長田(猫舌)のblog

主にギターアンプの解析、回路図の採取と公開を行っております。 回路図の公開は自身で読み取った回路図に限っており、主に国産のアンプを対象にしています。修理やメンテナンスなどにご利用ください。ただし公開している回路図は無保証です。内容の正確性には万全の注意を払っておりますが、誤記入や誤解の可能性は免れません。本サイトで公開している回路図によって生じた事故や損害については一切責任を負いかねますのでご了承願います。 また、電子回路とくに真空管に関する高電圧回路を取り扱っています。電子回路の知識や経験がない方が同様の作業をすると感電により生命に危険を及ぼすことがあります。同様な作業を行って生じた事故・傷害に対して当方は一切責任を負いません。

カテゴリ: YAMAHA

資料がないので詳しいことが言えないのですが、おそらく 80年代中盤の製品かと
思います。

DSC04778A

このアンプを取り上げたのは YAMAHA の F シリーズの後継機であることが
大きいです。
フロントパネルには "GIII SERIES" との記述があります。
この III が何かというと...
YAMAHA の海外輸出モデルには G シリーズの名前が使われていたようです。
最初の G50-112 は J シリーズの 50W モデル (J-55?) 、
G50-112 II として F50-112 が販売されており、
そして3代目のモデルが G50-112 III。
日本でもこのモデル名を採用して販売していたようです。
というわけで F50-112 の正統な後継機であると考えられます。

残念ながらこの機種の評判はあまり聞こえてきません。
F50-112 の後継機ならばそれなりのパフォーマンスはあると思いますが、
回路がどのように進展したのか、新しい仕様は何か、明らかにしたいと
思います。
最終的には修理・メンテナンスを行いリフレッシュしたアンプでの
音と操作感を試そうと考えています。

さて G50-112 III の各部を見ていきます。
前面コントロール。
DSC04779B

入力ジャックは A, B チャネル共通。上部の A/B スイッチでチャネル切り替え。
コントロールは左から A チャネル(クリーン)の VOLUME,
B チャネルの GAIN, MASTER VOL. が並びます。

DSC04780C

トーンコントロールは A, B チャネル共通。TREBLE, MIDDLE, BASS。
その隣、F シリーズから搭載されたパラメトリックイコライザー。
LEVEL, Q, FREQUENCY が並びます。LEVEL は 12時の位置で
 0 dB になるのは F シリーズと同様ですが、この位置でのクリック感は
ありません。F シリーズではセンタータップとセンタークリック付きの
特殊なポットが使われていたので代替が困難でしたが、この機種では
修理がしやすそうです。

また、パラメトリックイコライザーのコントロールの上部に LED による
インジケータがあることからもわかるように、専用フットスイッチで
パラメトリックイコライザーをキャンセルすることができます。
ただ、A/B 切り替えフットスイッチと共通のジャックを使う関係で
フットスイッチ周辺の回路が複雑になっています。
私が入手した個体には専用フットスイッチが添付していなかったため、
フットスイッチ内部の回路が不明です。

