長田(猫舌)のblog

主にギターアンプの解析、回路図の採取と公開を行っております。 回路図の公開は自身で読み取った回路図に限っており、主に国産のアンプを対象にしています。修理やメンテナンスなどにご利用ください。ただし公開している回路図は無保証です。内容の正確性には万全の注意を払っておりますが、誤記入や誤解の可能性は免れません。本サイトで公開している回路図によって生じた事故や損害については一切責任を負いかねますのでご了承願います。 また、電子回路とくに真空管に関する高電圧回路を取り扱っています。電子回路の知識や経験がない方が同様の作業をすると感電により生命に危険を及ぼすことがあります。同様な作業を行って生じた事故・傷害に対して当方は一切責任を負いません。

カテゴリ: YAMAHA

アンプ上部 プリアンプ部 TA-95 を見てみます。

DSC05422A

DSC05425B

右端にあるのが電源スイッチが搭載されている LC1185-2 基板。

手前にあるのがリバーブユニットNB1662。
2スプリングですね。YTA-45 に搭載されていたものと同一です。

中央奥にある基板がチャネル1プリアンプ基板 LC1187。
これも YTA-45 と同じ。ただし基板の右側にある BRILLIANCE スイッチに
接続されて機能が追加されています。
それ以外は回路定数もほぼ同じです。

DSC05427C

トレモロ基板 LC1216-1 基板。これも YTA-45 と同じ。
右にある二連ボリュームはリバーブコントロールでリバーブ回路の
入力と出力を同時にコントロールしています。
隣にあるスイッチは TREMOLO / WAW WAW 切り替えの4回路3ポジション
スイッチ。CH1, CH2 の BRILLIANCE スイッチと同じものです。
トグルスイッチというよりもスライドスイッチのような構造。
この結線を回路図に直接記述することもできるのですが、ロジックが
わかりにくくなります。そこで今回作成した回路図ではロジックを簡潔化して
3接点のロータリースイッチに置き換えて記述しています。
(BRILLIANCE スイッチも同様)

DSC05428D

CH2 のプリアンプ部も LC1187。
CH1 と回路定数も同じですが、唯一違っている点が BRILLIANCE スイッチの
接続。違いはプリアンプ部の回路図で CH1 と CH2 を比較するとわかりますが、
これが CH1 と差別化するためかどうかはよくわかりません。
ただ単なる接続ミスなのかもしれません。

DSC05429E

リバーブ-WAW 基板 LC1190-2。
基板の右側がリバーブ回路、左側が WAW WAW 回路と分離しています。
リバーブ回路は YTA-45 の LC1226-1 の回路と同じ。
リバーブドライブの IC 松下 AN274 も同じ。
WAW WAW 部 左上にシールドされたインダクタ L301 があります。
これと C を接続して共振回路を構成して WAW で強調する周波数帯を
作ります。残念ながら基板から取り外さないと正確な値が測定できないので
インダクタンスを計測していません。
後日測定して回路図に記入することにします。

DSC05449F

背面パネルに取り付けられているドライブ基板 LC1227-3。
これまで見てきた CH1, トレモロ、リバーブ、WAW、CH2 からの信号を
ミキシングし、一段増幅してパワーアンプに渡します。
ミキシングと言ってもコネクタ部の配線で合成しているだけで、ミキシングの
ための回路というものはありません。信号の取りまとめ、と言った方が妥当です。

YTA-45 でもそうだったのですが、 CH1 と CH2 の回路基板は全く同じなのですが、
機能の追加や差別化をコネクタ部の配線で実現しています。
なのでコネクタ部に接続されている線の色などの情報は重要です。
特に基板の表と裏を参照しながら作業しているとハンダづけの根本で配線が
切れることが多発します。
作業を開始するまえにコネクタ部の意味(I1 とか T2 とか) と配線の色を
記録しておくことが必須です。少なくともデジカメで撮影して記録しておくべきです。

年明けから YAMAHA のアンプばっかり解析しています。
G50-112, YTA-45, F100B, J-95 そして今回の YTA-95。
いずれも規模の大きなアンプで回路の解析に相当の時間がかかるので
完遂するまで根気が必要でした。70〜80年代の YAMAHA アンプの
技術的な流れを理解する意図があったわけですが、さすがに疲れました。
YAMAHA のアンプには 50W機と 100W機の系列があるのですが、100W 機の
系列はだいたい押さえたと思っています。あと後継の G100-112 III や
G100-212 III を解析できればと思いますが、あまり焦る必要もないでしょう。
とりあえず YAMAHA の解析は一段落したいと思います。

