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2022.12.14

「メタバースとNFT」を組み合わせた事業で新たな体験を提供する:Suishow

Suishow株式会社は日本発のブロックチェーンメタバース「Zoa.space」や、3Dアイテムに特化したNFTマーケットプレイス「MetaMart」などの事業を手がけるスタートアップ企業だ。
近年、メタバース事業を展開する企業が増える中で、同社はメタバースとブロックチェーンを組み合わせた事業を行っていることに特徴がある。
今回、同社のCOOである甲斐貴大さんに、起業の経緯や事業内容、他社との違いから、今後のメタバースの可能性まで聞いた。

「MetaMart」を展開するに至った背景

同社は甲斐さんと、代表取締役CEO片岡夏輝さん、CTO立川裕貴さんが中心となり創業された。
「創業メンバーでVRヘッドセット『Oculus Quest 2』(現:Meta Quest 2)を体験した際に、メタバースの可能性を感じたことがきっかけです。
我々が想像していたよりデバイスは進化しており、没入感があったんです。またVRでのSNSサービスが存在し、そこに長時間滞在するユーザーがいて、恋愛関係に発展したユーザーまでいることなど、コミュニティの存在にも可能性を感じました」
そのなかで、「Zoa.space」に先駆けて「MetaMart」を展開することになったのは、なぜだろうか。
「たとえば、『VRChat』はアバターを自由に変更でき、ユーザーが作成または取得した3Dファイルをサービス側にアップロードすることで使用します。
これまで、アバターとして使用できる3Dファイルを扱っているマーケットプレイス自体は存在していたのですが、3Dファイルは単なるデータですので複製され、低価格で売買されていました。
それを見たとき、作成された3DファイルをNFT・ブロックチェーンという技術を組み合わせることで所有権を明確にして、その作成の対価に見合った正しい価値で売買できるような仕組みを作れるのではないかと考えたのです。
そこで、3Dアイテムに特化したNFTマーケットプレイスという事業アイデアに辿り着きました」
ところで、ユーザーが3Dアイテムに価値を見出す需要は、どれほどあるのだろうか。甲斐さんは、次のように自信をのぞかせる。
「メタバース空間内でたくさんの時間を過ごすようになると、そこで『良い身なりになりたい』や『自分らしさを表現したい』といった需要が出てくると思っています。現実のブランド品のように数量限定で価格が高いものや一般のアイテムなどの違いもメタバース空間で生まれてくると思っており、NFTを活用することで、現実の感覚に近いような数量や価格の概念を実現することができるとも考えています」

NFTが好きな人同士で交流できるプラットフォーム「Zoa.space」

そして、「Zoa.space」はあらゆるNFTを使えるメタバースであり、「MetaMart」で購入した3DのNFTも、もちろん使用できる。
   
「『MetaMart』をリリースしてからの気づきとして、出品されるアイテムの多くが、3Dファイルを単にNFT化したものであり、メタバースで使用できるアイテムが少ないということでした。
つまり、ユーザー側の体験として、NFTを購入したとしても、メタバースプラットフォームにそのファイルをアップロードする必要があり、体験としては以前のマーケットプレイスより複雑になっている点がありました。
我々としては、ユーザーが3DのNFTを購入し、簡単に使えるという流れを生み出したいと考え、『MetaMart』で購入したNFTをそのままウォレットを繋がるだけで使えるプラットフォームである『Zoa.space』の展開をはじめました」
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