DSC04781D

F シリーズにはなかった PRESENCE コントロールが追加されています。
最後のコントロールは REVERB。

前面パネルに PHONES (ヘッドフォン) ジャックと FOOT SW ジャックが
搭載されています。

電源スイッチはプッシュスイッチ。

続いて背面。
DSC04760E

入手した個体では背面パネルがついていませんでした。
前ユーザーがヘビースモーカーだったのか、全体的にヤニがこびりついています。

DSC04766F

ヒューズは 250V 2A が指定されています。
AC アウトレット、GROUND スイッチ、スピーカー出力ジャック 1, 2 と
並びます。

電気製品としての銘板が印刷されています。
DSC04770J

"OZAWA KK"
実際に G50-112 III を製造したメーカーのようです。

DSC04768G

さらに進むと DIRECT OUT (LINE OUT)、PRE AMP OUT (SEND)、
POWER AMP IN (RETURN)、 REVERB コネクタ (To REVERB, From REVERB)。

DSC04769H

スピーカーは JA3111, 8Ω, R.M.S 60W, Peak 120W。

DSC04793K

リバーブは accutronics 4EB3C1B。リバーブ周辺は F シリーズと同様の
設置方法になっています。


YAMAHA G50-112 III の回路図を採取したので公開いたします。

DSC04754A

回路図
 
 20230109  初出
 20230116  エフェクト:RY-102 サーマルガードの型式 OHD-90M47 追加
 20230124  電源:電源電圧実測値記入
        パワーアンプ:TA7317P 名称訂正, R140 追加


  PNG:
    




  PDF:


schematics  G50-112 III.pdf

TA-20 のメンテナンスが終了しました。

今回はトランジスタの劣化が4ヶ所有り、部品の調達と調整に
時間がかかりました。

例によって初めに電解コンデンサを全部交換。
シャーシに直どめされているブロックコンデンサをどう交換するかは
毎回悩ましいところ。今回は 1000uF 75WV。
75V 耐圧の 1000uF は入手難なので、耐圧 80V か 100V のものを
通販サイトでさがします。ニチコン製 100V 1000uF を選択。
直径25 mm 高さ 30mm。充分小さいので基板上に搭載することにしました。

もとあったブロックコンデンサを撤去して
DSC04664C

基板にコンデンサ端子の穴をドリルで開けて取り付けます。
中央手前の黒いコンデンサが取り付けたもの。
DSC04667D

取り付けたスペースはもともとはスピーカーカップリングコンデンサ
500uF 50V (アキシャルリード)があった場所。
これを 470uF 50V に交換したところ、大きな空きスペースができたので
そこに置くことにしました。コンデンサに接続する配線が短くなりました。

電解コンデンサをすべて交換したところでテスト。
1kHz の正弦波信号を入力して音出しします。
なんだか動作が不安定。電源を入れてしばらく無音。少ししてから
スイッチが入ったように突然音が出はじめるという症状。
この症状はトレモロの変調用 FET 2SK17 を取り外すことで解決。
トレモロ回路がミュートになっていたようです。
この処置でトレモロは効かなくなりますが、それはあとで対処することに
してアンプの基本動作を確実にすることを優先します。

電源 ON と同時に音がでるようになりましたが、音量を上げると
12時の位置を越えると歪みが起こります。歪みといっても
ディストーションというようなものではなく、倍音成分が多くなって
ちょっと尖ったような音。
まだまだクリーンでなければならない範囲なのでおかしいなと思
っていましたが、しばらくすると音量を下げても歪みがでるように
なりました。
オシロでスピーカーからの電圧を観測すると正弦波の上半分がカット
された波形になっていました。終段トランジスタ 2SD92 の片方が
動作していないようです。

2SD92 
DSC04623A

終段トランジスタの故障が確定したので、プッシュプルを構成する2つの
トランジスタを交換します。2SD92 は入手難なので互換品を選びます。
CQ 出版社「トランジスタ互換表」を参照して 2SD1264 を通販で2個入手。
放熱版に次の写真のように取り付けます。
DSC04628B

これで動作が安定しました。歪みもありません。

ただトランジスタアンプで終段トランジスタを交換した場合、
アイドリング電流の調整が必要です。回路図では VR11 と VR12 を操作して
熱暴走を起こさない、かつゼロクロス歪みのない範囲に収めます。
なにも調整しない状態では無音のアイドリング状態でもかなりの発熱が
あります。
Final

R54 と R55 の両端の電圧をテスターで見ながら VR11 と VR12 を調整します。
アイドリング電流を 100mA に設定して15 分間 アイドリング電流の
変動を観測します。変動は大きくないものの、15分間で 20% ほど上昇。
ちょっと大きすぎたか。20mA に設定して15分経過後も電流変動も抑えられる
ことがわかったので、この設定で調整終了。

