2022年末、家康の生誕を祝う祭事に参列するため静岡市を訪れた「どうする家康」主演の松本潤さん。「NHKニュース たっぷり静岡」独占インタビューの1回目では、同行した榊原康政役・杉野遥亮さん、井伊直政役・板垣李光人さんといっしょに結束する「家康と家臣団」の様子を話していただきました。
2回目は松本潤さんに迫ります。家康にとって静岡・駿府はどんな場所なのか?気になる静岡ゆかりの登場人物との関係は?松本さんの歴史観も交えてたっぷりと聞きました。
インタビュアー:後藤康之、安川侑希(「たっぷり静岡」キャスター)/取材・構成:三浦佑ー(NHK静岡 記者)
【静岡を何度も訪れて】
(キャスター)
松本さんはこの静岡市の久能山をもう何度も訪れているそうですが、静岡の街の印象はいかがですか。
(松本潤さん)
静かで、きれいで、いいところですね。空気がきれいですよね。今日もものすごく富士山がきれいに見えるじゃないですか。
<松本さんも見た収録日の富士山(静岡市から)>
冬の朝は特に空気が澄んでいて。富士山をあのサイズ感で見るのは、なかなか・・・。
(キャスター)
それこそ、家康公も見たのかなって。
(松本潤さん)
思います、思います。
【金色の甲冑(かっちゅう)を着て】
ドラマのビジュアルで松本さんが着用している甲冑「金陀美具足」。
久能山東照宮の博物館に所蔵されている実物を、松本さんも鑑賞しました。
(松本潤さん)
実物、見ましたね。最初に久能山にお邪魔した時にたまたま展示されていて。僕自身が第1話で金陀美具足を着ることもありましたので。
「あんなに目立つものを戦のど真ん中に着ていくなんて、どういう・・・」と考えました。家康公は「目立っても自分は死なない」っていうぐらい強気だった人なのかもしれないし、すごく派手だなと思っていたのかもしれない。結局すべてが想像でしかないから、どう取るかで作品のテイストも変わるし、いろんな考え方ができる。そこが楽しいですよね。
【「平和」への願いを込めて】
(キャスター)
家康公の生誕を祝う「誕辰祭」に参加なさって、どんなことを願い、家康公に報告しましたか。
(松本潤さん)
いよいよあと数日で放送が始まりますと。もちろん6月から撮影始まって半年、みんなで一致団結して頑張ってきました。改めて放送で皆さんにお届けできる機会になったので、家康公が本当に心から願っていた平和とか、みんなが安心して暮らせる世の中を作るために、この作品のメッセージが見てくださる方に届いたらいいなと思っています。
【家康にとって静岡・駿府とは】
青少年期の家康が、今川家の人質として過ごした駿府、今の静岡市。
<今の静岡市(当時の駿府)>
少年の頃の家康はこの駿府の街で、大名の今川義元を慕いながら育ったと、松本さんは捉えています。
(松本潤さん)
僕自身は、家康公の駿府での人質生活は、そんなにつらくなかったんじゃないかと捉えています。もちろん自分の生まれ故郷の三河を離れなきゃいけないという部分はあったと思うのですけど。駿府って、その当時の大都会だったと思うんです。三河にいたらこんな生活はできなかったであろうことを、人質という身でありながらある種、今川家に手厚く育てていただいたんだと思うんですよね。だから最先端の教育が受けられたり、最先端のものを見ることができたりした。
<家康が学んだ場所と伝わる臨済寺(静岡市葵区)>
「ここにずっといるんだろうな」「このまま今川勢にお勤めして、自分はここで死んでいくのも悪くないな」って思っていたような部分もあったのではないかと思います。
僕が今回演じる徳川家康という人物は、幼少期に限らず、今川義元の考えをすごく大事にしている。小さい頃に義元公から教えていただいた考えをベースに、成長して行く中でいろんなことを考え、決断していくと思いますが、その根底は今川家の教えがあると思いますね。
【野村萬斎さん演じる駿河の大名・今川義元】
