シャーシの中身。
ZOOM Mesia シリーズや FORWARD などと共通の特徴、太いシールド線を
使った多数の配線。
前面パネルに搭載されたポット類とメイン基板との間の配線はシールド線を
用いて個別に接続されています。
ただシールド線を多用しているため、修理などで回路を探る際に起こりがちな
配線切れがあまり起こらないのはありがたい。
電源基板とメイン基板が分離しており、それぞれ4点のナットを外せば
簡単に回路にアクセスできるので修理しやすい構造でもあります。
写真左上、アルミ箔らしきものが伸びています。
最初はノイズ対策のためアルミ箔でワイヤを包んでいるのかと思いましたが...
ありゃ。オイルコンデンサが破裂していたんですね。
この状態のまま電源を入れていたら危険でした。AC 100V が加わった
アルミ箔が他の金属部分に接触したら.... 怖いですね。
オイルコンデンサは 0.047uF 650V。
この機種を入手したら最初に電源を入れる前にこのコンデンサだけは
同等の高圧フィルムコンデンサに交換することをお薦めします。
電源+パワーアンプ基板
なんとなく見覚えがあるような ...
基板の裏面。
MA-11 という記載があります。あ、そうか。
HILLWOOD Firstman FG-40と同じ基板。
GR-60 も FG-40 も 1980 年の製造。ほぼ同じ時期の製品です。
シャーシ内の黒い大きな放熱板に取り付けられている終段パワートランジスタは
2SD727 (右) と 2SB691 (左)。
メイン基板
PA-11R という型番が見られます。
JFET 2SK66 を多用したディスクリート構成です。
ZOOM Mesia M-60 もプリアンプ初段に 2SK66 を使用していますが、
GR-60 ではさらに進めて音作りの部分ほぼすべてに 2SK66 を
使っています。
正面から見て右側に松下のリレー HB2-DC24V が接着剤で固定されています。
裏返しにしてリレーの端子に配線を直付けしていますが、「とりあえず」感が
強いです。改造された跡かとも思ったのですが手を加えられた形跡が
ないので、メーカーの手による配線と判断しています。
リレー回路の基板設計に失敗したのか、リレーの仕様変更に対応できなかったのか、
原因は不明ですが。
リレー自体は CH1 と CH2 の切替に使われています。
Jugg Box の JBX シリーズでも使われていたリレー(電圧は異なる)なので
経年劣化していることが予想されます。互換品に交換することになると思います。
さて。
本日は 2023年の大晦日。
今年もいろいろありました。
来年もよろしく。よいお年を。