アンプの基本動作は正常になりましたが、リバーブとトレモロが効きません。
まずはリバーブ。
リバーブユニットのスプリングを手で揺らしてもスピーカーから音がしません。
OUTPUT 側のトランジスタ 2SC373 を 2SC1815 に交換。
再度スプリングを手で揺らすとスピーカーから音がでるので OUTPUT 側の
回路は正常になりました。
INPUT 側のドライブ回路もこわれているよう。
ドライブのトランジスタ 2SC893 を交換します。
トランジスタ互換表では 2SC3421 が指定されていますが、
2SC3421 も製造終了。現行品の互換品である TTC015B を使うことにします。 

DSC04659E

これでリバーブが効くようになりました。

最後にトレモロ。
トレモロの変調部の FET 2SK17 をすでに取り外していますが、
これの代替として 2SK118 を使いました。2SK30A の小型パッケージ版。
取り替えると以前とは異なりアンプの基本動作を邪魔してはいませんが
トレモロ自体は動作しませんでした。

Tremolo-2

オシロで観測するとトレモロの低周波発振回路は正常に動作していましたし、
FET のゲートまで発振電圧が加わっています。
問題はFET のバイアス。トレモロの変調深さ(DEPTH) を FET のバイアス電圧で
変化させるという方法なので、 FET が変わると動作点が変わります。
色々と対処しましたが最終的には R40 の 330kΩ の抵抗を 0.1uF のコンデンサに
交換することでトレモロを正常動作させることができました。
バイアス電圧を設定するために VR8, VR9、さらに DEPTH の VR5 を
使っているわけですが、低周波発振回路からの直流電圧分も加わるという
回路になっています。低周波発振回路の直流電圧が低いのでバイアス電圧を
引き下げ 2SK118 では常に OFF になってしまったようです。
0.1uF のコンデンサで低周波発振回路からの直流分をカットし
バイアス電圧を引き上げることにより動作するようになったようです。 

時間がかかりましたが、メンテナンス終了です。

同じメーカーの同じ時期に開発された出力違いのアンプであれば
出力の大きいアンプは終段トランジスタに加わる電源電圧が大きいのが
当たり前。なのでプリアンプやリバーブ、トレモロなどの回路は同一で、
電源関係(電源トランス、平滑コンデンサ)と終段トランジスタおよび周辺が
変わる、と考えてよいでしょう。
おなじ YAMAHA の F50-112 と F100-112 の回路を比較すると上記の
意味がわかると思います。

今回の TA-20 に関しては TA-30 のパワーダウン版とは一概に言えません。
この2機種がリリースされる間(おそらく1、2年の間)にトランジスタ回路の
応用技術が進んだようです。

まずは TA-20 の初段プリアンプの回路を示します。
FirstStage
直流フィードバックがかかった2石直結回路です。
TA-30 で使われていた3石直結回路をシンプルにしたもの。TA-30 では
「増幅回路」にことごとく3石直結回路が使われていたのに対し、
TA-20 では場所(プリアンプ、リバーブドライブ、リバーブ受信)ごとに
適切なトランジスタ回路構成が選択されています。
推測ですが、トランジスタ素子がゲルマニウムからシリコンへ移行し、
信頼性が向上したことに起因するのではないかと考えています。
TA-30 でもシリコントランジスタが使われていましたが、まだ不慣れだった
ため、安定性重視の回路構成を選んだのかと思います。

TA-30 では初段回路ののち、トーンコントロール回路を通過して
2段目の3石直結回路で再度信号レベルを上げてパワーアンプに渡すという
構成を取っていました。
これに対し TA-20 では2段目がなく、初段のあとトーンコントロールを
通ってそのままパワーアンプにつながっています。
初段で充分なゲインを稼ぐことができたということでしょう。
もっと詳細な解析と実際の使用感による比較が必要ですが、
現時点ではこのように推測しています。

