キャビネットの底にはリバーブユニット Accutronics 4AC3C1B が
あります。
本来は薄いビニールのリバーブバッグに包まれて木ネジで2点留めされて
いるのですが、ボロボロになっていたので撮影の前に棄却しました。
前の記事で本体の奥行きをリバーブユニットがやっと収まると形容していますが、
ほんとうにギリギリです。
シャーシを抜き取って回路を見てみます。
左から電源トランス、チョークコイル、出力トランスと並びます。
右側の 12AT7 二本と 12AX7 二本の間にあるのはリバーブドライブ用
トランス。
重量物であるトランスやインダクタが左側に偏っているため重量バランスが
よくありません。
シャーシには 760505 のスタンプがあります。1976年製ということか。
シャーシの中身。背面側から見たところ。
詳しく見ていきましょう。
まずは電源トランス周辺。
電源トランス 6311A です。
一次側は 100V のみ。二次側は 340V の巻線が2つ。一方には
C 電源用の 36V のタップがあります。
電源基板
ガラスエポキシの片面基板です。1976年だと高級な基板だったはずです。
B電源平滑用の電解コンデンサが並びます。100uF 250V x 2、22uF 450V x 3。
よく見ると膨らんでいることがわかります。当然交換対象です。
右上に 0.047uF 600WV のオイルコンデンサがあります。STANBY SW の
接点に並列に接続されているスパークキラー。これも交換対象。
C電源はダイオードで整流して分圧して平滑しているだけのシンプルなもの。
6CA7 に供給するバイアス電圧は固定です。
電源電圧値は本体のオーバーホール完了後に測定して回路図に記入することにします。
プリアンプ基板。
やはりガラスエポキシの片面基板に部品がコンパクトに配置されています。
基板から真空管やポットをつなぐ配線材は 0.5SQ の太いもの。
回路を読み取っている間に断線することはなかったのはありがたい。
ただ電源基板もそうでしたが、この薄い奥行きのシャーシでの配置は
メンテナンスに都合が悪いです。
電源基板を取り出すにはスピーカージャック x 2 とヒューズボックスを
シャーシから取り外さなければなりませんでした。
プリアンプ基板では前面パネルのボリューム x 2 と入力ジャック x 2 を
外さなければ基板の裏面を見ることができません。
コンパクトに仕上げるためにこのような弊害もあります。
V1 12AX7, V2 12AX7 周辺。
V3 12AT7, V4 12AT7 周辺。