その今川義元を演じる狂言師の野村萬斎さんは、NHK静岡のインタビューで松本さんのことをこう述べていました。
「松本潤さん演じる家康が、私の前では非常にコケティッシュというか、かわいらしいところがあります。我が子のようにやっていただいているので、こちらも父親らしくなりやすいですよね」
(松本潤さん)
家康の父はもう亡くなっている中で、駿府ではとらわれの身でありながら今川家がすごく大切にしてくれる。
家康は憧れの今川義元公に、どこか父親を重ねていたのではないかと。お父さんというのも畏れ多いぐらいの人物ですが。
何よりその教えですよね。駿府を治めているすごい人物に、いろんなことをちょっとずつ、氏真様も通して教えてもらうことを含めて、いろんなことを駿府にいる間に教わってきたんだと思うんです。
僕も野村萬斎さん、義元公を見ているとなんかついついこうニヤケてきてしまう。憧れがある人を見ていると「え~・・・」みたいな、ソワソワしちゃう感じみたいなのものは僕自身、萬斎さんと一緒にいてもありましたね。
【駿府で出会った妻・瀬名】
もう1人、駿府の人物で注目されるのが、有村架純さんが演じる家康の妻・瀬名です。今川義元の家臣の娘で、家康との恋愛が描かれます。
(松本潤さん)
瀬名も本当に諸説いろんな人物像で捉えられていて、エピソードの扱われ方も作品によって全然違うと思います。今回は脚本の古沢さんが「(悪女説や家康との不仲説など)いろいろ言われているけど、本当は純粋にお互い好きだったんじゃないの」と。今回はそういう関係の2人にしたいとおっしゃっていて。
脚本では出会って次のシーンぐらいで完全に尻に敷かれている、上の立場を取られてるというか。その感じがすごく心地いいなあと思ったし、そうしてほしいと思っていたらそうなっていたので。あっという間にその2人の関係性っていうのができたなあと思っていて。それはやっていて楽しかったですね。
【静岡県民の期待、どうですか?】
静岡県民のドラマへの期待感も直接、伝えました。
(キャスター)
浜松市役所ではポスターがこのようにびっしり貼られています。
あと地元を走る「天竜浜名湖鉄道」ではラッピング列車の運行が(※1月7日から)。
(松本潤さん)
これは、どこを走っているんですか?
(キャスター)
掛川や浜松、県の西部を走っている列車です。本当にもう期待で盛り上がってるんです、静岡県は。どうですか?
(松本潤さん)
いやいや恥ずかしいですよ。うれしいですけどね。
コロナがあって日本全国、皆さんがあまり旅行に行けず、観光業ですとかいろんなところで大変な思いをした方たちがたくさん、今なおいると思います。こんなふうに皆さんが、町おこしじゃないですけれども、大河ドラマ、そして皆さんの大好きな徳川家康という人物だからこその盛り上げを作ってくださろうとしているのはすごくうれしいですね。
(キャスタ-)
最後に、家康への期待があふれそうな静岡県民に向かって、メッセージをお願いします。
(松本潤さん)
オンエアが近づけば近づくほどプレッシャーみたいなものがあるのですが、とにかく今まで何度も徳川家康公は描かれてきていますが、ちょっと違った形から始まるようなドラマになるんじゃないかなと思っています。古沢さんの言葉を借りるならば「かよわいプリンス」である少年が、いかにして戦国の世を終わらせるのかをしっかりと熱く描いていくドラマになっています。ぜひ最終回まで、ちょっと長いですが、毎週ご覧いただけたらと思います。1月8日からスタートです。「どうする家康」、ぜひご覧ください。
(キャスター)
これからまだまだ撮影も長く続くと思いますけれども、本当に体も気をつけていただいて。
(松本潤さん)
そうですね。薬煎じて。
(キャスター)
そうですよね、家康といえば健康オタクという話もありますからね!これからも期待しております。
(松本潤さん)
ありがとうございました。
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