昨年の10月以降、 Nutube 6P1 を使ったオーディオヘッドフォンアンプ、ギター用ヘッドフォンアンプ、ハイブリッドギターアンプの3種類を製作してこの場で報告しておりますが、この新しい真空管でフルチュープアンプを作れないか、という目標を持っていました。ハイブリッドギターアンプを作った時点で Nutube が真空管らしいクリーンな音を出してくれたので希望を持てたのですが、反面、JFET によるソースフォロワー(バッファ)を3箇所も入れないと音質が保てないことも分かりました。ソースフォロワーを外すとグリッド電流が漏れるため、高域が落ち込みます。なんとかならないか。
そこで考えたのが、Nutube 6P1 のアノード(プレート)電圧に80V を加え、グリッド電流を抑えることによって JFET をなくしフルチューブアンプにしようということでした。同時に、80V で駆動する Nutube 6P1 の真空管らしいクリーンな音を聞いてみたい。エフェクターコンテストなのでアンプを出品したら審査してもらえないかも。じゃぁ、クリーンブースターにアンプが付いてる、というコンセプトにしようということにしました(少なくとも、ストンプボックスの形に収めなければならないようでした)。
80V 電圧(実際には 77V 40mA)は NJM2392 でチョッパ型昇圧 DC-DC コンバータを設計しました。このあたりは何度も作っているのでトラブルもなし。正月休みに製作しました。 プレート電圧が 80V と(真空管としては)低め。これでスピーカーを鳴らすアンプとなると... 思案して E88CC (JJ) を選びました。(ちなみに今回の回路はすべて現状で入手できる部品で構成しています。)E88CC で プレート電圧 80V で負荷線を引いてみると... (;_;) 0.2W しか出ない。あぁぁぁぁ。しかたないなぁ。
完成したのは1月9日(成人の日)。ストンプボックスの箱に収めると Nutube 6P1 のマイクロフォニックが激しいことに愕然としました。フットスィッチを踏むと盛大に「ピーン」。とくにゲインを上げるとマイクロフォニックノイズが発振するようです。クリーンブースター(最大Gain 10)として使うにはなんとか使えそうだけど。