長田(猫舌)のblog

主にギターアンプの解析、回路図の採取と公開を行っております。 回路図の公開は自身で読み取った回路図に限っており、主に国産のアンプを対象にしています。修理やメンテナンスなどにご利用ください。ただし公開している回路図は無保証です。内容の正確性には万全の注意を払っておりますが、誤記入や誤解の可能性は免れません。本サイトで公開している回路図によって生じた事故や損害については一切責任を負いかねますのでご了承願います。 また、電子回路とくに真空管に関する高電圧回路を取り扱っています。電子回路の知識や経験がない方が同様の作業をすると感電により生命に危険を及ぼすことがあります。同様な作業を行って生じた事故・傷害に対して当方は一切責任を負いません。

カテゴリ: Princeton

プリンス通信工業のアンプが続きますが、特に意図はありません。

Piggy シリーズは先の PS-70TR より後発のようです。
カタログを入手しているのですが、発行年が記載されていません。
発売当時は定価 ¥8,500 との記載があります。
以下、カタログからの転載です。

---- ここから ----
規格
・ パワー:1W (R.M.S) ・スピーカー:10cm
・インピーダンス:8 Ω ・インプット:ハイ、ロー
・コントロール:ボリューム、トーン
・アウトプット:ヘッドホーン
・電源電圧:AC100V 50/60Hz、乾電池単3X 8
・消費電力:AC2.4W DC2W
・乾電池消費時間:連続約3時間
・外形寸法:180(H)、190(W)、100(D) mm
・重量:1.4kg
・カラー:ブラック、アイボリー、イエロー、ブラウン
---- ここまで ----

ケース内部の回路を見てみます。

DSC00520B

シンプル、というか何と言うか。
能動素子は IC 一つだけ。日本電気 (NEC) のパワーアンプ IC,
uPC575C2 があるだけ。 uPC575C2 で電圧増幅も電力増幅も
してしまう設計になっています。
uPC575C2 はなんとかデータシートを入手できました。
電源 DC12V で最大 2W 出せる IC です。
当然製造終了の IC ですが、パーツ店を探せば在庫が残っている
かもしれません。私自身は地元のパーツ店に数十個の在庫があるのを
見つけてしまいました。まぁそんなに簡単に壊れることはないと
思いますが。

プリンス通信工業のミニアンプ PS-20 の回路図を採取したので
公開します。

ミニアンプで回路規模が小さいので回路図は1枚に収まりました。

DSC00510A

Ver. 20201101 初出

Ver. 20201102  uPC575C2 周辺を整理。

回路図

PNG:

PDF:


schematics PS-20.pdf

基板一枚に電源・プリアンプ・パワーアンプが全て収まっています。
電源スイッチはヴォリュームと兼用。これも昔(70年代くらいまで)の
家電に良くありました。
DSC00438D

DSC00442E

手前に細身のリバーブユニット。これはあとで開けて見ることにしてっと。
基板にアルミ板で放熱している部分(中央)があります。
このアルミ板を取り外すと現れるのがパワーアンプ IC、日本電気の
uPC571C 。

DSC00445F

14 pin の IC ですが、パッケージがちょっと見慣れない形をしています。
前にも述べたようにデータシートを入手できません。詳細が不明なので
左下のピンを 1pin と仮定して接続図を作りました。
ネットではいくつか同じような写真は転がっているのですが。

リバーブはスプリング1本のモデルでした。
DSC00447G

"R7" というスタンプが押してありましたが、型式なのか不明です。
ちょっと見慣れない造りのリバーブです。どこが作っていたのか。

回路図を採取した後、すべての電解コンデンサを新しいものと交換、
表面が劣化し割れていたマイラーコンデンサ(0.15uF)を交換。
改造されていた Low インプットとヘッドフォンジャックを元の位置に
戻し、つぎはぎになっていたスピーカーケーブルを取り替えました。
以上のメンテナンスを行い、動作を確認しました。
パワーアンプ IC uPC571C は故障しておらず正常に動作しました。

歪みに関する仕組みは一切ありません。 ギターからの信号は 2SK30A で
一段増幅したあと簡単なトーンコントロール(ノブひとつ)とボリュームを
通ったあと直接 uPC571C に入ります。uPC571C 内部で信号増幅も行っている
はずですが、詳しいことはなんとも言えません。
少なくともダイオードクリッパーなどは存在していません。

リバーブは単一スプリングなので効くには効くけど奥行きがあまりありません。
回路としては Guyatone のトランジスタによる回路と似た構成になっています。
2石増幅回路でドライブしていますが、トランジスタが 2SC945 という
ちょっと非力なものです。入力インピーダンスの高いリバーブを使っているから
でしょう。


トレモロは SPEED と INTENSITY のコントロールがあり、かなり良く
効きます。ただ INTENSITY をフルに上げると気持ち悪いくらいになります。
INTENSITY 5 ~ 7 くらいがちょうど良い。
回路図をみると増幅していないギター信号に直接トレモロをミキシングして
いますね。こりゃぁ、効くわね。

どちらかと言えば入門機にあたる低価格機種。
カタログ(発行年不明)によると定価 ¥16,000。

斜め前からの写真。
DSC00429A
正面からの写真ではわかりづらかったですが厚みが薄いのです。
とても軽くできています。

DSC00433B

背面パネルは昔テレビなどの家電にも使われていた厚紙のような材質。
ヤマハ も J シリーズあたりまでこの材質を使っていました。
音響的には良くはないと思いますが。

背面パネルを取り外すと
DSC00434C
回路が現れます。
スピーカーケーブルを何箇所か継ぎ足した改造がされていました。
なんだろうと調べてみると、あまり使わないであろう LOW  input ジャックの
場所にヘッドフォンジャックを入れ替えていました。
通常ならヘッドフォンジャックは背面にあります。
ヘッドフォンをしてギターを弾くには背面のジャックは使いにくかったのでしょう。
回路の中枢には手が入っていないので安心しました。

プリンス通信工業製造のトランジスタアンプ TS-70TR の
回路図を採取したので公開いたします。
Princeton というと Fender の真空管アンプを連想させますが、
プリンス通信工業のアンプに付けられたブランドです。
本体の写真はこちら。

DSC00424A

出力 7W (RMS) で日電の uPC571C という IC をパワーアンプとして
使用しています。この IC 、データシートも入手できていません。
よって回路図中では 14 pin IC の接続図として記載しています。
入手難なのでこれが壊れたら修理が困難になります。

ver. 20201027 初出

回路図

PNG :

電源 Power Supply

プリアンプ+パワーアンプ Pre-Amplifier and Power Amplifier


PDF:


schematics PS-70TR.pdf

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