キャビネットからシャーシを外します。
キャビネットに取り付けられているスピーカーおよびリバーブとシャーシを
結ぶ線はハンダで直付けされているので、取り外す際にはハンダを外すか
線を切るなどして分離しなければなりません。
背面側から見たシャーシ。
鉄製のフレームにポットが取り付けられていることがわかります。
写真中央にあるのが出力トランス。出力トランスからの漏れ磁束を
遮断するために鉛の板で TONE と REVERB のポットをカバーしています。
真空管の配置。右から V1 6AV6, V2 12AX7, V3 6BM8, V4 6BM8。
松下のマークが見えます。
海外のアンプでは 6BM8 が搭載されているのを見ることはありませんが、
当時の国産アンプでは 6BM8 や 6GW8 などの三極管と五極管の
複合管がよく使われています。
6BM8 の奥に出力トランスが見えます。6BM8 に隠れて見えませんが、
出力トランスには 4Ω、8Ω、16Ω、800Ω の4種類のタップがあります。
実際に使っているのは 4Ωのタップ。トランジスタアンプと異なり、
スピーカーのインピーダンスが低ければ出力が大きくなるというわけでは
ないので4Ωのスピーカーを使っている理由が見当たりません。
ラグ板と真空管ソケットの端子の間に部品を配線する空中配線方式。
当時の国産のラジオやテレビなどでも行われていた配線方法です。
このような配線が当たり前だった時代。
昔はテレビやラジオの調子が悪くなると本体を叩くということが
どこのご家庭でも行われていました。このような配線方式だと
素子間のショートや接触不良が起こりやすくなります。
叩いて振動を加えると一時的に回復するということのようです。
いずれにしてもごちゃごちゃとした配線なのでメンテナンスはとても面倒な
作業になります。