資料がないので詳しいことが言えないのですが、おそらく 80年代中盤の製品かと
思います。
このアンプを取り上げたのは YAMAHA の F シリーズの後継機であることが
大きいです。
フロントパネルには "GIII SERIES" との記述があります。
この III が何かというと...
YAMAHA の海外輸出モデルには G シリーズの名前が使われていたようです。
最初の G50-112 は J シリーズの 50W モデル (J-55?) 、
G50-112 II として F50-112 が販売されており、
そして3代目のモデルが G50-112 III。
日本でもこのモデル名を採用して販売していたようです。
というわけで F50-112 の正統な後継機であると考えられます。
残念ながらこの機種の評判はあまり聞こえてきません。
F50-112 の後継機ならばそれなりのパフォーマンスはあると思いますが、
回路がどのように進展したのか、新しい仕様は何か、明らかにしたいと
思います。
最終的には修理・メンテナンスを行いリフレッシュしたアンプでの
音と操作感を試そうと考えています。
さて G50-112 III の各部を見ていきます。
前面コントロール。
入力ジャックは A, B チャネル共通。上部の A/B スイッチでチャネル切り替え。
コントロールは左から A チャネル(クリーン)の VOLUME,
B チャネルの GAIN, MASTER VOL. が並びます。
トーンコントロールは A, B チャネル共通。TREBLE, MIDDLE, BASS。
その隣、F シリーズから搭載されたパラメトリックイコライザー。
LEVEL, Q, FREQUENCY が並びます。LEVEL は 12時の位置で
0 dB になるのは F シリーズと同様ですが、この位置でのクリック感は
ありません。F シリーズではセンタータップとセンタークリック付きの
特殊なポットが使われていたので代替が困難でしたが、この機種では
修理がしやすそうです。
また、パラメトリックイコライザーのコントロールの上部に LED による
インジケータがあることからもわかるように、専用フットスイッチで
パラメトリックイコライザーをキャンセルすることができます。
ただ、A/B 切り替えフットスイッチと共通のジャックを使う関係で
フットスイッチ周辺の回路が複雑になっています。
私が入手した個体には専用フットスイッチが添付していなかったため、
フットスイッチ内部の回路が不明です。
F シリーズにはなかった PRESENCE コントロールが追加されています。
最後のコントロールは REVERB。
前面パネルに PHONES (ヘッドフォン) ジャックと FOOT SW ジャックが
搭載されています。
電源スイッチはプッシュスイッチ。
続いて背面。
入手した個体では背面パネルがついていませんでした。
前ユーザーがヘビースモーカーだったのか、全体的にヤニがこびりついています。
ヒューズは 250V 2A が指定されています。
AC アウトレット、GROUND スイッチ、スピーカー出力ジャック 1, 2 と
並びます。
電気製品としての銘板が印刷されています。
"OZAWA KK"
実際に G50-112 III を製造したメーカーのようです。
さらに進むと DIRECT OUT (LINE OUT)、PRE AMP OUT (SEND)、
POWER AMP IN (RETURN)、 REVERB コネクタ (To REVERB, From REVERB)。
スピーカーは JA3111, 8Ω, R.M.S 60W, Peak 120W。
リバーブは accutronics 4EB3C1B。リバーブ周辺は F シリーズと同様の
設置方法になっています。