YTA-95 のコントロールパネルを見てみましょう。
まずは CHANNEL 1
DSC05397A

左から電源スイッチ、パイロットランプがあり、続いてチャネル1のコントロール。
HIGH, LOW の入力ジャック、 BRILLIANCE スイッチ、 VOLUME, BASS, MIDDLE,
TREBLE, REVERB と並びます。
続いて TREMOLO / WAWWAW の切り替えスイッチ、INTENSITY, SPEED。
INTENSITY と SPEED が TREMOLO のコントロールであることはわかります。

謎なのはスイッチで切り替えられる WAW WAW 。どんな使い方をするんだろう?
種明かしをしてしまいますと、トレモロに使われている低周波発振回路 LFO で
WAW WAW のフィルターを変化させるという仕様です。
トレモロは入力されたギターの音の音量を LFO で変調させる効果です。
それに対し、この WAW WAW は強調する周波数帯域を LFO で変化させる
というものです。つまり WAW の効果が SPEED で指定されたテンポで
常にかかっている状態になります。オートワウとは違った効果になります。
この記事を書いている時点では YTA-95 のメンテナンスも完了し、WAW WAW も
問題なく動作しております。でも実際動作している状態を知らないと謎な機能でした。
背面パネルに TREMOLO / WAWWAW フットスイッチのジャックがありますが、
そこにボリュームペダルをつないで CRY BABY のように使うのか? とも
考えましたが違ったようです。

CHANNEL 2 のコントロール
DSC05398B
HIGH, LOW の入力ジャックと BRILLIANCE スイッチ、VOLUME,
BASS, MIDDLE, TREBLE。
いたってオーソドックス。

背面。
DSC05400C
TA-30 や YTA-45 で見られた電源コードの収納スペースがあります。

DSC05405D
背面操作パネルにあるのは左から AC アウトレット、 REVERB フットスイッチ、
TREMOLO / WAWWAW フットスイッチ、SIG OUT ジャック。

背面パネルを外して内部を見てみます。
DSC05408E

スピーカーは JA3052A x 2。YTA-45 についているものと同じアルミダイキャスト
フレームのオリジナルスピーカー。

底面に取り付けられているシャーシには電源回路とパワーアンプ回路が
組み込まれています。
DSC05411F

アンプ上部にはプリアンプや各種エフェクトが集約されていますが、
それらの基板との配線の接続は基板右側の黒くて丸いコネクタを
介して行われています。真空管のオクタルソケットを使ったコネクタです。

DSC05414G

電源トランス GA0199。
右下に見えるのが商用電源の電圧切り替え。ピンを外したところです。

DSC05415H
電源+パワーアンプ部の基板 LC1136-4。
YTA-45 と同じ基板ですが、一部空きパターンがあります。
パワーアンプの電源 +C を作るダイオードブリッジが大型になったことと
放熱のため基板外に取り付けてあるためです。

シャーシ内部
DSC05418K
前述のダイオードブリッジが手前中央のシャーシ側面に取り付けられて
いることがわかります。

DSC05480A

ヤマハのギターアンプカタログ(年代不詳;1972年頃?)から YTA-95 の仕様を抜粋します。

--- ここから ---

YTA-95
現金価格=¥98,000
ビルトインタイプ
●構成=プリアンプTA-95 x 1・メインアンプ・スピーカー
●出力=100W
●チャンネル=2
●トーン=バス/ミドル/トレモロ
●効果=ブリリアンス/リバーブ/トレモロ/ワウワウ(深さ)・ワウワウ(スピード)(チャンネル1のみ)
●スピーカーボックス=メインアンプとスピーカー(コーン型 JA-3052A x 2)
●フットスイッチ=リバーブ/トレモロ/ワウワウ
●寸法:間口713mm/高さ516mm/奥行260mm/重量27kg
●外装=レザー仕上げ
--- ここまで ---

ワウワウ? ギターアンプに内蔵?
謎仕様です。
スピーカーは YTA-45 と共通の JA-3052A x 2。
J-95 についていたのは JA-3057 x 2。