リバーブドライブ回路には2段の直結回路が使われています。

ReverbDrive


トレモロ回路は変調方法が独特です。
Tremolo-2

低周波発振回路自体は真空管時代の回路をトランジスタに置き換えただけの
回路ですが、FET 2SK17 を使って初段からの信号を変調しています。
TA-30 ではフォトカプラを使っていた部分ですね。

最後にパワーアンプ。
トランス結合による位相反転段を使っていることは TA-30 と同じですが、
バイアス回路が整理されていることがわかります。

Final
それ以外の抵抗などのパラメータはほぼ TA-30 と同じ。
パワーアンプに関してはTA-30 で実績のある回路をベースに、ということでしょう。

シャーシ内の回路を見てみます。

DSC04615C
電源部。
ヒューズとブロックコンデンサ、電源スイッチ基板。
ヒューズは主電源とスピーカー出力保護の2つが搭載されています。
写真手前にスピーカー出力保護用、その奥に主電源用が配置されています。
ブロックコンデンサは 1000uF 75WV。
電源スイッチ基板には中点オフの2回路2接点スイッチの他に
3つのオイルコンデンサが配置されています。スパークキラーと筐体との
交流接地のためのもの。 私が入手した TA-30 ではこの部分のオイルコンデンサが
破裂していました。オイルコンデンサは高耐圧(630V) のフィルムコンデンサに
交換します。

DSC04612A

メイン基板 LC0590-7 の左半分と電源トランス、終段トランジスタ 2SD92 の接続。
ヤマハらしいカラフルな配線です。ピンク色はカラーコードにはありませんが、
紫の代用でしょう。メンテナンス中にこれらの配線が接続部でよく切れるので
順番を間違えないよう撮影しています。
基板左のアキシャルリードの電解コンデンサはスピーカー出力の直流カット用途の
500uF 50WV。今となってはそれほど大きな容量ではありません。
アキシャルリードは入手が限られるのでラジアルリードに変更する予定。
基板上にラジアルリードの電解コンデンサが2つ見えますが、経年変化のため
熱収縮チューブが収縮しているのがわかります。交換対象です。

基板上に半固定抵抗が2つ見えますが、この2つはVR11 と VR12 で終段トランジスタの
バイアス電圧を設定します。

DSC04614B
メイン基板の右半分。
こちらにも半固定抵抗が3つ。ドライブ段のゲイン調整とトレモロデプスの
上限と下限の設定。

DSC04617D

メイン基板 LC0590-7 の部品面。
すっきりと一枚の基板に電源、プリアンプ、パワーアンプが収まっています。
入力ジャック3つとポット6つが基板上に配置されているのがわかります。
基板上に配置されているため、ポットの端子形状が特殊なものになっています。
同じ端子形状はおそらく入手できないと思いますが、ポット自体の交換は
端子からワイヤで基板に接続すればよいので特に困難はないと思います。

TA-30 と同様にドライブ段の位相反転トランスがあります。
先日の UNIVOX U65RC も同様なトランス結合を使っていました。
トランジスタのパワーアンプ回路方式が進歩するにつれて
使われなくなった方式です。

DSC04620F

メイン基板半田面。
グリーンレジストが施されています。70年代に製造された基板だろうと
推測します。

ヤマハの70年代初頭の台形アンプです。
以前、TA-30の回路図と記事を投稿しましたが、ヤマハは
ギターアンプとして TA-60, TA-30 を発売したのちに TA-20 を
追加発売したようです。
このシリーズの大きな特徴はグランドピアノ形と呼ばれる平面スピーカーを
搭載していることで、TA-30 での生音(?) の存在感は他にないのものでした。
平面スピーカーを2基搭載している TA-60 も機会があれば解析したいところ
ですが、なかなかお目にかかることはありません。

