資料がないので発売日やスペックの詳細を書くことができませんが、
70年代後半にはよく見かけたアンプです。
出力は 20W と推定されます。
入手した折には値札も兼ねたユーザー登録ハガキも付いており、
当時の定価が ¥ 32,000 であったことがわかります。
取扱説明書かと思ったのですが、ユーザー登録だけで価格以外に
情報がありませんでした。
コントロール。
左から、HI, LOW の入力ジャック、 HI TREBLE, TREBLE, BASS の
トーンコントロール、電源スイッチを兼ねた VOLUME, スイッチ付きの
DISTORTION, REVERB と並びます。右端は電源ランプとヘッドフォン
ジャック。
HI TREBLE コントロールがあるのが珍しい。PRESENCE のような
ものか?と思いましたが、NFB の帰還を調整するような回路では
ありませんでした。ただトーンコントロール回路のTREBLE, BASS とは
別回路になっています。
銘板以外なにもありません
銘板の下にスリットがありますが、これはパワーアンプ IC の放熱のために
あるようで、IC のアルミパッケージの一部が見えています。
背面パネルを外したところ。
ベースとなる鉄板にトランスや回路基板が取り付けられています。
キャビネットへの取り付けは上部4ヶ所のネジとトランス下の
ネジで固定されています。
スピーカーとキャビネット底のリバーブ。スピーカーは TEISCO の
スタンプと25331-1 の型式名、8Ω の表記。10インチ(25cm)。
残念ながらこの個体はスピーカーが断線していました。
リバーブは磁気式のシングルスプリング。メーカー名や型式の表記はなし。
パワーアンプ IC サンケンの SI-1020GL。
出力インピーダンス 8 Ω で 20W を出力します。
SI-1020 という型式は 70 年代前半からあって、
SI-1020A などは73年の「リニヤIC 規格表」にも掲載されています。
注意を要するのはサフィックス。SI-1020A や SI-1020G などの
規格やピン配列は SI-1020GL とは全く異なります。
例えば SI-1020GL は 8 pin ですが SI-1020A は 7 pin。
この IC が壊れていた場合、交換できるのは SI-1020GL だけという
ことです。当然「入手難」です。