カタログには同時期のモデルとして YTA-200, YTA-100, YTA-45,
ロータリーアンプ RA-50, ベースアンプ YBA-100 、
ミキシングマシン YES-900, YES-600 が掲載されています。
YTA シリーズの YTA-25 や YTA-15 は発売されていない時期のようです。

YAMAHA YTA-95 の回路図を採取したので公開いたします。

DSC05385A

回路図

  20230408  初出
  20230409  プリアンプ: C103, C104 修正
         リバーブ;C311 修正
         トレモロ+ワウワウ:C334, C335, C336 重複修正
                   C501, C504 修正

   PNG:
     

     リバーブ  Reverb



   PDF:


schematics  YTA-95.pdf

J-95 のディストーション回路を示します。

distortion

ディストーションの機能が付いたのは J シリーズから。
2石直結回路で増幅したあとダイオードクリッパで歪みを作り、
プリアンプ1段目(前段)の信号とミキシングする回路になっています。
DISTORTION コントロールがこの回路の入り口のところにあるのが
特徴でしょうか。入力信号をコントロールすることにより
歪みの度合いを調整することができるので、クリーントーンと
ミキシングするには都合がよいのでしょう。

ミキシングする部分はこちら
bright

R109 の手前でディストーション回路に送られた信号が VOLUME の
手前でミキシングされています。

また、BRIGHT コントロールは通常のブライトスイッチのスイッチを
250kΩ C カーブのポットに替えた構成になっています。

リバーブドライブ部

reverb drive

リバーブユニットは Accutronics 4AB2C1A。入力インピーダンス 8 Ω の
負荷をドライブするにはそれなりの出力を持ったアンプを使わなければ
なりません。AN374 は最大出力 1.3W のアンプ。定格電源電圧は 16V。
CQ出版「最新リニヤIC 規格表 '80」pp.119 にデータが掲載されています。
やはり入手困難。
代替するとなると出力がやや小さくなるものの LM386 でしょうか。
電源電圧が 12V までなので余裕がありませんが。キャンパッケージの
10 ピン(円形配列)の代替なので基板への実装方法に苦労しそう。

この記事を書いている時点では J-95 のオーバーホールも終わり、
通常に音出しができている状態になっています。
感想としては「月並み」という言葉が思い浮かびました。
J-95 を試奏しますがどうしても F100-212 と比べてしまいます。
アンプとしては 100W機としての迫力には充分な性能があるのですが、
TA-30 や YTA-45 にあった YAMAHA の独自性がなくなったように思えます。

背面パネルを外してみます。
DSC05155G
左からパワーアンプの終段トランジスタ 2SC1080 x 2 と放熱フィン、
ブロックコンデンサ 2200uF 80WV, 2200uF 100V、電源トランス GA-0245。

シャーシをキャビネットから外します。
DSC05171M

DSC05168M

背面からは見えませんでしたが、Accutronics 4AB2C1A がシャーシ底面に
搭載されています。この頃から YAMAHA の 100W機には Accutronics が
使われていたんですね。

パワーアンプユニットが F シリーズと同様に放熱フィンと一体になって
搭載されているのがわかります。

パワーアンプユニットを外します。
DSC05172N

F シリーズでも使われていた 6 ピンのコネクタで電源基板と接続します。
ピンの構成も F シリーズと同じ。電気的互換性があると思いますが、
取付位置など寸法まで比較していないので取り替え可能かどうかは断言しません。

シールド板を外してパワーアンプの中身を見てみます。
DSC05174P

F シリーズとよく似た構成です。こちらの方が大きめのトランジスタが
使われています。
半固定抵抗による調整箇所が3つ。左から VR303 220ΩB IDLING,
VR301 470kΩB C.VOLT,  VR302 4.7kΩB WAVE。
IDLING などの名称は F シリーズの該当する半固定抵抗のものに
準じて呼んでいます。役割は同じです。

さてシャーシの中の回路を見てみましょう。
全体。
DSC05159H

電源基板。
DSC05162K
F シリーズでは電源 ON / OFF 時に「ボン」となる雑音をカットする回路
(デポップ回路)が電源回路に搭載されていましたが、J-95 にはありません。
その分、電源基板がシンプルになっています。