さて、今回の TA-20 ですが TA-30 と比較してみるといろいろと変わっています。
TA-30 が発売されたあと TA-20 が発売されるまでの間に、
回路設計やコスト面にずいぶん改良がされているのがよくわかります。
これを書いている時点では TA-20 のメンテナンスが終了していないので
音がどのように変わったか変わらないのかは言えないのですが、
興味深いところです。

TA-20 は単一チャネルのアンプです。
コントロール部
DSC04568A
左から入力ジャック1、2、3。
コントロールは VOLUME, BASS, TREBLE, REVERB, FREQUENCY, DEPTH。
リバーブとトレモロが装備されているのはこの時期の標準的構成です。
ノブは削り出しではないと思いますがアルミ製。ローレットの溝をアルミに
刻むという手の込みよう。

背面

DSC04571B

上部シャーシに AC OUTLET、Foot SW として TREMOLO, REVERB の
2つのジャックを装備しています。

背面パネルを外します。

DSC04577C

上部に大きな放熱版があり、終段トランジスタ 2SD92 が2個搭載されています。
2SD92 のプッシュプルは TA-30 と同じ。
TA-30 でがプリアンプ+操作部と電源+パワーアンプが上下に分かれていましたが
TA-20 では回路は上部に集約されています。


DSC04579D
平面スピーカー JA4002  8Ω 20W。
TA-30 では JA4001 8Ω 30W だったので違う規格のようです。
平面スピーカーの取り付け方法も鋭角部が上になっている点が
TA-30 と異なります。音の広がりに差がでるでしょうか。

DSC04580E
リバーブユニットはアンプ底部に配置され、木箱と背面パネルで保護されて
います。
リバーブユニットはアンプ底面と橙色のスポンジを挟んで取り付けられています。
外部からの振動がリバーブに伝わらないようにスポンジを設置しているのですが、
スポンジが経年劣化で硬く脆くなっています。交換が必要です。

1980 年5月の YAMAHA Guitar Amplifier CATALOG '80 から抜粋
DSC04592A

--- ここから ---
F100-112 ¥100,000
サウンドの魔術。パラメトリックイコライザーによってどんな音色も思いのまま。
30cm スピーカーをマウントした 100Wrms タイプ。

パワー:100Wrms(200W peak)、計測条件 スピーカー 8Ω 10%THD
スピーカー:30cm (JA3062, 8Ω) x 1
インプット:2ch(A, B) 2in (HIGH, LOW)
入力感度・インピーダンス:HIGH A (-38dB・1MΩ), HIGH B (-52dB・1MΩ),
  LOW A (-26dB・60kΩ), LOW B (-40dB・60kΩ) ただし 0dB = 0.775V,
  計測条件 VOLUME &TONE max, PULL FAT & PULL BRIGHT off, 
  EQUALIZER flat, at 1KHz
アウトプット:SPEAKER OUT (phone jack) x 2,
  DIRECT OUT (phone jack, -20dB for 600Ω LINE UNBALANCED)
  ただし 0dB = 0.775V,
フットスイッチジャック:A/B SELECT, REVERB
コントロール:A・VOLUME, PULL FAT,  B・GAIN, PULL FAT, MASTER VOL.,
A & B・TREBLE, PULL BRIGHT, MIDDLE, BASS,

PARAMETRIC EQ (LEVEL, Q, FREQUENCY), REVERB, A / B SELECT SW
定格電源電圧・周波数:100V・50 / 60 Hz
定格消費電力:90W
サイズ:53.0 W x 45.0 H x 27.0 D cm
重量: 21kg
付属品:VINYL COVER, FOOT SWITCH

--- ここまで ---


1980 年5月の YAMAHA Guitar Amplifier CATALOG '80 から抜粋
DSC04595A

--- ここから ---

F50-112 ¥79,800
50Wrms のパワーとマキシマムなサウンドファンクションをコンパクトにパッケージ。
30cm スピーカーをマウントしたハイパフォーマンスモデル。

