祖国の再建に生かしたい…シリアからの留学生、陸前高田を舞台に復興映画を製作中

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 取材では、同市を襲った津波のすさまじさを紹介しようと、同市気仙町の紺野文彰さん(71)の体験を聞いた。紺野さんはシリアと同じアラブ圏のエジプトで二十数年間、通訳ガイドに従事。親族の介護のため、首都カイロでの生活に区切りをつけ帰郷したところ、その1週間後に津波にあった。自身や家族は無事だったものの、自宅を津波に流された。

 紺野さんは、家の裏の高台にある神社へ逃げた際の様子を英語で詳細に説明。その様子をカメラマン役のベカスさんが撮影した。

 また、津波で破壊された景勝地・高田松原の再生に取り組むNPO法人「高田松原を守る会」も取材。同会が植えた松が生育する浜で、鈴木善久理事長が「50年後には松原が震災前に戻ると期待している」と熱弁をふるう様子を映像におさめた。

 復興計画や防災計画に携わる市職員にもインタビューし、市内の「東日本大震災津波伝承館」の展示も撮影した。

 今後、東京で編集作業を行い、25分程度の作品に仕上げ、英ロンドンのアラビア語衛星テレビ局で放映される予定という。

 マスリさんは「復興した陸前高田の風景を撮影しながら、シリアのことを思い出していた。戦闘で完全に破壊された故郷の町も、我々の努力次第では、再建できるのでは、と希望が持てた」と母国への思いを話していた。

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3215579 0 社会 2022/07/31 20:53:00 2022/07/31 20:53:00 2022/07/31 20:53:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/07/20220726-OYT1I50179-T.jpg?type=thumbnail
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