上の写真で CH1 のプリアンプ基板 LC80123 の半田面が右上にあります。
基板を固定しているポットのネジを外して部品面を見ます。
DSC05217Q

ディスクリート構成のプリアンプです。
唯一の IC はリバーブドライブの 松下 AN374。
DSC05219R
YTA-45 や TA-30 では同じ松下の AN274 が使われていました。
入手困難な部品はこれだけのようです。

CH2 のプリアンプ基板 LC80113。
DSC05164L
部品面。
DSC05289S
TA-30 で至る所に使われていた 3石直結回路がここでも見られます。
トランジスタが三つ並んでないか探すようになってしまいました (^^;)
CH1 にも1箇所 3石直結回路があります。これ以降のモデル J-25 や
F シリーズ、 JX シリーズでは見られなくなります。

J-95 のフロントパネル
DSC05137A
左から POWER スイッチ、パイロットランプ、
CHANNEL1 の HIGH, LOW の入力ジャックが並びます。

この個体は HIGH ジャックにプラグを挿したまま前方向に倒したようで
パネルが曲がっています。

この BLOG では何度も書いておりますが、J-15 を除く J シリーズは
電源スイッチが左端にあります。

チャネル1のコントロール
DSC05134
VOLUME, BASS, MIDDLE, TREBLE, BRIGHT, DISTORTION, REVERB。
DISTORTION コントロールは ヤマハでは J シリーズのみ搭載された
機能。ハードロック全盛期の仕様です。
ちょっと独特なのは BRIGHT コントロール。BRIGHT スイッチでは
なく効き具合を調整することができます。回路的には BRIGHT スイッチの
スイッチの代わりに 250kΩ C カーブのポットがついているだけの
シンプルなものですが使ってみると意外にはっきりと高音の調整ができます。
ただこの機能は他の機種では見られないものです。

チャネル2のコントロール
DSC05136C
HIGH, LOW の入力ジャック、BRIGHT スイッチ、VOLUME, BASS,
MIDDLE, TREBLE。
当然(?)ながら CH2 ではリバーブは効きません。

背面
DSC05142D

スピーカーは二本、パラレル接続なのでインピーダンスは 4 Ω。

DSC05147E

背面操作パネルは左から REVERB, DISTORTION のフットスイッチ、
REC OUT ジャック、一次側(PRIMARY) のヒューズ 3A,
二次側(SECONDARY)のヒューズ 3.5A、AC アウトレット。

DSC05151F
スピーカーは12 インチ JA-3057 x 2。
YTA-45 の JA-3052A と同様、アルミダイキャストフレーム。
ALTEC や Electro Voice に代表されるダイキャストフレームに比べると
フレームの肉が細く薄いので、よく見ないとダイキャストと気づきにくいです。
フレームの形状は TA-30 や TA-20 などの平面スピーカーの面影が
あります。軽量化のために薄肉にしているわけではなさそう。

最近、YAMAHA のアンプを重点的に解析しています。
TA-30 とか YTA-45 のミッドレンジが豊かな独特の音質が
Fシリーズ(F50, F100) との共通点であることに気がついてから
YAMAHA の歴代のアンプを調べることにしました。

J シリーズにも興味を覚えるようになりました。
これまで J-25, J-15 の解析は行なっていますし、回路図を採取して
いないものの J-35 も回路構成を眺めたこともあります。
私のように高校生時代を 70年代中盤に過ごしたものにとっては
YAMAHA J-25 というのはAM ラジオ放送のコマーシャルで宣伝していた
モデルで、ギターアンプが高校生にも手に入る価格になったという
画期的なものでした。(とはいえ、ギター本体を買うことで精一杯で、
アンプにまでは気が回らなかったのですが。)
そんな時代を経験しているので、J シリーズといえば J-25 を思い浮かべ
てしまいます。
J-25 や J-35 を弄って J シリーズを知ったつもりになっていました。

F50-112 や F100-212 などが海外では G50-112 II, G100-212 II として
売られていたという情報を BLOG のメッセージで頂きました。
後継の G50-112 III に興味が湧いて先日入手して解析しました。
とすると G100-212 I に相当するのは...  J-95 とか J-105 なのか?
とつらつら考えているうち、J シリーズの 50W, 100W 機の解析を
すべきではないかと考えるようになりました。
そこで今回の J-95 です。

1975年7月の YAMAHA Jシリーズのカタログ
DSC05297A

渋いですねぇ。表紙は Buddy Guy !!