パワー:50Wrms(100W peak)、計測条件 スピーカー 8Ω 10%THD
スピーカー:30cm (JA3066, 8Ω) x 1
インプット:2ch(A, B) 2in (HIGH, LOW)
入力感度・インピーダンス:HIGH A (-46dB・1MΩ), HIGH B (-58dB・1MΩ),
  LOW A (-34dB・60kΩ), LOW B (-46dB・60kΩ) ただし 0dB = 0.775V,
  計測条件 VOLUME &TONE max, PULL FAT & PULL BRIGHT off, 
  EQUALIZER flat, at 1KHz
アウトプット:SPEAKER OUT (phone jack) x 2,
  DIRECT OUT (phone jack, -20dB for 600Ω LINE UNBALANCED)
  ただし 0dB = 0.775V,
フットスイッチジャック:A/B SELECT, REVERB
コントロール:A・VOLUME, PULL FAT,  B・GAIN, MASTER VOL.,
A & B・TREBLE, PULL BRIGHT, MIDDLE, BASS,

PARAMETRIC EQ (LEVEL, Q, FREQUENCY), REVERB, A / B SELECT SW
定格電源電圧・周波数:100V・50 / 60 Hz
定格消費電力:90W
サイズ:53.0 W x 45.0 H x 27.0 D cm
重量: 18kg
付属品:VINYL COVER, FOOT SWITCH

--- ここまで ---

すこし間が開きましたが F100-212 の続編です。

回路図が完成したらあとはメンテナンス。
主に電解コンデンサーの交換を行います。対象となるのは

電源基板 LC83361 :  8 個

ブロックコンデンサ: 2200uF 160WV  2個

メイン基板 LC83381:24 個 うち無極性 10 個

Ach 基板 LC83391: 5 個 うち無極性 3 個

パワーアンプ基板 LC83341:7 個 うち無極性 1 個

合計 48 個の電解コンデンサ。


私の場合、よく使うものは 10 個単位でまとめ買いをしているので
基板上の小さなコンデンサはだいたい揃っています。
ただ電源部の高電圧大容量のものやブロックコンデンサはアンプごとに
使っている耐電圧や容量が変わってくるので通販に発注することになります。

DSC04473A

今回はブロックコンデンサ2本(電源平滑用、スピーカー出力用)の
2200uF 200V を発注しました。

コロナ禍で半導体が不足しているという話はよく聞きますし、
実際に通販業者でも長いこと入荷待ちになっている IC も見かけます。
この状況は電子部品でも同様なようで、2200uF 160V や 2200uF 200V の
電解コンデンサが在庫切れ続出。ようやく 2200uF 200V を2つ見つけて
発注しましたが、到着まで時間がかかりました。

待つしかないので、ブロックコンデンサ以外の基板上の電解コンデンサの
交換を先行して行いました。注意すべき点はヤマハの F シリーズでは
信号の通路に無極性 (BP) の電解コンデンサを多用していることです。
F100-212 では 14 個使っています。間違えて極性のある普通の電解コンデンサを
取り付けないように注意すべきです。容量自体は大きなものではないので、
1uF 50V などの無極性電解コンデンサを多めに揃えておくと良いです。
基板上の電解コンデンサ 計46個を交換するのに 2時間程度かかりました。

本日届いた電解コンデンサ 2200uF 200V がこちら。
F100-212 についていたブロックコンデンサ 2200uF 160WV と比べてみます。
DSC04477B

1979年のころの電解コンデンサと比べると 1/2 以下の大きさになっている
ことがわかります。でも本来ならもっと小さい電解コンデンサが入手できた
はず。

幸か不幸か。不幸なのは電解コンデンサ1本に ¥1,200 かかったということ。
送料込みで 2 本で ¥3,000 超。
幸いなのはもともとのブロックコンデンサと同じ直径 35 mm であること。
ブロックコンデンサに付いていたコンデンサバンドを流用して
設置することができます。
取り付けた写真がこちら。

DSC04480C

とりあえず、これでメンテナンス終了。

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