長田(猫舌)のblog

主にギターアンプの解析、回路図の採取と公開を行っております。 回路図の公開は自身で読み取った回路図に限っており、主に国産のアンプを対象にしています。修理やメンテナンスなどにご利用ください。ただし公開している回路図は無保証です。内容の正確性には万全の注意を払っておりますが、誤記入や誤解の可能性は免れません。本サイトで公開している回路図によって生じた事故や損害については一切責任を負いかねますのでご了承願います。 また、電子回路とくに真空管に関する高電圧回路を取り扱っています。電子回路の知識や経験がない方が同様の作業をすると感電により生命に危険を及ぼすことがあります。同様な作業を行って生じた事故・傷害に対して当方は一切責任を負いません。

カテゴリ: AIDEAN

昭和55年3月、つまり1980年3月製造ということは
今年で40年になるアンプです。
アンプのメンテナンスの定番、電解コンデンサ・オイルコンデンサの
交換が行われています。JJ のブロックコンデンサが使われているので
ここ10年以内の交換かと思います。

前回は通電するまえに一通り目視で回路を確認しました。
40年経過しているアンプであればコンデンサ類をはじめ劣化した部品で
あったり、(手放さなければならないような)不具合があったりします。

気になったのは、2本目のブロックコンデンサの端子を中継する
酸化金属皮膜抵抗。
画像中央の茶色の抵抗です。定格2Wのものですが、黒く焦げています。

DSCN3017DD

ブロックコンデンサを交換したものの、金属ケースと端子が近づきすぎて
しまい、ショートした、あるいは沿面放電が生じたと考えられます。
抵抗を測ってみると断線していました。

回路図を採取する際この抵抗を取り外して見ましたが、
抵抗値の表示が焼けており値が不明です。定格2Wであることは
読めるのですが、抵抗値の始めの値が 2 としか読めません。
仕方がないので 2.2kΩ の抵抗で代替しましたが、2.0kΩ、2.4kΩ、2.7kΩ
などの候補はあるかと思います。20kΩ 以上ということも考えられなくも
ないですが、ちょっと大きいかなぁ。とりあえず、E6 系列から選ぶで
あろうと予想してここは 2.2kΩとしました。 
回路図では R002 に当たりますが、*R002 : Resistance value is uncertain." 
という注釈をいれています。

アイデアンエンジニアリングの FORWARD FX-600 はこんなアンプです。

DSCN2982A

聴き慣れないメーカー名ですが、れっきとして日本のメーカーです。
70年代には ZOOM というブランドで MESIA というトランジスタアンプを
製造していました。

DSCN2996B

FORWARD を Web で検索しても有用な情報がほとんど出てきません。
オークションでも年に数回程度しか見かけることがない希少なモデルです。

今回、入手して思ったのは「でかい」ということ。
FX-600 という型式と 6L6GC x 2 という構成から出力は 60W くらいと
思うのですが、Jugg Box Stuff 060G くらいのサイズかと予想して
いたら一回り大きかった。

真空管は日本電気の 6L6GC x 2, 12AX7A x 4, 12AU7 x 1 の構成。
交換してはいないようです。ブロックコンデンサは JJ のものに
変更されているので、オリジナルの回路ではなさそうです。
とはいえ、遭遇するのも稀なモデルなので、この状態で回路を
読み取ることにします。

内部を見てみます。

電源部周辺
DSCN3000AA

画像中央付近に検査証がありますが、「昭和55年3月」という日付が
記入されていました。 1980年ですね。

プリアンプ等基板周辺
DSCN3002AB

回路全体を眺めるに、電解コンデンサーとオイルコンデンサーが交換されて
いることがわかります。これらの値がオリジナルのものと同じ値であると
仮定して回路を追うことにします。

↑このページのトップヘ

ライブドアブログでは広告のパーソナライズや効果測定のためクッキー(cookie)を使用しています。
このバナーを閉じるか閲覧を継続することでクッキーの使用を承認いただいたものとさせていただきます。
また、お客様は当社パートナー企業における所定の手続きにより、クッキーの使用を管理することもできます。
詳細はライブドア利用規約をご確認ください。