DSC05300B

コンボタイプのみ掲載しているようで、セパレートタイプは別のカタログ。
まだ J-25 や J-35 などの入門機はリリースされていない時期のようです。

掲載されているのは J-45, J-55, J-65, J-75, J-85, J-95, J105, J-115, J125 の
9機種。慣例からすると型番が出力(ワット数)を示すように思われそう
ですが、出力は 50W と 100W しかありません。
J-45, J-55, J-65, J-75 が 50W機。
J-85, J-95, J-105, J-115, J-125 が 100W機。
これらの違いは入力チャネルの数、スピーカーの種類によってクラス分け
しているようです。なのでモデル間の価格差があまり大きくありません。
これらの機種のどれかが G50, G100 に相当するのでしょう。
今回解析した J-95 (¥115,000) と J-85 (¥120,000)  の違いは入力2チャネル
と 1チャネル、スピーカー JA3057 と JA3059 の2点、J-105 (¥125,000)
との違いは JA3057 と JA3059 の違いのみのようです。
価格からするとJ-95 の JA3057 より JA3059 の方が格が上のようです。
J-115 と J-125 が15インチスピーカー1本の 115 仕様なので
G100-212 I は J-85, J-95, J-105 のどれかでしょう。
ただ YAMAHA の 1976年7月のカタログでは
J-25, J-35, J-135, J-145 が加わった代わりに
J-45, J-95 が記載されていません。この時点で製造終了であれば
かなり短命なモデルだったのかもしれません。
というわけで G100-212 I は J-85 か J-105 の可能性が高そう。
 
(20230323 追記 G100-212 I はチャネルが1だけなので、
仕様としては J-85 に近いようです。)

カタログから J-95 の仕様を抜粋します。

--- ここから ---
J-95 ¥115,000

実効出力=100Wr.m.s (200W peak)
使用スピーカー=30cm (JA3057) x 2
チャンネル数=2
効果=ブライト・ディストーション・リバーブ
寸法=597Hx707Wx250D mm
重量=29kg
仕上げ=レザーレット
附属品=ビニールカバー/フットスイッチ

--- ここまで ---

70年代中期のアンプ YAMAHA J-95 の回路図を採取したので
公開いたします。

DSC05132A


回路図

 20230315   初出
 20230317   CH1: C121, C136 誤り修正

  PNG:





  PDF:


schematics  J-95.pdf

キャビネットからシャーシを取り出します。

DSC04986A

シャーシ下部についている電源トランス、ブロックコンデンサ 2200uF 160V x 2,
パワーアンプユニット。
電源トランスはGA8083。F100-112, F100-212 と同じ。
ブロックコンデンサ 2200uF 160V x 2 は電源平滑用とスピーカー結合用。
これもF100 シリーズ共通。

パワーアンプユニットは...
DSC04988B
LC83341 基板も F100 シリーズで共通。
回路を探ってみましたがベースアンプであるにもかかわらず、
回路定数も含めて全く同一です。ギターアンプ、ベースアンプの音の
区別はプリアンプで作る、ということなのでしょう。

DSC04990C
終段トランジスタ サンケンの 2SC1586。
これも F100 シリーズで共通。

シャーシの中身を見てみます。
DSC04979D
手前の基板が LC85630。
電源回路とスピーカー保護回路が搭載されています。
この基板はこれまでの F シリーズとは異なっています。
ギターアンプ F50-112, F100-111, F100-212 にも電源 ON, OFF 時の
ボンッというノイズをカットする仕組みがありましたが、
F100B ではさらに踏み込んで高出力時のスピーカー保護も
組み込まれています。

DSC04993E
LC85630 の裏側。
Fシリーズのギターアンプに比べると部品点数が少ないように思われますし、
未実装のパターンがいくつかあります。

電源基板ではありませんが、写真右側のシャーシに取り付けられている
円筒形の部品が 不平衡ー平衡変換トランス GA80071。
二次側の出力が XLR コネクタに接続されていることがわかります。

DSC04995F
プリアンプ部 LC84610 基板。
IC を一切使っていないディスクリート構成。
グラフィックイコライザーの部分を見てみるとポットの数と同じ数だけ
トランジスタがあることがわかります。
ということはあの回路だな、と予想がつきました。

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