13年前に所有していた5W クラスのアンプです。
私が真空管アンプをジャンクで入手して修理することを始めた時期。
すでに売却して手元にはありませんが、修理の際に回路図を採取して
いたので今回清書して公開いたしました。
詳細はこちらを参照してください。
当時は情報を持っていなかったので「1970年代の製品」と断じていますが、
1960年代と推測されます。
なお今回は当時の mixi に掲載していない写真を中心に Model-201 の記録を
残すことにします。
前面パネルには入力ジャック1, 2、VOLUME, TONE, TREMOLO, REVERB。
REVERB ノブが電源スイッチを兼ねています。
TREMOLO は frequency の変化のみで intensity は固定。やはりスイッチ付きで
トレモロが不要な時は0の位置で off にします。
背面パネルを外したところ
真空管は左から 6GW8, 6AV6, 12AX7。
6GW7 は三極管と五極管の複合管で三極管が 12AX7 相当、五極管が
6BQ5 (EL84) 相当のオーディオ用に開発されたもの。
電源部
電源トランスとブロックコンデンサ (40uF 350V x 2)、ヒューズソケット。
輸出仕様なのか 117V の巻線があります。AC117V で使う時には
AC100V のソケットについているヒューズを外し、AC117V のソケットに
付け替えます。2つのヒューズソケットのうち一つだけにヒューズを
取り付けることに注意が必要です。
メイン基板。
オイルコンデンサとソリッド抵抗で回路が構成されています。
リバーブは圧電素子式のシングルスプリング。
確かこの個体はリバーブが正常に機能していました。
スピーカーと出力トランス
この時代のスピーカーには出力トランスを搭載することも多かったようで
スピーカー自体に取り付けのためのネジ穴がありました。
出力トランスの取り付けスペースが稼げるメリットもありますが、
高圧のかかった端子が露出するので触らない工夫をする必要があります。
基板裏面。
これ以前のアンプに比べて、プリント基板を使うことで空中配線が少なくなり
メンテナンスが容易になりました。
当時(13年前)、秋葉原では 6GW8 (ECL86) の ヒーター14V 版である 14GW8
(PCL86) が一本 500円くらいで販売されており、PCL86 を2本使った
オーディオアンプキットがいろんな店で売られていました。
ラジオデパート3階のサンエイ電機の店頭前の床に100本入りくらいの箱に
入れられてユーゴスラビア(EI)製の PCL86 が売られていたのを思い出します(当時の記事)。
6GW8 はすでにその頃から入手が難しかったので、Model-201 についていた
6GW8 は保存して PCL86 に付け替える改造を施しました。
ヒューズ直下のAC 100V から 15V 1A の ACアダプタを接続し、PCL86 の
ヒーターに供給するという改造でした。
プリント基板にヒーター電源を供給するパターンがなく、AC 6.3V を青黒の
より線で別途供給する配線になっていたので改造は容易でした。
でももう PCL86 も売っているのを見ることはなくなりました。
あの時もう少し多めに買っておけば良かったかなぁ。