並びが逆。必ずしも Fender のコピーを目指したわけでも
なさそうです。
ノブは削り出してはないものの、アルミ製で高級感があります。ネジ止め式。

DSC03342C

こちらはノーマルチャネル。
VOLUME, BASS, TREBLE のコントロールは同様です。
隣に VIVRATO(トレモロ)の SPEED と INTENSITY がありますが、
これはノーマルチャネルには効きません。
また Fender の Twin Reverb 等と同様に背面の RCA ピンジャックに
フットスイッチを取り付けて ON させない限りトレモロが効かない仕様です。

背面を見てみます。背面パネルを外しています。
DSC03360E

背面 には Fuse (3A), 電源電圧切替(100V/117V), POWER SW, STANDBY SW, 
SPEAKER ジャック, EXT SP ジャックが並びます。
記載がありませんが、 スピーカー出力インピーダンスは 4 Ω。

DSC03362F

VIBRATO と REVERB のそれぞれのフットスイッチ入力があります。
シャーシに何やら注意事項が赤で印刷されているようなのですが、
よく読めません。スピーカージャックにスピーカーを接続しない状態で
使用するな、ということのようです。

回路図や真空管レイアウト図のようなものは付いていませんでした。
背面から見て右側から真空管の番号(V1, V2, V3,... ) を振っていきます。
V1  12AX7,  V2  12AX7,  V3  12AX7,  V4  6AQ8,  V5  12AX7, 
V6  6CA7,  V7 6CA7,  V8  5AR4 。
すべて松下製で「ナショナル」のマークがありました。
出力管 6CA7 は EL34 ですね。5AR4 は整流管。
現在(2022年8月) ロシアへの経済制裁により真空管の供給が停滞して
おりますが、上記の真空管はすべて現行品が入手できます。

6CA7 (EL34) を使用している、ということだけでも Fender のコピーではない
ことが想像できます。6AQ8 も Fender では使われることはありません。

電源には整流管 5AR4(GZ34) を使用しており、すでに公開している回路図を
見ればわかるように、回路にはダイオード等の半導体が一切使われていません。

背面の写真では奥にリバーブユニット EAV-200 が前面パネルに取り付けられて
いるのが見えます。このリバーブも松下製で特許番号( PAT. No 248931) が
印刷されています。
同じ特許番号が記入されている EAV-100D というリバーブユニットが
Humming Bird にも搭載されていました。これも松下製のようです。

メンテナンスを行なっていないので今のところ音出ししていませんが、
独特の仕様もありメンテナンス終了後の試奏が今から楽しみです。
次回はシャーシ内部の回路を見ることにします。

パワーアンプ基板。

DSC01143L

ドライブ段にも放熱フィンが取り付けられています。2SD381 と 2SB534 の
ペア。
回路構成はトランジスタが異なるものの、ほぼ FS-41 と同様。
ベースアンプのためか NFB の定数を少し変えています。

FS-41 の回路図採取の際に、C302 の電解コンデンサが脱落しているため
数値がわからなかったのですが、Viking Bass 55 では C402 が相当し
47uF 50V が付いています。おそらく FS-41 もこれで良いのでしょう。
(予想が当たりましたが。)


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