シャーシの中を見てみます。
繰り返しますが、この個体はすでに電解コンデンサなどの経年劣化した部品は
取り替えているのでオリジナルの状態ではありません。
部品やその取り付け方法等は参考程度にご覧ください。
電源トランス 022-149 OLM です。
7591 のプレート電圧を供給する B 電源に 370V DC0.17A の巻線が
用意されています。
電源基板 PS-64A
基板上の印刷には PS-64A と PS-65A が併記されています。
PS-65A はおそらく BOLT-60 の仕様でしょう。基板自体は共通のようです。
C1 47uF 500V の電解コンデンサが斜めに取り付けられ、かつC2 に
相当するものがありません。BOLT-30 だと 500V 耐圧の電解コンデンサで
充分なのですが、BOLT-60 だとより大きな電圧が加わるので 350V くらいの
電解コンデンサを直列に接続して耐圧をかせぐ回路のようです。
プリアンプ基板 AP-142A
スイッチ(BOLT-30 では搭載されていない)の空きパターンがあります。
いくつか IC も見えますが、リバーブドライブの 4558 とチャネル切替の
アナログスイッチ 4016B の2つだけで、音作りの部分は JFET 2SK223 に
よるディスクリート回路で構成されています。
「JFET は真空管に似た特徴がある」と言われていた時代のアンプです。
Guyatone の FLIP 1000 などにも同様に JFET が使われていました。
基板右下、VOLUME-1 と VOLUME-2 の間にゲルマニウムダイオードが
4本並びクリップ回路を構成しています。2本ずつを同方向に直列に
接続しているので順方向電圧 Vf はおよそ0.6V となります。
シリコンダイオードと同程度なのですが電圧に対する電流の上昇が
シリコンに比べて緩やかになるので歪みがマイルドになるのを狙っている
のでしょう。
位相反転基板 AP-144B 基板
出力トランス 022-150 OLM